テレビ神奈川で放映されていた三觜喜一プロの番組「The Golf(ザ・ゴルフ)」は、「細か過ぎるレッスン」と称して、初心者に「うねりスイング」を教えていくものだった。しかし初心者どころかアベレージゴルファー、しかも三觜プロの著書を読んでいる僕にとっても「目から鱗」の教えが多く、1年間とても興味深く拝聴した。録画したものを「永久保存版」にしておくつもりだったのだが、ハードディスクの容量は限られている。家で過ごす時間が増えたこともあり、すべてをもう一度見て、ポイントをメモとしてまとめておくことにした。
「The Golf」の「細か過ぎるレッスン」は、三觜プロの著書『ゴルフは直線運動で上手くなる!』や「うねりスイング」三部作、『最強インパクトを作るうねりスイング』『うねりスイング 実践ラウンド編1』『うねりスイング 実践ラウンド編2』の内容と重なるものもある。あるいは YouTube チャンネル MITSUHASHI TV で既に紹介されているものもある。しかし「うねりスイング」の基本が、初心者からの上達の段階に合わせて、凝縮して整理されているのがありがたい。6月にはこの番組の DVD も発売される。
1.アドレス
グリップ
- クラブの旋回がスムーズになるため、左右対称にフェイスが回転するところがスクエア
- 重みを感じられるよう、親指が下に
- 尺骨に沿って握る、スピードが出し易い
- 肩甲骨と背中がジョイント、肩をストンと落としてできるだけ下げ、耳と肩の距離を遠く感じる
- 肩がしっかり入っているか確認
ボールの位置
- 足の指10本上げても身体のバランスが前後に崩れないボールとの距離
- 足をバタバタさせながら、適正な距離を探る。傾斜地でも同じ
- 押して強い圧力をボールにかけられる前後左右の位置
- 右に置くとインから入るドロー、左に置くとアウトから入るフェード
アドレス:前傾姿勢
- 腰と背骨の向きを揃えた前傾姿勢
- 骨盤を少し前に出してから前傾
- あるいは背骨とシャフトの間を埋めるように
- 膝は軽く曲げる。曲げ過ぎると体が起き上がる
- 足の裏の重心の位置を目を閉じて感じ、真ん中に。
アドレス:下半身
- 内股の人は外に動き易く上がり易い、ガニ股は外より内に動き易く下がり易い
- 中間位に持ってくることで、両方に動き易い。ガニ股の人は若干狭くする。
- カカトをつけて左右に足を回した時にどちらも回せる位置に足を置く。
- 地に足をつけるために、太腿を外にまわしてから、つま先は内側に入れて、トルク(ねじれ)を入れる。
- 左足下がりは、左足をガニ股、右に足を内股に。
アドレス:実践編
- かかと重心にならないよう、肩甲骨、肋骨、腰を上げるよう心がける。お尻を上げる。
- デスクワークの人は、腕が内向きになじれて脇が開きやすく肘が引けやすい
- 常盤トレーナーによるストレッチが紹介される
2.スイング
体の動き:カゴ練
- 腕を真っ直ぐ伸ばしてスイング
- ダウンスイングでカゴの向きは変わらず降りてきて、インパクトの直前で向きが変わる。
- 縦回転するように体を使う
- トップで右脇腹が伸び、フォローで左脇腹が伸びる。反対側が縮む。
スイングの流れ
- クラブをつまんだままカゴ練の動き→フェースは閉じて開いて閉じる。
- 目の前で円を描くイメージが、クラブの流れ
- 円が縦回転、体を縦回転させて、常にクラブがボールのところに戻ってくるのが、スイングの流れ
- 再現性を高め、毎回同じことができるのがゴルフ
- 自分から見て時計回り、右回りにクラブを動かす。
- 遠心力で常に同じところにヘッドが戻ってくる。当てようと思うのではなく、勝手に当たってしまう。
- 常に動き続ける。形作りではなく動き続ける。タメも勝手にできる。
左ハンドルのテークバック
- ボールを投げる時に肘から上げる。遠心力がかかる。この動作がテークバックの左ハンドル。
- カゴ練で、左ハンドルを入れてカゴを回してビュンと振る。
- 左ハンドルだとフェース面がボールを見る感じでテークバック。切り返しでクラブが右回りで勝手に戻ってくる。スピードも出る。
うねりドリル
- 時間差・タイムラグを作る。体の中心で動きを作り、後を追うように腕を動かす。でんでん太鼓。
- 胸郭を先に動かしてから腕がついてくる。腕を8の字に動かす。
- 腕を上下させる動きを付け加える。これに時間差をつける。
- 地面に対して、ボールを投げる感じに近くなる。左ハンドル、腕が右回転しながら。投げると同時に左手を引く。
- 正しくうねると体の支点、首の付け根が動かなくなる。
