Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているか?:日本のティーチングプロ 応用編

右足で地面を蹴るのか、左足を踏み込むのか。「切り返し」について、世のプロたちは何と言っているのか?「レッドベター編」「日本のツアープロ編」「日本のティーチングプロ 基礎編」と来て、ラストは「日本のティーチングプロ 応用編」である。70台、80台をめざす上級者向けのスイング理論ということで、森守洋、三觜喜一、阿河徹、吉田一尊の4人のプロの話を取り上げる。「基礎編」に比べると、かなり難しい動作であり、今は頭の中に知識として置いておいて、練習して徐々に身につけていきたいと思っている。森守洋、三觜喜一の両プロの理論の実践は、まだ僕には早過ぎる。阿河徹プロの「9時・4時スイング」、吉田一尊プロの「地面反力」の内容を、少しづつ取り入れていければ、と考えている。

ゴルフ プロのダウンブロー最新理論 (青春新書プレイブックス)

ゴルフ プロのダウンブロー最新理論 (青春新書プレイブックス)

ダウンブローに打つにはボディーターンよりも腕の振り、フェースターンを重視する森守洋。腕の振りが「主」で体の回転は「従」。体の回転は腕を振った結果、自然と起こるものだと言う。下半身リードもスムースな重心移動も、下記の空手の「瓦割り」の動作で自動的に起こると言う。

  • ダウンスイングは、右足の真上めがけてグリップを思い切り降ろす。上体の開きを抑え、クラブ・腕・上体の重さが一気にボール方向に解放されて、分厚いインパクトとなる。
  • 真下へ力を開放する動きは、空手の「瓦割り」の動作で身につける。
  • 「瓦割り」では、右ひじを曲げて体に引きつけると、自然と右股関節に重心が移る。その体勢から力いっぱい拳を振り下ろすと、腰が素早く左へ切れて左股関節に重心が移る。要するに「瓦割り」の動きにより、下半身リードやスムーズな重心移動もオートマチックに行える。

より詳しくスイングを解説すると:

  • インパクトでは、腰が5時から5時半、胸は6時から7時を向いている(足元に時計版を置いたと仮定、6時が正面)。
  • 切り返しで、上半身と下半身がひとかたまりになって、同じタイミングでダウンスイングへ向けて動き出すのは NG。
  • 正しい「下半身リード」とは、下半身が先行してダウンスイング方向に動いた時、上半身・腕・クラブはまだトップ方向に動いている。
  • トップから「瓦割り」「正拳突き」のイメージで、グリップを真下に向けて勢いよく下す。下半身リードや体を回す意識がなくても、自然と下半身が先行して動き始め、オートマチックに体重が移動する。
  • 下半身リードを意識しすぎると、左股関節で体重を受け止めきれない(スエーする)。
  • 体が開かない。インサイドからクラブを立てたまま下すことができる。

ダウンスイングでは、クラブ、腕、上半身の重さをすべて地面方向、真下に解放する。重いものを両手で持ち、それをターゲット方向に放り投げるというドリル(たとえば内藤雄士プロ)を否定するつもりはないが、ターゲット方向に放り投げると体が回転して開き易くなり、トップで蓄えられた力を横方向に使うことになる。真下への解放ではない。

ゴルフは直線運動(スイング)で上手くなる!

ゴルフは直線運動(スイング)で上手くなる!

最近、YouTube の MITSUHASHI TV でレッスンの様子を公開している三觜喜一プロの教え方は、「スイングを直線運動としてイメージする」「地面に向かって力を発揮する」ことを強調しており、森守洋プロに通じるものがある。三觜プロのレッスン映像にハマって、そのレッスンを体験したことがあるが、ジュニアを中心に、プロの卵を教えている(女子ツアーの辻梨恵プロの師匠)だけあって、上級者向けのスイングだと感じた。

切り返しでポイントとなるのが、「胸郭の分離」と言われる動作である。肩の部分と胸の部分を分離させ、胸郭部分を動かすことでダウンスイングを開始する。胸と肩が一体して動くのではなく(上半身が一体化して回るスピンアウト)、胸が先に、肩は一瞬遅れる動くので、上半身がうねっているように見える。この「胸郭の分離」動作は非常に難しく、「うねりドリル」という独特の練習方法を紹介している。


胸郭を分離してスイング動作に流れをつくる【クラウンゴルフクラブ③】

切り返しにおいて、上半身はバックスイングの途中でトップに向かっていくのと同時に、下半身はダウンスイングを開始するということがよく言われるが、その正体が「胸郭の分離」ということになる。

YouTube では、MITSUHASHI TV 以外でも HIGH SPEC GOLF というチャネルで、ゴルフ・ジャーナリストであるアマチュアに、うねりドリルや、胸郭の分離・右側屈・左へのバンプという動作で、切り返しを教えている。


三觜喜一プロにレベルの高い身体の使い方を習う 【前傾キープに絶対必要です】


三觜喜一プロにホンモノのバンピング動作を習う!

