Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているか?:日本のティーチングプロ 基礎編

右足で地面を蹴るのか、左足を踏み込むのか。「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているのか?「レッドベター編」「日本のツアープロ編」に続き、今回は「日本のティーチングプロ 基礎編」である。100切り、90切りレベルのシンプルなスイング理論ということで、中井学、桑田泉、内藤雄士という 3人のティーチングプロを取り上げる。

まずはヒップターンを提唱する中井学プロ。捻り上げたトップの位置から、捻転をほどくだけ、腕を振る意識を捨てれば下半身から戻せる、とシンプルな動作を強調する:

  • トップで作られた腰 45度、肩 90度の捻転差をインパクトまでキープすることが重要:スイング軌道の安定、入射角を整える、ひいてはミート率を上げる
  • 切り返しは、苦しいトップの位置から捻転をほどくだけで、自動的に下半身が先行する。
  • 切り返しではヒップから戻すことを意識する。ダウンスイングの始動は、左のヒップがリードする。骨盤を左に旋回させる意識を持つ。
  • 始動時に左ひざを少し開く、スライドさせる動きを導入する。
  • 切り返しでは左ひざをアドレスの位置に戻し、左の股関節を左側に移動するだけでいい。左に踏み込む意識が強いと、軸が左に流れやすい。
  • 腰が目標方向にスライドする感覚があるから、左ひざも同時にスライドし、それから骨盤の旋回が始まり、その次に左ひざが伸びていくというイメージ。

強い球で飛距離が伸びる! ヒップターンスイング

強い球で飛距離が伸びる! ヒップターンスイング

ここまでは非常にシンプル。しかし最近のスイング理論を取り入れると、事情は少し複雑になってくる。「腕の意識を捨てろ」と言っていた中井プロだが、最近はヘッドターンができていないアマチュアには「アームローテーション」を先に教えるべきだったと反省している。その最新の教え方を『誰も言わなかったシンプルゴルフのすすめ』に著しているが、そこでは韓国選手に代表される「右足ベタ足のインパクト」について、次のように解説している:

  • ダウンスイングの初期では、腰を左にスライドすると同時に、右ひざを曲げて右足の裏全体で押し込む。
  • インパクト直前からフォロースルーにかけて、右足のパワーを放出するイメージで右脚全体を真っ直ぐに伸ばす。
  • ダウンスイングの始動と同時に体重を左足に乗せようとしない。ダウンスイングからインパクトまではおヘソがまだ右を向いているイメージ。つまり右足重心のままでインパクトに向かう。
  • 「重心移動は、右、右、左」:バックスイングでは右足重心、ダウンスイングからインパクトまでも右足重心、ボールを打ち終えてからクラブヘッドの遠心力に引っ張られて、最後に左重心となる。
この「右、右、左」については田中秀道プロも同じことを言っている(「ツアープロ編」参照)。

この右から左へ重心を移動するタイミングが、なかなかつかめていないというのが、今の僕の状況であるが、中井プロとは正反対の「手打ち」を提唱している桑田泉プロも、この重心移動については、中井プロと同じようなことを言っている。

鍛え上げたプロと同じイメージではアマチュアは打てない。「ボールを見るな。ダフれ。手打ちしろ。」逆説的な言い方で独特の指導をする桑田泉プロ。そのクォーター理論では、切り返しは、S2 と呼ばれる下半身主導のボディーターンのパートに相当する。

  • 「背中、足」すなわち「上半身を 90度右へ(バックスイング)、下半身を 90度左へ(ダウンスイング)」という言い方で、ボディーターンを表現する。上半身と下半身の捻転差を作り、下半身主導でダウンスイング。
  • 左ひざ主導、左腰を切ると言われるが、それではアマチュアはうまく行かない。
  • そうではなく「足の裏」を意識する。足の裏で地面を掴む感じにして、その場で両足の裏全体で回転する。
  • 足首が捻られるような感じになるが、実際には足も足首も回転はしないので、膝や腰が回るようになる。
  • 体重移動は「右回転、左回転」が正しいイメージ。体重移動は、トップで右に移り、右に移ったままその場で下半身を左回転させる。
  • この時、体重はまだ右足にかかっている状態で、下半身の回転の力でヘッドを左に振っていくと、ヘッドが振られ、引っ張られて最終的に左に移り、左足に体重が乗ったフィニッシュになる。

0からやり直す 本当のゴルフの教科書 ?常識をくつがえす 桑田 泉のクォーター理論?

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どうやら「切り返し」の段階で、右から左に即座に重心移動が行われるということではないというのが、定説のようだ。内藤雄士プロは複数の本の中で、一見矛盾するような説明が見受けられる。

  • ダウンスイングで体重が左足に移動するのは正しい動き。だがタイミングが早過ぎると上体が左に流れ、腰を素早く回そうとすると右ひざが前に出て右肩が突っ込みやすい。
  • 切り返しの際に体重を左足に乗せた後も、右かかとをできるだけ浮かせない。そのまま体幹部を左に回転する。
  • 切り返しでは、右股関節上から下半身の回転をスタートする。
  • 右腕をストンと落とす。
  • それと同時に、しっかり左足を踏み込み、左股関節上で腰を切るようなイメージで腰を回転させる。

体重を左足に乗せた後も、右かかとをできるだけ浮かせない。右股関節上で回転をスタートさせつつ、左股関節上で腰を回転させる。うーむ…。そこで起こる体重移動はどういうことになっているんだろう?さらに切り返しのタイミングや体重移動について、下記のように述べている:

  • トップからダウンスイングへ切り返すタイミングが整っているかどうかが、プロとアマの一番の違い
  • 下半身リード、タイミングについては、理屈よりも感覚で覚えた方が上達の近道
  • 重いボールを飛球線方向に放り投げる感覚、バッティングの感覚
  • 3kg のメディシンボールを投げるイメージの動作を繰り返すことで身につく。重いボールを投げるのであれば、左足をしっかり踏み込んでから腕を振ることになる。

なるほど。あまり難しいことを考えず、重いボールを投げる感覚でスイングしろということか。ところがそのドリルは有効ではないというティーチングプロもいる。「日本のティーチングプロ 応用編」に続く。

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