Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

ツアープロは東京オリンピックの試合をどう見たか?

ゴルフスクールでの練習の後、ちょっとだけコーチと東京オリンピックのゴルフ談義をした。

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練習場所属の矢部昭プロと一緒にテレビ観戦したり、そうでない時はあとから話を聞いたりしたそうだが、「ツアーで戦ってきたプロは、ゲームの見方が違う」と思ったそうだ。今回、オリンピックのゴルフは1番ホールから18番ホール・プレーオフまで放送したが(松山英樹プレーオフ脱落すると同時に放送終了したのは、全くいただけなかった)、矢部プロは各選手にとっての「試合の流れ」を見ているというのである。

松山英樹は最終日、パットが決まらず、メダルを逃した。実はそれは15番ホールで短いパーパットを外してからの問題ではない。2番ホールでパットを外したところからの流れなのだそうだ。一方、リディア・コプレーオフでパットを外し、稲見萌寧の銀メダルが決まったが、リディアが打つ前から、矢部プロはパットを外すと思っていたらしい。なぜならば、その日の彼女はスライスラインのパットをすべて外していたから。そしてリディアの最後のパットはスライスラインだった。

稲見萌寧の正規の18番。セカンドをバンカーに入れてしまった。矢部プロは霞ヶ関カンツリーでプレーしたことがあるから、あのセカンドの難しさがよくわかっている。左足下がりのライから、右にある池とグリーン手前のバンカーを越えていかなければならない。しかも稲見はフェードヒッターであり、距離が残っていたので、ユーティリティーでグリーンを狙わなければならなかった(ネリー・コルダもリディア・コも、稲見より 20-30ヤード飛ばすのでアイアンで狙える)。あのバンカーに入れたのは金メダルを目指して「攻めた」結果であり、仕方がないとのこと。

その後のバンカーショット。もっとピンに寄せられたのでは?と思うかもしれないが、あれは「保険をかけた」のだと言う。バンカーのアゴにぶつけては元も子もない。ボールも埋まっているし、「メダルを確定」させるべく、安全な脱出をした。その結果、長いパーパットが残った。金メダルをあきらめたけど、銅メダルは確定させた。悔しいだろうけど、あのバンカーではそういう選択をしたというのが矢部プロの見立てである。あれが力のある男子プロであれば、もっと寄せられるけど、女子プロでは難しいとのこと。

そして海外の選手と日本の差は、アプローチとパット。今回のオリンピックでは、海外の選手のパットは、どんなに長くても、いつでも入りそうな雰囲気があった。あれは普段からもっと条件の厳しいグリーンでやっているからだと言う。ポワナ芝、凸凹しているグリーン。そういったものを言い訳にせず、ラインを読んで戦っている海外の選手たちにとって、今回の霞ヶ関のように整備されているグリーンは、パッティングのラインがはっきり読めていたに違いない、というのである。

コーチからの又聞きではあるが、矢部昭プロの話は興味深かった。さすがツアープロ。

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