Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

カーナビも「集合知処理」をする時代 --- そして「イノベーションのジレンマ」へ

最近のカーナビのカタログをめくっていて、ふと気づいたことがある。もはやカーナビは、ルーティングの性能を競ってはいない、と。以前は速く目的地にたどりつける道を見つけるアルゴリズムの優劣を競っていたが、今や、地図の表示が美しいとか、フルセグ映像が見られるとか、ナビゲーションの基本性能以外のところが競争のポイントとなっている。ルーティング・アルゴリズムがほぼ成熟したので、今後は利用できるデータの精度を高めたり、さまざまな種類のデータを活用できるようにしたりするのが重要になっているようだ。

そういう意味で、カーナビも集合知Collective Intelligence)処理の時代に入っている。パイオニアカロッツェリア)のスマートループや、ホンダのインターナビは、車からの走行データを収集、統計処理を施して、より精度の高い情報を利用者に提供しようとしている。他のカーナビから上がってくる渋滞情報や過去のログも、ルーティングに活用するようになってきたのである。しかもエントリモデルである楽ナビから、スマートループに対応している。

このように従来からあるカーナビが、より高位のナビゲーションを志向する中で、基本的なルーティングの性能は、消費者が求めるレベルを追い越しつつある。したがってより低価格で適正レベルの仕様の製品を提供するビジネス機会ができ、カーナビ市場では破壊的イノベーションが起き始めている。PND(Personal Navigation Device)の出現である。持ち運びができる簡易型のカーナビが数年前から欧州でブレイクし、今、日本でもローエンドのカーナビ市場に入りつつある。高機能なカーナビを作ってきた日本のメーカーが、このローエンドからの新興勢力にどう対応していくか。今後まさに「イノベーションのジレンマ」と向かい合うことになる。