好事魔多し。
健康診断結果に喜んだのも束の間、床に落ちていた物を拾おうとした拍子に、腰に痛みが走った。いわゆる「ぎっくり腰」の症状である。同じ姿勢で座り続けるのも、また仰向けになって寝ているのもつらい。横向きに腰を丸めて寝たが、あまり深く眠ることはできなかった。
翌朝、近所の整形外科で診てもらう。痛みの場所を確認し、レントゲンを撮る。骨などに異常はなく、腰の筋肉を痛めたという診断。腰痛の多くの症例がそうだそうで、「顔を洗おう」とかがんだ時とか僕のように物を拾おうと腰をかがめた時などになる人が多いとのこと。
僕の場合、初めてのことなので安静にしていれば治るのは早いだろうという診断された。リハビリルームに行って腰を牽引する。何度か整形外科に来ているが、リハビリルームは初体験。「能動型自動間欠牽引装置」なるものに座り、15分間、腰を伸ばすことを繰り返す。
日中はサポーター(コルセット)を付けることになった。日常生活での腰への負担を減らすことになる。そして湿布薬、痛み止めの薬、筋肉を弛緩する薬が処方された。半日がたち、少し楽になってきている。
「腰痛の方への日常生活アドバイス」なる紙をもらった。
- 立つ:正しい姿勢は壁にぴったり背中をつけた時に、壁と腰のくぼみの間に手のひら一つ分くらいの隙間ができる。
- 歩く:スピードは自由に。うつむきかげんはダメ。
- 座る:背筋はまっすぐに。深く腰かける。
- 寝る:寝具は適度な硬さのものを。柔らかすぎはダメ。
- 仰向けの時は膝の下に枕などを入れる。
- 横向きの時は股関節と膝関節を軽く曲げる。
- うつ伏せの姿勢は腰によくない。
- 着衣・脱衣:立ったままの不安定な姿勢は腰痛のもと。腰かけなどを利用する。
- 重いものを持ち上げる:荷物を体に近づけ、腰ではなく膝を曲げる。
- アイロンをかける:座ったままではなく、できれば高めのアイロン台で立った姿勢で。
- 車を運転する:シートをハンドルに近づけ、背もたれを立てて、腰も膝も直角に近くなるようにする。
ジョギングを始めれば足を痛め、ゴルフを始めれば腰を痛める。健康によかれと思って始めたことが裏目に出る。寄る年波には勝てないということか。