- クラブを持ったら、8の字を描くように。うねりドリルの延長でハーフショット。何も考えずとも当たるまで。
- 肩を下げて、肘から上を固定して、肘から先でうねる。
3.インパクト
インパクトまでの動作
- クラブは引くことによって、安定して動かすことができる。
- 右手は押し手、左手は引き手。左手で引いた方がスピードが出て安定する。左手は支点があるので安定する。
- バックスイングまで両手で上げて、切り返しからは左手だけで振る。胸・体を右に向けたまま、目線は右で。フリスビーを左手で投げるイメージで。当てに行く動作、右手を使うと空振りする。
インパクトの動作:スピネーション
4.コースへの対応
芝の上での実践
- 腰から腰でよい。徐々に大きく。
- 素振りで芝をシュッと擦る。
- 下に向かってクラブを振り下ろす。
- 目線は右に
- インパクトで止める意識でいい。
- 芝の上で当てようとしない、上げようとしない
斜面への対応
- 腕が正しく振れていれば、斜面に対応して下半身の土台をしっかり構えれば、ちゃんと当たる
前上がり・つま先上がりの傾斜
- 傾斜に合わせて短く持つ
- 下半身を固定して腕の振りだけで打つ
- 左に飛び易いことを考えてアドレス
- クラブの先に当たり易いので、シャフトの根元寄りに構える
- 前を向いて横に打つつもりで腕振りに専念すると、体の向きがターゲットを向かない
前下がり・つま先下がりの傾斜
- ガニ股・膝を外に向け、重心を低く構える
- 右に飛ぶので、少し左を向く
- クラブを吊るすように持つ
- ボールに届くよう、クラブを下に向かって出力する
- 急なつま先下がり。右に行くのでオープンスタンスに構える人が多いが、体が起き上がって届かないエラーになる。右足を下げたクローズドスタンスで下に向かって振る
左足下がりの傾斜
- 低い球を打ちたければ、ボールを右に置いてそのまま打てば低く行く
- 球を高く上げるときには、球を左に置いて斜面なりに打つ(上級)
- 基本は斜面なりに並行に立つ。右膝が曲がって前に出るので、クラブを下ろす時に邪魔になったり、ダウンスイングで体が起き上がったりする。
- 右足を少し下げて、膝をターゲットに平行にするように構える。
- 左足を外側(ガニ股)に向けて、右足を内側(内股)に構えると、体が起き上がらず低く打てる
左足上がりの傾斜
- 傾斜なりに構えるとボールに届きにくい。初心者は地球に対して真っ直ぐ鉛直に構える。
- 左足を下げて、膝をターゲットに平行に構える
- 右に持っていかれないよう、左足を軸に構える
5.ドライバー
ドライバーのアドレス
- 極力アイアンと同じように振るために準備
- クラブの長さを基準に、前後の足の位置を決める(ドライバー限定)。グリップエンドがかかとに来る位置
- ボールの位置は左足のかかとの延長線上
- 足の幅は右に 3足分開く、4足分もあり
- 体の中央は、ボールの右にある
- ボールに対して構えるとスライスする。体の中心をずらさずに、体を右に傾けて構える
- 狙ったところより右に向いてしまう。左肩が見えていると確実に右を向いている。
- ターゲットからスパットを決める。ボールから引いた仮想の線より右の位置で、右手で、フェースをスパット、ターゲットに合わせる
6.ショットの技術
ボールの曲げ方
- クラブパスとフェースの向きでボールの打ち出す方向と曲がりが決まる
- フェースの向きでボールの方向は決まる。
- クラブパスで曲がりが決まる。アウトから入ると右に曲がり、インから入ると左に曲がる。
- ボールを右に置くとドロー。インアウトでフェースが開く。
- ボールを左に置くとフェード。アウトインでフェースが閉じる。
- 打ち出したボールを見ればミスの原因がわかる。
ビハインドザボールを作る
- 左肘が引けたチキンウイングでも、ボールに当たるのは、ボール側に支点がズレている。左側にあるボールに寄っていってしまう。
- ボールに寄らないビハインドザボールにする。
- ボールの右側に構えて、右からボールを見る。ボールの右側を見ながら移る。しっかり右腕をリリース。腕をしっかり旋回させる。
チキンウイング
- フェースを真っ直ぐ当てようとして、左肘が引ける。
- 治すには、フェースをしっかりターンさせること。すなわち腕をしっかり旋回させる。
7.アプローチ
ランニングアプローチ(グリーン周り)
- 7I で低く転がす。
- 靴1足分の幅開け、ボールを若干左に置く。ボールとの距離も靴一足分。
- 7時から5時の振り幅。振るスピードも一定。
