Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

アカウンティング/会計の教科書 (1)

ファイナンスと来れば、次はアカウンティングでしょう。と、学習の順序とは逆になるが、会計の本の思い出について書いてみよう。1998年ごろだろうか、マネジャー向け研修で最初に読まされた本は、会計というよりもむしろ経理の本で、複式簿記・仕訳から紹介するものであった。当時バリバリの技術者だった人間として、何のことやらよくわからない世界だ、というのが最初の印象だったと思う。減価償却とか引き当てとか、実際のお金の動きとは別に費用計上するのになかなかついていけなかった記憶がある。それでも B/S、P/L の財務諸表を読んで比率分析するという流れまでは把握していたように思う。ただ研究部門というコストセンターにいる人間にとって、その重要性は実感としてなかなかつかめなかったのも事実である。今考えると恐ろしい話である。

1990年代後半は、今と違って、キャッシュフローという考え方も目新しかった。2000年の会計ビッグバンに向けて、「連結決算になる」とか「キャッシュフロー計算書が財務諸表として必須になる」とか、そういう解説書が数多く出版されていた。しかし初心者の自分にとって、古い話題も新しい課題も関係ないわけで、すべてをひっくるめてきちんと体系的に説明してくれる本があれば、と感じていた時期でもある。

そこで例によってグロービスMBA シリーズである。最初の科目別教科書として「MBAアカウンティング」が出版されていた。新版では直っているようだが、この旧版の凄いところは財務会計ではなく管理会計を最初に持ってきているところで、いきなり限界利益から損益分岐点分析の話が展開される。非常に意欲的な試みだと思うが、初心者にとっては何のことやらチンプンカンプンであった。プロダクト提供側の論理で出来ていた本と言えよう。

その一方で、この本のよいところは生きた事例が多く、アカウンティングの重要性・面白みがよくわかるようになっていたことにある。イトーヨーカドーダイエーの財務諸表を比較したり、5つの財務諸表を提示してそれがどういう業界の会社かを問う例題があったり、興味深く読むことができた。新版([新版] MBAアカウンティング)ではダイエーではなくイオンが取り上げられているようだ。

この本の内容をさらに詳しくしたのが、この本の監修者である西山茂氏が書かれた2冊の本「戦略管理会計」「戦略財務会計」である。今ではときどき辞書代わりにこれらの本を参考にしている。

MBA アカウンティング [新版] MBAアカウンティング (MBAシリーズ) 戦略管理会計 戦略財務会計