Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

『財務3表一体理解法』で財務会計がよくわかる

『決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法』は新書一冊という少ないボリュームながら、会計(アカウンティング)のエッセンスがとてもよくわかる本である。発刊されてから1年くらいたつ本だが、僕自身何度か読み返して、仕事に役立てることができた。


決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)

会計については以前にも、教科書となる本をはじめ、僕がこれまでに手を出した本を何冊か紹介した。これらの本と『財務3表一体理解法』との決定的な違いは、損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)を一緒に扱うことにある。

この本の中で読者は小さな会社を立ち上げて経営する。自分の会社の一つ一つの活動が、財務3表にどのように結びついて、それぞれの取引に対応して財務3表がどう動くのかを、本の中で丁寧に解説してくれる。小さな組織で働くと会社の仕組みがわかるようになるが、その視点で会計を理解させることを狙って書かれた本である。

まず財務3表間の関係を以下のように整理する:

  • PL の当期純利益が、BS の利益剰余金の繰越利益剰余金につながる
  • BS の左と右の合計は一致する
  • 直接法 CS の期末現金残高は BS の現金・預金と一致する
  • 間接法 CS は PL の税引前当期純利益から計算する
  • 間接法 CS と直接法 CS の営業キャッシュフローは一致する

そして一つ一つの取引によって財務3表がどう動くかを、下記の手順にしたがって解説する:

  1. 取引が PL に影響を与えるか、利益が変化するかを見る
  2. PL の当期純利益が、BSの繰越利益剰余金とつながっていることを確認する
  3. BS の左側と右側が一致することを確認する
  4. 直接法 CS で実際の現金の動きを確認する
  5. 直接法 CS の現金・現金同等物期末残高が、BS の現金・預金と一致することを確認する
  6. 間接法 CS の一番上にある数字が、PL の税引前当期純利益が書き写されていることを確認する
  7. 間接法 CS の営業キャッシュフロー計が、直接法 CS のそれと一致することを確認する

この本を読んで僕自身の役に立ったことは、複数の在庫管理方法で解説があったこと、借入金の元金返済と利息返済の違い、新会計基準に基づく有価証券の時価会計(売買目的の有価証券は当期の損益・PL に影響、満期保有の債権は原則原価・BS のみ影響、子会社・関係会社株式は原価、その他の有価証券は時価)、法人税支払いの手続きと税効果会計、減損処理、自社株買いなどである。

このように、会社経営にあたって出てくるさまざまな取引を取り上げているので、この本を丁寧に読み進めば、財務会計について理解を深めることができる。