倉本昌弘プロ著『本番に強くなるゴルフ』については、10年前に一度読んだ。当時の自分にはかなり難しい内容だったが、コースでの様々な状況での打ち方に関してメモを残してある。10年ぶりに読み返してみると、今の自分にとっても高度な内容であることは変わりないが、当時とは全然別の箇所が心に響く。すなわち:
練習場でうまく打てても、なぜ本番ではうまく行かないのか?
ゴルファーに共通の普遍的な悩み・課題であろう。これに対して、倉本プロなりの回答が用意されている。
そもそも練習していないことは、本番ではできない。これが大前提の上で、練習でできることが本番でできないのは、欲・恐れ・野心と言ったざわつく「心」が出て来るからである。その「心」が出て来るのを、本番ではどうしたら抑えられるだろうか?どういう練習をすれば、ざわつく「心」の準備ができるだろうか?
倉本プロの『90を切る!』、『シングルへの道』といった本よりも、さらに上級者向けの内容と感じるし、ところどころプロが用いる技術についても言及している。プロの技術・考え方は「なるほど、そこまでやっているのか」と思うが、練習不足のアマチュアには参考程度にしておいて、アマチュアが取り組むべき「本番に強くなるゴルフ」のエッセンスをまとめておこう。
muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com
「ざわつく心」に対応する
- 練習場で上手く打てても、コースではうまく行かないのは、恐怖・欲・野心といった「ざわつく心」が邪魔をする
- 普段から制限をつけて練習する
- 3球打ったら番手を変える、3球ごとに狙いを変える
- 「心」が出にくくなる回路を作る
- プレショットルーティンをしたらすぐにスイングする訓練(経験)を繰り返すと、本番でもプレショットルーティンの後はスイングするだけという回路が出来上がる
- 練習場で 30球はプレショットルーティンの練習をする
- 構えたら3秒で打つ
- 強いゴルファーになる
- 上手いだけではない、強いゴルファーは自分を信じる
- 練習のワンショットワンショットで、現在の自分を見つめる
- 常にスイングを完結させる。フィニッシュを完結させる
- 素振りの時はフィニッシュが取れるのは、ボールがないから。不安や恐怖が生まれないから
- どんなに不安や恐怖があっても最後まで振り切る。感情に負けない心、自分を信じる力をつける
- 技術を磨く(体の動きを直す)だけではなく、感覚を磨く練習をする
- ショットもパットも同じ景色・同じ距離からたくさん打っても感覚は磨かれない
- 1球ごとに、右縁 / 左縁から入れる、手前に止める、奥に当てるなど工夫する
- ショットもパットも同じ景色・同じ距離からたくさん打っても感覚は磨かれない
- 強いゴルファーになるために:
- 常に基本に立ち返る
- 「心」を意識して練習する
- 「心」が出てこない技術を選び、ルーティンを大事にする
- 自分を信じて「心」が出てきても、やるべきスイングをやり切る
- 本番では自分のできることだけをやる
スイングの基本:ワンレバー&ツーレバースイング
- 2つの小さなスイングの中に、大きなスイングの基本の動き・エッセンスが凝縮されている
- ワンレバー・スイング:首の付け根だけを支点とする
- (正面から見た時)クラブが8時4時に収まる、手首を使わないスイング
- 使用クラブは 8I - 9I。スタンスはフルショットより狭く、短く持つ
- ボール位置は左かかとの前。体重を左股関節にかけて、脚・手首の動きを抑え、軌道の最下点で払うように打つ
- 体の動きでスイングし、手を使わない感覚を磨く
- 振り子のリズムとタイミングでクラブを動かす感覚をつかむ
- ツーレバー・スイング:首の付け根と手首の2つを支点とする
- クラブが9時3時のポジション、手首を少し使うスイング
- ワンレバーと使用クラブ、スタンス、ボールの位置は同じ
- 違いは、手首を少し柔らかく使うこと。振り幅が少し大きくなること。そのぶん、若干体の回転が伴うこと
- コインの上にボールが乗っているとしたら、コインに当たらないようにボールだけを打つ
- ワンレバー&ツーレバーは体重移動がない(脚を使わない)ので、構えたところ(左かかとの前)が軌道の最下点になる
