「バックスイングで深く捻転して、ヘッドもいい位置から入ってくるようになった。左への突っ込みもなくなった」「当面、スイングのパーツは気にせずに、全体のバランスを取るように。その中でミスを感じ取るように」というアドバイスを、ゴルフスクールのコーチから受けている。
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「よくなった」というスイングを実際に見てみたくなった。堀尾プロコーチが GEARS を使った解析で示しているように、ダウンスイングにて、ちゃんとエルボープレーンの下にグリップがあって、内側からヘッドが入っているだろうか?
「スマホザウルス」なるホルダーを使って、iPhone で自分のドライバーショットの映像を後方から撮影してみた。
その映像が以下である:
2021年3月1日 ドライバー後方スローモーション(ニューウイングゴルフ)
以前に比べると、確かにバランスよく振れている。球もちゃんと捕まって、ドローボールが打てている。が、しかし…。トップにおいて、クラブヘッドが自分の頭上より前に来ている。クラブヘッドが飛球線方向より右側を指している。これって、もしかして…「シャフトクロス」になっているということ?
一般的にシャフトクロスの原因と言われる「左手の背屈(甲側に折れる)」はしていない。バックスイングでインサイドに引き過ぎてもいないし、フェースを開いてもいない。しかしトップで右ひじが右わきから大きく離れている。いわば「フライング・エルボー」の状態になっていることにより「シャフトクロス」となっている。そもそも体が硬くて、右ひじを支点に二の腕をあまり外旋できないということも要因になっていると思われる。
やはりトップの位置は「レイドオフ」にするべきなのではないか?それに「シャフトクロス」のスイングはカッコ悪い。直したい。
コーチに映像を見せて相談してみたところ、意外にも「直す必要はない」という返事だった。必ずしも「シャフトクロス」は悪いことではないというのである。ただし、切り返しができて、スイングプレーンに戻せるならば、という条件つきである。コーチ曰く:
- ドローボールを打つために、若干クローズドスタンスに構えている。だから飛球線より右にヘッドが向き易い要素はある。ただし、このスタンスの向きを修正する必要はない。
- シャフトクロスは必ずしも直す必要はない。クラブを高く上げることによって、飛距離を生み出している。シャフトクロスでも構わない。ただし:
- 腕でクラブを持ちあげるのではなく、上体を深く捻っていること
- 切り返しからスイングプレーンに戻していること
- 結果、出球が安定していること
- シャフトクロスからレイドオフに修正するには、右ひじを絞ればいいが、お勧めしない。なぜならば飛距離が落ちる可能性があるからである。
- レイドオフのトップをめざすのは、もともと飛ぶ人が精度を出すため。たとえば 280ヤード飛ばせる人が 20ヤード落として、方向性を出すための技術である。
- 飛ばない人は、あえてレイドオフにしなくてもよい。さらに飛ばなくなる可能性がある。
- ジャック・ニクラウスだって、フライングエルボーだった。タイガー・ウッズみたいな美しいスイングに憧れるのはわかるけど。
そして件の僕のスイング映像を見て、改めて直すべきところを指摘してくれた:
- トップ・切り返しで浮き上がっている(伸び上がっている)。
- アドレスは、もう少し前傾してもいい。
残念ながら、美しいスイング、綺麗なスイングはあきらめないといけないようだ。レイドオフのトップオブスイングはカッコいいんだけどなぁ。
ゴルフスクールのレッスンの最中に、再び映像を撮影してみた。素振りと実際に球を打っているスイングとは、やはり後者の方が力が入り、スイングも大きくなっている。
2021年3月7日 アイアン後方スローモーション(ニューウイングゴルフ)
そして KiZuKi というスマホ・アプリに、ドライバーショットの映像を取り込んで補助線を引いてみる。12枚の連続写真に分解してみた。トップの位置(P4)は、この写真の6枚目(問題のシャフトクロス)となるが、その1枚手前あたりで切り返せれば、シャフトクロスではないと言えそうではある。言い換えれば、今のトップの位置はオーバースイングということなのだろう。ただコーチのアドバイスのように、トップをコンパクトにしてしまうと、飛距離が落ちる可能性がある。
一方、頭の位置に注目すると、コーチの指摘通り、トップからの切り返し(P4 → P5、写真の6枚目から7枚目)で一瞬伸び上がっているのがわかる。ここが修正ポイントである。
切り返し以降のダウンスイングにおいては、エルボープレーンより下にグリップエンドが来て、インパクトに向けて、内側からヘッドが入っているように見える。これは GEARS 解析で「あるべきスイング」と言われていることだ。よい方向に自分のスイングが進化しているのだと、ポジティブにとらえたい。