Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

『宇宙は何でできているのか』『宇宙に果てはあるか』『光の場、電子の海』

東大の数物連携宇宙研究機構(IPMU)の村山機構長による『宇宙は何でできているのか』は、現代物理学の素晴らしい入門書である。これほどコンパクトでスピーディに現代物理学を語った講義があっただろうか?「素粒子物理学で解く宇宙の謎」という副題にある通り、宇宙を構成する物質、その最小単位である素粒子の理論、それによって導かれる宇宙論を駆け足で概観する。それは現代物理学の歴史概説でもあり、標準模型超ひも理論など、小林益川理論も含む最先端までを、わかり易く興味深い語り口で紹介する。

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)

さらに一歩進んで、宇宙論や量子場・量子電磁気学の啓蒙書としては、吉田伸夫氏の本が面白い。

宇宙に果てはあるか (新潮選書)

宇宙に果てはあるか (新潮選書)

光の場、電子の海―量子場理論への道 (新潮選書)

光の場、電子の海―量子場理論への道 (新潮選書)

特に『光の場、電子の海』は原論文にあたりながら、当時の物理学者が取り組んでいた仮説・検証の思考過程の再現を試みている。20世紀物理学の一つの到達点が量子場理論であるが、その視座をこの本で改めて確認した。「量子場を伝わる波動は、電子や光子と同じようにエネルギーがとびとびの値となって、あたかも空間を飛び回る粒子のように振舞う。」「こうした粒子は『素粒子』と呼ばれてきた。」「素粒子はビリヤード球のような粒子ではなく、あくまで量子場が粒子のように振舞っているものであることを忘れないでいただきたい。」