- 応用編では脚を使う
- 足踏みをしながら、ワンレバー&ツーレバースイングを行う
- 動き、リズム、切り返しなど質を高める意識で練習することで、大きなスイングの質を高められる
スイングで大事にしていること
- スイング・イメージは一つ
- すべてのショットを一つのスイングで打ちたい
- 自分の意識としては、クラブはずっと体の前にあって、体を回しているだけ
- インパクト・イメージも一つ
- 振り子の最下点、地面に触れるか触れないかのところでボールをとらえる
- リーディングエッジをボールの赤道の下に入れていくイメージ
- トップしそうに思えるが、赤道の下に少しでも入れば、ボールはフェースに乗り、ロフト通りの高さで打ち出される
- ドライバーはティーアップしている分、アッパー軌道で当たっているかもしれない
- 軌道の最下点で、ボールだけを横から払い打つイメージ
- 上から打ち込んだり、下からとらえたりする意識はない
- コインの上のボールを、コインに当たらないように打つイメージ
- スイング軌道の最下点は、左股関節の前
- 左足に体重が移動し、左股関節に体重がのった状態でインパクトを迎えるから
- したがってボールの位置は左かかと前
- アドレス&グリップ:
- 真っ直ぐ立つ
- 背筋を伸ばすから体がスムーズに回る
- 自分に合った自然体のグリップを見つけ、クラブの重さが感じられる最低限の力、ゆるゆるで握る
- バックスイング:
- 脱力して力まない
- そのためにワッグルを取り入れる
- 股関節・足首・膝を使って、体は 90度以上回す。前傾角度が崩れないこと
- 「肩を回す」のではなく「体を回す」。胸・背中を回すことで、結果的に肩が回る
- トップ:
- トップの位置でいったん静止、そこから反動をつけずに、そのまま下ろして打つ練習
- 下半身の先行動作がポイント:
- 左かかとの踏み込みをきっかけに、下半身をアドレスの状態に戻す
- すると上半身とクラブは、その動きにつられて自然に下りてくる
- 切り返し&ダウンスイング:
- 下半身の先行動作はトップで手が上がり切って止まる寸前に行う
- ダウンスイングで一番大切なのは、「クラブが落ちる」感覚を持っているかどうか
- クラブが落ちるタイミングに合わせて、力を使うのがプロ
- ダウンスイングで、クラブが落ちる感覚を意識したら、インパクトまでに自分ができることは何もない
- フォロースルー:
- 腕は何もせず、体を回してヘッドの行きたいところに行かせてあげる
- 意識的にヘッドを返したり、腕を捻ったりすることはない
- 正しいフォローの位置を確認しておき、そのポジションまでしっかりと動くように意識する
- 左手一本でクラブを持ち、アドレスから前傾角度を保ちながら、胸が目標を向くまで体を回す
- 上半身を左股関節の上に乗せたら、左腕を体の正面に伸ばす。この時の手の位置がフォローの左手の位置
- フォローの位置より小さくなる場合は、体の回転が止まっている。体をしっかり回すことで手がポジションに収まるように
- ダウンからフォローにかけては右腰を意識。左脚の前まで右腰を入れていく。
- 腕は何もせず、体を回してヘッドの行きたいところに行かせてあげる
- フィニッシュ:
- 正面から見た時、背中が見えるくらい体が回っていることが大切
- 左股関節・ひざ・足首を使う
- そこまで回らないのは、無駄な力が入って体の回転にブレーキをかけているから
- バックスイングで大きく息を吸って、ダウンスイングで吐くと、力が入らない
- 右足のかかとが浮いて、後方から右足の裏が見えること
- 体の回転を止めず、右腰が左腰を追い越すようにする
- 振り切って左足1本で立ったら、ボールが落ち始めるまでその状態をキープ
- 最後まで振り切る癖をつけることで、「当てる」「叩く」動きから「振る」動きになる
- フィニッシュを取ることで、スイングのバランスがよくなる
- フィニッシュが崩れるのは、スイングのバランスが悪かった証拠
- 正面から見た時、背中が見えるくらい体が回っていることが大切
スコアメイクの鍵を握るグリーン周りのアプローチ
- 「ワンレバー・ツーレバーという基本の打ち方 + 番手を換える」ことで球筋を打ち分ける
