Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

村上春樹『1Q84』を探し求めて

村上春樹の小説は好きだが、必ずしも急いで読む方ではない。『ノルウェーの森』のように装丁の美しい本は例外として、だいたいは文庫になってから読むことが多い。今度の『1Q84』もそのつもりだった。先週の金曜日、どの本屋にも『1Q84』(BOOK 1BOOK 2)が平積みとなっていた。近所の駅前の本屋もご多聞にもれず、『1Q84』の山が形成されていた。『BOOK 1』を手にとって目を通してみる。なかなか面白そうな出だしだ。まぁいつものようにちょっと落ち着いた頃に読もう。そう思って買わずに本屋を後にした。

明けて今週。あんなに高かった平積みの山がなくなっていた。再入荷は6月10日というお知らせの紙が揺れている。おやおや。駅前の本屋では『BOOK 1』だけが品切れになり、『BOOK 2』が数冊むなしく残っている。

こうなるとどうしても読みたくなるのが人情というものであろう。本屋の近くを通るたびに覗いてみる。「アカデミア」、「文教堂」、「談」…。どの本屋も品切れである。残念、しばらくは入手できそうにない。半ばあきらめの気持ちで立ち寄った有楽町の「三省堂」。

あった、あった、ありました。「再入荷しました!」というお知らせと共に、『1Q84』が山になっており、いそいそとレジに並んだ次第である。そして。

他の読みかけの本を押しのけて、その日のうちに『BOOK 1』を読み終えてしまった。昔と違って難解さなところが少なくなり、ストーリーや登場人物の内面にどんどん引き込まれていく面白さがある。こういう力強い小説を通勤電車の中で読んでいると、降りる駅で急に現実に引き戻されて、しかしそれがまだ現実でないような不安定な気持ちにさせられる。

この物語の全体を通してモチーフになっているヤナーチェクの「シンフォニエッタ」。確か家にも CD があったはずと思って、探してみたが見つからない。Amazon で検索してみると、どの CD も在庫がなくなっている。これも『1Q84』効果なのだろうか。iTunes Store で冒頭の部分を試聴してみる。そうそう、この独特の印象的な旋律。家にもあると思うのだが、何か別の曲とカップリングになっているせいか、なかなか見つからない。このままだと物語に出てくるジョージ・セルの CD(『バルトーク : 管弦楽のための協奏曲 / ヤナーチェク : シンフォニエッタ』)を買ってしまいそうだ。


1Q84 BOOK 1 1Q84 BOOK 2 バルトーク : 管弦楽のための協奏曲 / ヤナーチェク : シンフォニエッタ