丸の内ブリックスクエアの一角にある三菱一号館美術館で、「マネとモダン・パリ」展が開催されている。
国立新美術館で開かれている「ポスト印象派」と同様、オルセー美術館所蔵の絵画が数多く展示されている。向こうが「後期(ポスト)印象派」だとすれば、こちらは「印象派の創始者」と言ってよいのかもしれない。マネ(Manet)は自分たちより年下の印象派の画家たちに大きな影響を与えており、「オランピア」、「草上の昼食」で物議を醸した。今回はオルセー美術館所蔵の「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」など、多数展示されている。
さらにこの展示会ではマネが生きた近代都市パリがどうであったか、写真や風景画と共に紹介されている。1870年の普仏戦争により第二帝政が崩壊し、第三共和政が成立した時代である。
モネなどの印象派の画家に影響を与えた一人に、オランダのヨンキント(Jongkind)がいる。昔から僕はヨンキントの描く風景画が好きで、今回、思いがけずこの展示会の中にヨンキントの絵を一枚見つけて、とても嬉しかった。「パリ、セーヌ川とノートルダム大聖堂」という作品である。