- 自分の基準となる1本を作り、ワンレバー・ツーレバーを徹底的に練習する
- ワンレバー・ツーレバーで番手を換えることで、高さを打ち分けられる → 3本くらい(例:SW、PW、8I)
- ボールのライ、落とし場所、球筋、番手の順で決める
- 落とし場所:
- エッジの先(キャリーを少なく)、傾斜・マウンドがある場合は少し奥
- 落とし場所からピンによる球筋(キャリとラン)をイメージして、番手を決める
- あとは落とし場所に集中する(ピンを見ない)
- ボールから 1m - 5m にティを刺し、3番手を使ってそこに落とす
- どのくらい転がるのか、キャリーとランを把握しておく
- ミスの傾向も把握しておく:左右、手前・奥
- 落とし場所への距離感が大切(ピンまでの距離感ではない)
- オーバーのミスの方が、ミスの度合いが大きい
- 1m オーバーして落ちると、狙ったところより 1m 以上オーバーする
- 1m ショートした時は、1m 弱ショートする
- 落とし場所:
- 高低の打ち分け
- 打ち方を変えず、クラブを変える。「心」がざわめかない
- ワンレバー・ツーレバーのまま、SW から 7I までを使い分ける
- ヘッドの重さを感じながらゆっくり。切り返しで動きが速くなりやすい
- 高い球を打つ時は「適当」な感じも必要。ボールの手前の芝ごと横から払うように打つ
- SW で高低を打ち分ける応用技術
- 目線を変えるだけで、高低を打ち分ける
- 低い球:目線を低くして、体の軸よりも頭を左に傾けたままスイング
- 高い球:目線を高くして、体の軸に対して頭を右に傾けたままスイング
- 打ち方を変えず、クラブを変える。「心」がざわめかない
- 心構え
- 難しいと感じた時は「大体でいいや」と思って打つ。
- 自信のある番手で目標を大きく取り、確実にグリーンに乗せる
- 難しいと感じた時点で、既にミスを呼ぶ「心」が出てきている
- 難しいライ
- 芝が薄い、深いラフ、逆目の芝でヘッドが引っかかる
- ヒールを浮かせて、パッティング感覚で打つ
- 短く持ち、ボールの近くに立つ
- ボール位置は右つま先前
- オープンスタンス
- 芯よりちょっと先の部分で打つ
- ツーレバーが限界。キャリーで 7-8ヤード程度
- 深いラフからは両ひざを押し込んで打つ
- 使用するのは SW
- 両足のつま先を 45度くらい目標方向に向け、体全体をオープンに、左股関節上に上体を乗せて構える
- ボールは左かかと前
- トップから両脚を曲げながら、両ひざを目標方向に押し込んでいく
- クラブと脚が同調しないとシャンクが出るので要注意
- プロはアプローチでもフックとスライスを打つ
- 落とし場所の右傾斜を消したい、落とし場所が逆目 → フック回転をかける
- 落とし場所の左傾斜を消したい、落とし場所が順目 → スライス回転をかける
- 左から右への急斜面の途中にピンがある → ピンの右の傾斜の緩いところにフックを打つ
- 本番になるとミスするのは「心」のミス
- 怖さを減らし、成功体験を積んで、自信をつけていく
- SW で難しいなら PW や 9I、パターを使う
- 「グリーンに乗ればいいや」という気持ち
- 失敗した時に自分を責めない、ミスをした時ほど自分を奮い立たせてあげる
- ミスを当たり前と思って、自分を慰めてあげる
- そうすれば、ミスを次打に引きずらない。心が楽、肩の力が抜け、体も楽になり、ミスが出にくくなる
- 怖さを減らし、成功体験を積んで、自信をつけていく
一発で確実に脱出するバンカーショット
- バウンスから砂に入れるアドレス
- シャフトを右に倒し、右に移動したグリップのところに自分が回り込むように移動する
- オープンスタンスとなるが、スタンス通りの体の向きにスイングする
- いつもと同じようにスイングすれば、ボールの 3-4cm 前にヘッドが入る
- 正しい構えであれば、通常よりソールが出っ張っているので、ソールがボールの少し手前に着地する
- ボールを左に置いているのと同じ状態なので、いつもと同じスイングでも、クリーンに当たることはない
- 同じ構えからスイングの方向を変えても、結果はあまり変わらない