- 距離感、落とす場所は、キャリーとランの比率の数字を12から引いて、番手を選択。
- 振り幅小さく、リスクの少ないクラブ選択をして、転がせる時は徹底的に転がす。
ピッチ&ラン
- PW や AW でボールを上げて転がす。
- 左右対称、8時4時の振り幅、靴幅1足分のスタンス。ボールの位置は左かかと。
- 上げようとするとダフるかトップする。
- 体の旋回でヘッドをターン、トウが空を向く。フェースが上を向かない。
- 飛距離は振るスピードで調整する。
- 体重は左右均等か、少し左側。上げようとして右にあるとダフる。
- 入射角は上から。下に向かって打つ。テークバックで手首でコックしてそのまま打ち終わる。
ロブショット
- SW で上げて止める。
- 上っていてピンまで近い時など。
- フェースを開いて、少しオープンスタンス
- 潜らないように、ハンドダウンで構える。ヒールが浮いた分だけ下げる。
- ベタ足でスイングする。
- バンカーショットとほぼ同じ
- 下に向かって打ち込む。ボールの下にスパッと入れる感じ
- 躊躇せず思い切って振り切る
8.バンカーショット
軟らかいバンカー
- フェースを開いて、バンスから着地
- ヒール側を下げトウ側を上げる。
- フェースを開いた分、左に向いてオープンスタンス。
- フォロースルーをしっかり取る。振り抜く。
硬いバンカー
- 跳ね返されないよう、鋭角に入れて、リーディングエッジから。
- フェースは開かない。
- 打って終わる。砂にリーディングエッジを潜らせる。
砂が硬くアゴが近い
- フェースを開いてハンドダウン、ヒール側のバンスを砂にぶつけて終わり
- 右手が上になるようにインパクト
- Vの字を描くように
- 意図的にボールの手前を打とうとしない
- 鋭角に打ち込むために左足一本で立つイメージ
目玉
- リーディングエッジをぶつけて終わり
- 早めにコックして鋭角に上からぶつける
右側に土手があり、左足下がり
- その場で真上にテコの原理で上げて、ヒール側のバンスを打ち込む
バンカー練習
- 練習場:ティーアップしてそのままボールを飛ばさない
- バンカー:線を引いて、線の左側にクラブを落とす。
9.パッティング
グリップ
- 生命線に沿って挟むようにグリップする。肘からクラブが一本、肘下からクラブの先が一直線になるように握る。
- 逆オーバーラッピング
- 手をピンと伸ばすと重さを感じない。ここで少し緩めて重さを感じ、そのまま前傾姿勢を取る。
アドレス
- フェースをターゲットに正確に真っ直ぐに直角に向けること。このセットアップで入る入らないの80%が決まる。
- 目印となるスパットに直角に。
- しかしここでピンを見るとズレているように感じてしまう。自分の目線をラインに合わせる。
- 左目の真下にボールを置く。
- 片眼でターゲットを見て、そこにシャフトで合わせることでスパットを見つける。
打ち方
距離感
- ネバーアップ・ネバーイン。届かなければ入らない。
- まず手で転がして距離感を確認する。この時投げる瞬間の強さ加減で、調整していた。手で投げる感覚で打つのが距離感
- 距離感は振り幅ではなく、スイングのスピードで出す。
- 開いてきたものが閉じる。真っ直ぐ真っ直ぐ振るものではない。
ラインの読み方
- グリーンに行く前に傾斜を把握しておく。
- 曲がるブレークポイントまで打てばあとは惰性で曲がる。
- 状況に応じてラインの読み方を変えない。ジャストタッチの人はずっとジャストタッチ。強気の人は常に強気。
- 一番入る確率が高いのは43cmオーバー。40-50cmオーバーするつもりで練習する。
- 目を閉じたまま打ったのがその人の感覚。
- 穴を見ながら素振り、脳は振りの強さを考えている。目を戻したら、目と脳の感覚を入れ替える。
- 距離のイメージが消えないうちに打つ。
- 目線が穴から戻ってきたのを合図にスタートする。
- 静止しているところが一回もない。止まっている人ほど入らない。
- スパットとボールを結んだラインの真後ろからアドレスに入る。カップ2つ左に曲がるラインなら、右へのスパットを取るので、左から入る。曲線イメージではなく、直線イメージのまま入る。
10.ラウンドレッスン
ティーイングショット
- プレショットのルーティンが大事。球の後方からターゲットを見て、近くにスパットを見つけ、そこにフェースを合わせる
- クラブを握ったまま入らない。右手だけでクラブを持って、自分の体が視界に入らない状態で、フェースとターゲットを合わせると右を向きにくい。
