数年前に「4スタンス理論」が流行った。生まれつき備わった体の使い方の特性を 4つのタイプに分類、それに合ったスイング作りを説く。自分がどのタイプなのか、憧れのプロゴルファーがどのタイプなのか、血液型談義のように、ゴルファーの間では盛り上がる。「4スタンス理論」をゴルフ向けに解説した本が、横田真一プロによる『4スタンスゴルフ』である。この本では前半で自分が4つのどのタイプに相当するかをチェック、後半でタイプごとのグリップ、アドレス、スイングを学んでいく。
- 作者: 横田真一,廣戸聡一
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2013/03/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まず A(指先派、伸びる、前軸)か、B(手のひら派、縮む、後ろ軸)か。そして 1(人差し指と中指、太腿の内旋、重心が内側)か 2(中指と薬指、太腿の外旋,重心が外側)か。この二つの軸で、A1、A2、B1、B2 の4つのタイプに分かれる。この中で A1 と B2 は体幹を斜めに捻るクロスタイプであり、A2 と B1 は体幹を真っ直ぐ(同じ側)を使うパラレルタイプとなる。
僕は A2 と思われる。鞄を指先で握る、ペットボトルから水を飲む時、肩ではなく肘を起点に飲む、薬を上向きで飲むので「伸びる派・指先派」の A である。さらにペットボトルを掴む時、中指と薬指をメインに使う、腕を前から後ろに回した方が楽なので、外重心の 2。A2 の体幹を真っ直ぐ使うパラレルタイプという訳だ。
【ゴルフレッスン】4スタンスゴルフ タイプ別にゴルフの上達を助ける理論
『4スタンスゴルフ』では、A1 タイプとして片山晋呉、A2 として伊澤利光、B1 として深堀圭一郎、B2 として丸山茂樹のスイングが紹介されている。ちなみにウェブサイトをいろいろ調べてみると、A2 はタイガー・ウッズ、シン・ジエ、宮里藍、宮里優作、谷口徹、中嶋常幸、伊澤利光、倉本昌弘。A1 はアダム・スコット、石川遼、片山晋呉、松山英樹。B1 はリー・ウェストウッド、藤田寛之、深堀圭一郎、岡村綾子、青木功、今田竜二、有村智恵、中井学。B2 はフィル・ミケルソン、アーニー・エルス、池田勇太、丸山茂樹、横峰さくら、ジャンボ尾崎。
世のレッスン書は A2 タイプに合わせたものが多いらしい。あの『モダン・ゴルフ』のベン・ホーガンも A2 という情報がある。僕が「美しいスイング」だと感じ、目指すべきスイングとして、参考にしてきたタイガー・ウッズ、宮里優作、伊澤利光、申ジエが、自分と同じ A2 というのは、ちょっと嬉しい。同じタイプということで、知らず知らずのうちに、その姿に引き寄せられたのだろうか?彼ら・彼女らのような「美しいスイング」をめざしたい!
一方、A2 パラレルは、上半身一軸で、下半身の動きに上半身がついてくる。クラブの入射角も、ゾーンで打つと言うより、V字型の点で打つインパクトになる。下半身主導による上半身との捻転、切り返しでの沈み込み、ヘッド・ビハインド・ザ・ボールは、本来、自分には難しい動きだったのだろう。これらのスイング要素を身につけるために、今もまだ苦労しているというのが正直なところだ。
同じ A2 タイプの伊澤利光プロの著書を、久しぶりに読み返してみよう。その体の使い方のポイントは、きっと参考になるはずだ。
特に切り返しの後のダウンスイングにおける「タメ」についての記述は参考になった:
ダウンスイングで、手の位置が 9時のところから徐々に加速してインパクト後に最速になるようにする。9時の位置まで、力感を加えないで我慢する。現代のクラブは、昔のように手首のコックを使ってタメて、インパクトで急激に加速させるのではなく、上記のように、徐々に加速するイメージの感覚の「タメ」で性能を発揮するようになっている。
確かに自分のショットのいい時の力感は、こんな感じだと思う。