『Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド』には、AWS(Amazon Web Services) を使ったクラウドシステムのアーキテクチャ設計・構築・開発のデザインパターンがまとめられている。AWS の提供するコンポーネントやサービス(仮想サーバ、ディスク、ロードバランサ―、コンテンツ配信、DNS、KVS、Autoscale など)をどのように組み合わせると、信頼性や性能に考慮した Web アプリケーションシステムが構築できるかがわかる。開発者向けの本であるが、それ以外の人が読んでも、Web システムの裏側(クラウド側)で、分散システムがどのように構成されているのか、その概略が掴めるだろう。
Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド
- 作者: 玉川憲,片山暁雄,鈴木宏康
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/08/02
- メディア: 単行本
- 購入: 15人 クリック: 188回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
二部構成になっており、第一部で48のデザインパターンが説明され、第二部でその応用事例として、画像配信、EC、キャンペーンサイト紹介される。薄い本なので、一時間もあればざっと目を通して概略を把握できる。あとは開発者が必要に応じて辞書のように使うことになるだろう。
AWS を例にしているが、基本的には Web アプリケーションやミドルウェアのシステム・アーキテクチャのデザインパターンと考えてよい。スクラッチからサーバを動かすのと違い、AWS は役に立つ部品群を提供しており、これらを組み合わせて分散システムを構成していく。標準部品として提供されていない場合は、当然、汎用の仮想サーバをアプリケーションサーバとして使うこともあれば、NFS(Network File System)として使うこともあるし、proxy サーバにして使う場合もある。
AWS では使った分だけ課金されることから、トライ&エラーを重ねながらスモールスタートできるのも魅力である。
クラウドデザインパターンの最新情報は、こちらのサイトにある。