- ドライバーがダフる原因は2つ。ボールに近く立ち過ぎる。あるいは、バックスイングで頭が下がる。ボールと目との距離感をキープする。
ライ
- 平らな場所はない
- 素振りで芝を擦る。擦れない時は体が突っ込んでいる
- 左足下がり。お尻が落ちたアドレスは上にしか振れないので、トップする。腰を上げると下に振れる。
- 肘の関節を緩めることで軽くクラブを振れるようになる。
フェアウェイウッドでボールの頭を叩く
- 当てに行こうと体が突っ込むと、ボールの頭を叩いてしまう。
- 長いクラブは当てに行くのではなく、しっかり振り切る。振り子の支点をずらさない。
- フィニッシュをしっかり決める意識、最後まで振り抜く。
- 体はボールの右側に。
フェアウェイウッドでボールが右に行く
- ボールが左にある。ボールに当てに行く意識だと、脳は当てているのにクラブは追いついていない振り遅れの状態になる。
- ボールの手前、右足の前くらいで腕を旋回させる意識、体の前をクラブが追い越すように振る。
グリーン周り
- ピッチ&ラン:グリーン周りの芝目を確認。逆目だと止まるので、グリーンまでキャリーさせる。12の法則で、クラブを選択。
- ランニングアプローチ:ハンドファースト、左手をしっかり動かして尺らない。パッティングの延長。
- パターで寄せる時は、芝の分だけオーバーさせる距離感で。
- 薄芝のアプローチ:入射角を緩やかに。ハンドレートの気持ちで、手前から滑らせる。
- 下りのアプローチ:8I ランニングにするか、PW でピッチ&ラン、SW でピッチショットの選択。
- 初心者はランニング。PW はグリーンの下りの傾斜に落ちて止まらない可能性があり落とし場所が限られる。SW はグリーン面に落とせるが、振り幅大きくなり、トップなどのミスの確率が大きくなる。
- 白く見えると順目、濃く見えると逆目。逆目のところに落とすと止まる可能性があり、計算が立たない。
- 芝の状況がわからない時は、フェースは開かず普通に構えた方が、当たり外れのミスが減る。
- 短い距離でもフェースをしっかり合わせる。自分の体の前で向きを確認する。
バンカー
- 距離のあるバンカーは脱出優先
- フェースを開かずに構える。
- 左足体重
- 足元をしっかり埋める。その分ボールとの距離が近くなるので、ダフり易くなる。あえてヘッドを手前に落とす意識を持たなくても、普通に振ればいい。
- しっかり振り切る。中途半端なスイングはしない。ビビらずに勇気を持って振る。
- インパクトで止めず、普通のスイング同様、体もターンさせて、フィニッシュまで振る。
- クラブを持ち上げず、下に向かって振りながら。
グリーン
- ラインを読む時はボールの近くではなく、3mくらい後方からしゃがんで低い位置から。高いと傾斜がわからない。
- 真っ直ぐ打ったらどのくらい右に行くか予想を立てる。ボール1個左だったら?2個だったら?
- 入れたいと思わない。自分が狙ったところに打つことに集中するだけ。結果はあと。
- ロングパット、ミドルパットはカップ周辺に止めることを意識する。
- スライスラインは体から離れたところにカップがあり、カップが視界に入る。このため無意識に体が右に反応して右に行きやすい(押し出しやすい)。スライスラインが苦手な人は、インパクトで終わるくらいの気持ちだと、右に押し出さない。
- ショートパット。パターでボールに触れても元に戻るのなら、ルール違反ではない。構える時は、フェースはボールに触っているくらい、ギリギリに密着させて構える。離れていると、その分フェースの向きが変わったり、体が少しズレたりする。
11.練習・ストレッチ
- 球筋とターゲットを決めて、無二の球と思って集中して打つ
- 球数を打つなら、ドリルを徹底的にやる
- 練習と本番の違いは、リズムとテンポの違い。練習場でよい時のリズムとテンポを把握して、それをコースで再現するようにする。
- 右肩が出る人は、左手の片手打ちの基本練習を行う。
- ゴルフ肘は、左腕をブロックさせること、減速させる動きで痛める。インパクトで右手を離し、腕を通過したままボールを打つ練習。
- プロのような球の止まるアプローチ:フェースにボールを乗せている。バックスイングなしで、ウェッジで球を飛ばす練習をする。高度な技術。
- クラブを振ってから、体を回すつもりの素振り練習をする
- ストレッチ(常盤トレーナーによる)
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