Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

小惑星探査機「はやぶさ」を知る

小惑星探査機「はやぶさ」Wikipedia)が帰還、大気圏に再突入した6月13日から4ヶ月。コンテナから回収された試料から多数の微粒子が見つかったそうだ。イオンエンジンリアクションホイールの故障、通信断絶、満身創痍になりながらも数々の工夫を凝らして、地球に帰還した「はやぶさ」。見つかった微粒子が小惑星イトカワ」の物質であって欲しいものである。

帰還時には一冊しかなかった「はやぶさ」について書かれた本が、今ではだいぶ増えた。

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

山根一眞氏によるドキュメント。「はやぶさ」プロジェクトの全容を知るのに最適の一冊。プロジェクトリーダである川口淳一郎氏、イオンエンジンを開発した國中均氏らへのインタビュー取材を通して、控えめな研究者・技術者たちから本音を引き出している。

小惑星探査という科学的成果もさることながら、サンプルを持ち帰ってくるために、数多くの技術者が工夫をこらして開発した装置、そして想定外のさまざまなトラブルに見舞われながらも人智を尽くして、地球帰還にまでたどり着かせた努力に心を動かされる。そして「はやぶさ」も満身創痍になりながらも、それに応えた。サンプルが入っているかもしれないカプセルを切り離し、自分は閃光とともに燃え尽きてしまったはやぶさ。物語の最後は涙が出そうになる。

Newton の特集別冊。写真とイラストが豊富でわかり易い。プロジェクトリーダの川口淳一郎氏だけでなく、イオンエンジン、カメラ、分光器、ターゲットマーカー、ローバー、サンプラーホーンなど各担当の技術リーダたちへのインタビューが収められている。また川口氏が1999年4月に寄稿した「人類初の小惑星サンプルリターン計画」という記事も掲載されており、これを読むと計画時点でどういうことが考えられていたかがわかって面白い。

日経サイエンス 2010年 09月号 [雑誌]

日経サイエンス 2010年 09月号 [雑誌]

日経サイエンスに「はやぶさ 最後の日」と題した川口淳一郎氏の記事が寄せられ、プロジェクトの概容と、「はやぶさ」に寄せる思いがつづられている。

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)

吉田武氏による本。7月のエントリ参照。糸川英夫氏のペンシルロケットに始まる日本の宇宙開発・ロケット開発を概観する。

小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡

小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡

小惑星探査機 はやぶさ物語 (生活人新書)

小惑星探査機 はやぶさ物語 (生活人新書)

宇宙教育の父、「はやぶさ」の広報担当でもある的川泰宣氏が、JAXA 内部から見た「はやぶさ」プロジェクトを語る2冊の本。前者からは、運用チームが一つ一つ難しいミッションをこなしていく様と緊迫感が伝わってくる。後者はプロジェクトマネジャーである川口淳一郎氏の厳しさ、そのリーダに挑戦するチームの技術者魂、執念、そして成長を描いている。

この2冊は、山根一眞氏の本の後に読むと、一層理解が進むと思う。個人的には、技術者の視点から見る的川氏の本が最もわかりやすかったし、面白く感じた。どちらも一気読みであった。

小惑星探査機「はやぶさ」関連のエントリ

はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話

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「はやぶさ」式思考法 日本を復活させる24の提言

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