胸郭の分離だけで切り返している様子を見ると、「左足一軸」、いわゆる「スタック&チルト打法」のように見えるが、実際には左足への重心移動も行っている。


「時間差」を作って飛距離アップ【クラウンゴルフクラブ①】

また三觜プロの愛弟子である谷内(やち)修也プロが、切り返し・バンプについての補足的な説明を行っている動画もある。胸をきちんと開いてトップを作ること、切り返しで右足を踏んで、右のお尻を左に押し込むバンピング、頭を残して側屈する体の使い方が紹介されている。「左足に踏み込んで左に乗る」というよりも、「切り返しで、右足を踏んで腰を左に押し込む」バンプは参考になりそうである。


クラブヘッドを最大限に加速できる上体の使い方【谷内修也プロのレッスン①】


飛距離を出せるバンピングと出せないバンピングの違いはどこにある?【谷内修也プロのレッスン②】

阿河徹プロは、上級者・シングルをめざすスイングとして、インパクト直前までタメをほどかない「9時・4時スイング」(クラブのシャフトが地面と平行になる時計の 9時まで下りてきたポジションから、フォローで 4時のポジションまでの範囲を重要視する)、さらにはその延長線上で、コンパクトなトップからインパクト直前でコッキングを解放(リリース)、インパクトで圧力をかけるスイングを提唱している。ほとんどのアマチュアは、このインパクトができていない。できているのは、ハンディキャップ 1-2 の片手シングルクラス、7番アイアンで 160ヤード飛ばせる、ほんの一握りの人たちだそうだ。

阿河プロは「切り返し」がゴルフの動作の中で一番難しいと言っている。切り返しの難しさは、

  • ダウンスイングで、手元とクラブが背中側にあって、視界に入らず不安な時間が長いこと
  • 上半身が、左と右で別の動作をすること
にあると言う。

この切り返しを説明した YouTube の映像がある:


正しくできていますか?切り返しの動作【阿河徹プロのスイングの設計図⑧】


知っておきたい正しいリリースの動作【阿河徹プロのスイングの設計図⑩】

阿河プロの 3冊の著書に書かれている説明をまとめてみた:

  • 切り返しは「バックスイングと共存する瞬間」。上体でバックスイングしながら、下半身でダウンスイングの状態を作り、そのねじれから強いインパクトを生む。
  • 切り返しは左下半身から始める。左足を踏み込み、左ひざが目標方向に少し動く。左足を踏み込む動作を行いながら、肩のラインを開かず腕や肘を真下に落下させていく。
    • 左前に重心をかけた時に左ひざが曲がる。
    • 体を入れ替える時にこの左ひざを伸ばす動きがスイングの動力となる。
  • 下半身から動かす。脚→腰→胴体→腕の順番に運動が起こり、最後にクラブが動く。「下半身リード」と言っても脚ばかりを動かしてもダメ、連動していないと意味がない。
  • 左上半身も左に旋回するが、右上半身はその左旋回についていかない。これにより、スイングプレーンにクラブを乗せて、レートヒットできる。
  • ダウンスイングでクラブが見えない時間を長くするには、右の上半身を残す(開かない)。体が左に旋回する時に、右肩・右ひじ・右手がついていかず、脱力した状態でいることにより、クラブは後ろに倒れ、しばらく背中側にキープすることができる。
  • 右腕が下がることにより、ダウンスイングでシャフトプレーンに入ってくる。
  • オンプレーンのダウンスイングが難しいのは、「クラブが見えない」「クラブがとてつもなく後ろに感じる」「関節の方向が不自然」だから。切り返しで右半身を脱力するのがコツ。クラブが倒れている状態をキープできる。
  • ダウンスイングでは右手は常に右ひじの後ろにある(不自然な関節の動き)。
  • トップで担ぎ上げずに右胸を開くこと。
  • 左右の上半身が別の動きをする切り返しを行うためには、バックスイングとダウンスイングの軌道を変える方法がある。
    • バックスイングは鋭角(スティープ)に上げ、ダウンスイングはフラットに下す。
    • これは森守洋プロや三觜喜一プロも同じことを言っている。クラブを「右回り」させて下す動作である。
    • 阿河プロによると、非常に難しい動作であるが、できるようになるとボールをとらえることが簡単になる。知識として持っておき、いずれできるようにコツコツと練習するとよいとのこと。

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切り返しでは、左足を踏み込むのがこれまでの共通認識であるが、右股関節・右足の使い方については、吉田一尊(旧:吉田一誉)プロが詳しく解説している。基本は左足軸での回転を謳いながらも、「飛ばし」のための右サイドの使い方を説明する。特に最近のスイング理論では「地面反力」と言い、地面を踏むことで、そこから得られる反作用の力を、腰の回転エネルギーに変えることが提唱されている。切り返しにおいても、人によっていくつかのタイプがあり、その個性に合わせてイメージを変えることを勧めている。

  • ゴルフスイングは「振る」のではなく、体を左右に「揺らす」イメージ。体を揺さぶって振り子運動を起こし、重心を左右に移動させる。
  • 下半身を使ってヘッドを走らせるためには、ダウンスイングで左足を強く踏み込む。その反動でインパクトに向かう直前で、左ひざが伸び、それと共にグリップの動きが止まって、その間にヘッドがグリップを追い越す。
  • 切り返しからダウンスイングにおいて、足で地面を押し込む動きには 3種類のタイプがある:
    1. 左足タイプ(松山英樹、ダスティン・ジョンソン):切り返しで左足拇指丘に乗ってから左足かかとで地面を蹴る。
    2. 右足タイプ(ロリー・マキロイ、リッキー・ファウラー):切り返しで左足拇指丘に乗るところまでは同じだが、その後右足かかとで地面を蹴り、キレのいい回転を生み出す。
    3. 両足タイプ(タイガー・ウッズ):切り返しで左足拇指丘に乗って体重移動を開始、その後は両足かかとで地面を蹴る。

ゴルフ 飛ばしの最終定理

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方向性を安定させるのが左サイドであるならば、力を出すのが右サイド。右股関節で大きなエネルギーを作れるかについて、さらに解説している:

  • 股関節でヒップターンは起こる。右足を倒して伸ばすと、自然に体がターンする。
  • 地面反力を使うために、トップの寸前で、右足の内側で地面をグッと踏み込む。すると地面反力が左斜め上方向に働き、下半身が左側に動き、右足が伸びて、骨盤が左に回転する。

セカンドショットは、ウェッジで。 (ゴルフダイジェスト新書)

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