慶應大学ビジネススクールの高木晴夫教授 の「会議の上手なやり方」に関する講義を受ける機会があった。映画「十二人の怒れる男」の冒頭部分を見せ、誰がどの順番で有罪から無罪へ意見を変えていくのかを予測、さらに 5-6人で議論して、予測結果の精度を上げ最終的にはコンセンサスを得るミーティングを行う。
このミーティングは「結論に至るまでの道筋が確定していない会議」を模擬的に行うことに相当する。模擬会議の中で以下を意識することが求められた:
- 現在行われているのが「中身」の議論なのか「会議の進め方」の議論なのか
- 上記のモード切替を「策動」というが、どういう「策動」発言があったか
- 会議が「漂流」している時間帯があったか
ともあれ映画を使ったユニークな授業のおかげで、名作「十二人の怒れる男」を初めて観た。三谷幸喜によるコメディ「12人の優しい日本人」はこの日本版である。こちらは数年前に DVD で観たことがある。日本に陪審員制度を導入するとどうなるか。「日本人同士であれば、さもありなん」と思わせるイモーショナルな形で議論が進む。この日本版だと誰がどの順番で意見を変えていくかを予測するのは、さらに難しかったことだろう。