Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

クルーグマンの新作『世界大不況からの脱出』『マクロ経済学』にみる英語圏とのタイムラグ

本屋に行くとクルーグマンの新作が2冊出ていたので早速購入。1冊目は『世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか』(原著:The Return of Depression Economics and the Crisis of 2008)。1999年に出版された『世界大不況への警告』の改訂増補版であり、原著から約3ヶ月というスピーディかつタイムリーな翻訳刊行である。


世界大不況からの脱出-なぜ恐慌型経済は広がったのか The Return of Depression Economics and the Crisis of 2008

そして2冊目は夫人と共著の教科書、『クルーグマン マクロ経済学』。こちらは持ち帰るには重たいので、帰宅してから Amazon で購入。『ミクロ経済学』がサービス精神にあふれ、Web のリソースも充実していたので楽しみである。こちらは分厚い教科書ということもあって、日本語でミクロ編・マクロ編の全訳が揃う前に、既に原著の方は第2版 "Economics" が刊行されてしまった(しかも Amazon を見ると、2009年5月には 同著 2nd revised Edition が出る模様)。翻訳という過程を経る以上、このような英語圏とのタイムラグは致し方ないだろう。


クルーグマンマクロ経済学 クルーグマン ミクロ経済学 Economics

先日、約半年前に出たクラウド・コンピューティングに関する The Economist 誌の特集記事の要約をブログに上げたところ、幸いなことに多くの方からアクセスいただいた。全訳をするほど完全に原文を理解しているとは言えず、かといって英語のままだと自分用に整理できない。僕の英語力では苦肉の策としての日本語メモであった訳だが、それが少しでも役に立ったかと思うと、とても嬉しい。

ただ一方でこうも思うのだ。「英語圏の経営者やビジネスパーソンにとって、半年も前に『常識』となっていたことが、日本語圏では半年後でも価値があるのだ」と。英語圏と日本語圏との間に生じるタイムラグを、図らずも自分のブログで体感してしまったのである。

そうは言いながらも、僕はこのような英語の資料に関するエントリをこれからも載せていくだろう。一つは自分用に整理して理解を深めるため。そしてもう一つは、それを僕の知人や同僚たちと共有して議論をするため。このささやかな、そしてまったくもって個人的な試みが、ブログに上げることによって、もしかしたらネット空間にいる他の人たちにも役に立つかもしれないと思うと、少しだけわくわくする。

経済学の教科書に関するエントリ

クルーグマンをはじめ、マンキュー、スティグリッツなどの経済学の教科書や読み物については過去のいくつかのエントリで言及している。