Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

GE がスマートグリッド分野でクラウドソーシングを行う

同僚に教えられて、遅ればせながら GE のクラウドソーシング(オープン・イノベーション)の取り組みを知った。スマートグリッドの分野で、GE の子会社 Ecomagination がオープンにアイディアを募る "Ecomagination Challenge" というプロジェクトである。

シリコンバレーの著名な VC 数社と組み、アイディア・コンテストを行う。有望なアイディアには、GE と一緒にビジネスを行う機会が与えられる。そういうベンチャー、チームには2億ドルが投資される。アイディア・コンテストの審査員には Wired 編集長で、クラウドソーシングを提唱しているクリス・アンダーソン(Chris Anderson)の名前もある。

Google のスマート・メーターなど、IT 系の会社に対抗するために、重電のイメージが強い GE という会社が、シリコンバレー流のインキュベーション手法を取り入れたのが新鮮である。有望なベンチャー(start-up)を募り、早い段階(early stage)で投資、うまくいったらそのまま買収してしまうことも視野に入れているだろう。GE にも有能な研究者・技術者はいると思うが、あえてオープンにやろうとしているのは、スマートグリッドのように、インターネットの双方向的な考え方が要求される分野では、シリコンバレーイノベーションが要求されるということの現われかもしれない。過去の栄光に縛られずに、必要なことであれば、すぐに新しい取り組みを行う。GE が強い所以である。

下記の関連記事を読むと、Ecomagination は700億ドルの売上をあげ、2015年までの研究開発費は100億ドル。売上高研究費率 5% 程度であり、今回のオープン・イノベーションにかかる2億ドルはそのほんの一部と言えなくもない。

GE のジェフ・イメルト(Jeffrey Immelt)は、新興国から革新的な製品が出る「リバース・イノベーション」を提唱・標榜している。この Ecomagination Challenge がうまくいったら、オープン・イノベーション、あるいはクラウドソーシングにより、「GE はどうやって再び自らを破壊しているのか」("How GE Is Disrupting Itself again")と題した論文を、Harvard Business Review に書くのかもしれない。