中井学プロがシニアツアーに挑戦するために、自分のスイングを改造しようと、堀尾研仁プロコーチを訪ねている。堀尾コーチは、GEARS を使って中井学プロのスイングを分析して、アドバイスを行う。GEARS によりスイングが丸裸にされ、それを US PGA ツアー選手(20人の平均像)と比較される。
【シニアツアーへの道#2】堀尾さん、アンタって人は◯◯なんだよ!!
そこからあるべき修正の方向を導き出して、指導の後にスイングがどう変わったかを、ビフォア・アフター両方のスイングの表示を並べたり重ねたりして、明らかにしていく。いやぁ、とても面白い。
堀尾コーチの分析によれば、ボールと肘を結んだ「エルボー・プレーン」よりも下からヘッドが入ってくれば、ボディーターンするだけで自然と球が捕まるが、アップライトに上げてエルボー・プレーンの上から、スイングプレーンに乗せていく中井プロは、ダウンスイングで少し起き上がって、ボールとの距離を調整する動きがある。
そこでバックスイングで、右肘を高く上げず、よりレイドオフなトップをめざす。エルボー・プレーンの下からヘッドが入るように修正することで、腕の動きを使わずに、体のターンで自然とボールを捕まえて、インパクトで叩けるようになる。「叩いた時に逆球が出る」リスクを減らせれば、シニアツアーで戦えるようになる。
そのアドバイスの直後に、すぐに修正出来てしまう中井プロは凄いと思う。もともと日本式のアームローテーション主体のスイングだった中井プロは、米国留学中にボディーターン主体のスイングに変更した。その名残で、ボディーターン派とは言え、フェースを腕で返す部分が残っていたらしい。自分が「やりたかったスイング」は、自分が思ったよりかなりレイドオフなトップだったようだ。
それにしても GEARS は凄い。堀尾コーチが配信している GEARS を使ったスイング解説動画に、すっかりハマってしまった。ここで「理想のスイング」とされているのは、US PGA ツアーの選手 20人の平均像。身長 190cm の立派な身体のスイングが、そのままアマチュアに真似できるとは思わないが、エルボー・プレーンより下からヘッドを入れることにより、体のターンでボールが捕まえられるという姿を、あるべき目標としてしっかり意識することができた。
- ボールが押せるインパクト:
- 正面から見ると、腰がボールより前(左)、胸がボールの上。ハンドファーストになっている。
- 上から見ると、腰が 40度以上開いているが、肩はほぼ飛球線に対してスクエア。
- このインパクトを作るには、トップの位置から、体のターンでクラブを引っ張ってきて緩ませない。
- 緩むとは、クラブが寝て、フェースが開くこと。ダフったり、チーピンの原因になる。
- 緩まないスイングをどう作るか:
- ダウンスイングでは腰の移動で、クラブを引っ張ってくる。
- トップでは、肩は90度、腰は40度、捻転している。
- ここから腰がリードして、胸が残った状態でダウンスイング。
- インパクトでも、腰がリードして、まだ肩との間にねじれが残っている状態。
- エルボープレーンより下からクラブが入ってくることにより、クラブを立てる意識で振れる。
- つまり腰を開き、胸を下げる意識で、クラブを引っ張り続ける。
- 切り返した後に、クラブを引っ張れる位置にクラブがあるべき
- トップの位置、切り返した後の位置が大事
- ゴルフスイングで一番重要なのは、緩まないスイング
- ボールがつかまる状態を作ることが大切。まず方向性、それから飛距離。
- 3つのポイントが重要:
- トップ:バックスイングで深く捻るパート
- リリースポイント:グリップエンドが腰の高さ、タメを作るパート
- インパクト:解くパート
- トップの位置から、できるだけ早いタイミングで、エルボー・プレーンより下にグリップエンドが入ることで、ボールを捕まえられる
- トップ:
- 肩が100度近く捻転することで、手の位置が胸に対して右下にある
- 腰をしっかり捻転させる
- スイング軸は真っ直ぐ
- リリースポイント:
- 腕とクラブを置いてきぼりで、腰のリードで回ってくる
- 上から見ると、腕はターゲットラインより後ろにある
- 肩が30度以上クローズな状態である
- 正面から見ると、胸はボールの位置に留まって、腰がボールより先(左)に動いていく
- 手・グリップの位置は、エルボー・プレーンの下にある
- インパクト:
- アマチュアは、トップからリリースポイントにかけて、エルボー・プレーンの下にグリップを持ってくることがなかなかできない
- このボールが捕まる状態をまず作る。それで方向性を得てから、飛距離を伸ばすエッセンスを加えていく。
- フラットなトップの位置が重要
- 肩の位置は背骨に対して直角、胸の動きでバックスイング
- その時、右ひじを絞る、下に向ける。右上腕を外旋させる動き
- こうすれば左腕がほぼエルボー・プレーン上にあるトップが作れる
このフラットなトップについては、バックスイングで深く捻転しようとしている今の僕にも、参考になった。腕で上げない、伸び上がらない。むしろ沈み込むようにして、深く上半身を捻転させる。今までよりもコンパクトな、しかしきちんと捻転して肩が入っているトップからの切り返し。アップライトに上げずに、むしろレイドオフになるくらいを意識したい。
堀尾コーチの GEARS 動画を見たら、練習に行きたくなってウズウズ。平日の夜に、勇んで練習場に出かけてみたものの、結果はあえなく撃沈。ドライバーだとかなり横振りとなり、背中の後ろでヘッドが下がってしまう感じで、怖くて振れなかった。一瞬で修正してしまう中井学プロの凄さを、改めて思い知る結果となった。