- スタンスに沿って振る → 砂の取れ方が薄い → スタンスの方向に飛び出し、スライススピンの効いた球で止まる
- ピンに向かって振る → 砂の取れ方が多い → 高く上がってランの出る球
- ヘッド=水面を跳ねる石をイメージする
- 距離の打ち分け方
- 振り幅を一定にしたまま、フェースを開く度合いを変えて、距離を打ち分ける
- 近い時はフェースを開き、遠い時はフェースの開き度合いを抑える
- 結果として、距離が短くなるほど、スタンスはピンの左を向く
- 5-25ヤードはこの打ち方で打ち分ける
- これより短い場合は、振り幅・スピード・砂の量を変える応用技術があるが、アマチュアには難しい
- これより長い場合は、AW や PW を使う
- 砂が硬い場合は距離が出るし、柔らかい場合は距離が出ない
- 高さの打ち分け方は、距離の打ち分け方と同じ
- 高い球を打ちたければフェースを開き、低い球を打ちたければフェースの開きを抑える
- アゴが高い、砂を打つなど、力が入りがち。ソフトに握り、ブランコの振り子をイメージ、ヘッドの重さで落とす
- アゴの高さよりも、球とアゴとの距離・形状を見て、総合的に判断する
- 常にピンに寄せようとは考えない。「センターを狙おう」「とりあえず脱出しよう」
- 狙いを易しくすることで、ミスを呼ぶ「心」を抑える
- 砂の硬さへの対応
- 硬い砂は、バウンスの少ない AW、PW を使う。フェースはあまり開かない
- 柔らかい砂は、バウンスが効くようにフェースを大きく開く
- 自信がない人は、フェースを開かずに、ボールの周りの砂ごと「どーん」と飛ばしてしまうイメージで振り抜く
- 「目玉」の状態も、同じ打ち方で脱出できる
- 沈んだ球
- 多少沈んでいても、見た目の問題。バウンスが使えるなら、普通の打ち方で脱出できる +「嫌だなぁ」と迷う「心」が出てきたら、「目玉」同様、フェースをスクエアか若干開く程度で、周りの砂ごと飛ばす
- 「目玉」も左足上がりはバウンスが効くので、普通に打てばよい
- 左足上がり
- 体の軸を鉛直(重力に対して真っ直ぐ)に構え、右足に体重をかけ、その分球を右に置いて打つ
- 左足下がり
- ロブショットは、バンカーショットと同じ打ち方
- ラフのようにボールの下に空間がある時のみ
- プロはピンまでの距離がない時に、オーバーする距離を抑えるためにロブショットを使う
- アマチュアはロブショット不要だが、練習すると普通のピッチショットの距離感がよくなる
見たまま感じたままにパッティング
- ストレート・トゥ・ストレートなのか、イン・トゥ・インなのか、自分のストロークタイプを知る
- インパクト前後の小さな振り幅では、ストレートな軌道をめざす
- パッティングの要素は、ストローク(方向)、距離感、ラインをイメージする力
- 「自分の思ったところに、思った強さで打つ」
- ストロークはあくまで方向のみ。距離感を身につける必要がある
- 距離感を身につけるためには、見たまま感じたままに打って繰り返す
- 練習で合う距離感が本番で合わないのは、心のミス
- ショット同様、プレショット・ルーティンを済ませたらすぐに打つ練習をする
- ラインを読む・イメージする
- 思い通り感じた通り打てたかどうかが大切
- パッティングはショット以上にプレッシャーが大きく、「心」のミスが発生する
- 脳に任せておけば、傾斜を脳は勝手に計算する:上りは勝手にタッチを強くするし、下りはタッチを弱くする
- それなのに、上りを大きくショートしたり、下りをオーバーしたりするのは、「下りを残したくない」という心のミス
- 心に負ける癖がつくと上達は遅れる。自分が思い通り打てたか否か、常に自問すること
- パッティングはショット以上にプレッシャーが大きく、「心」のミスが発生する
- パッティングには妥協と開き直りも必要
- 芝でラインが変わったり、ミスパットが入ったりする。パッティングはそういうもの
- 打つ前にストロークの振り幅とスピードを決めておき、その通りにストロークする
- 常に一定したテンポとスピードでストロークする。あくまで振り幅の大きさだけで、距離を打ち分ける
- プロの技術 = 練習が必要
- 「打ち過ぎたくない」という心が出てきたら、球を右に置いて、少し転がりを悪くする
- 「ショートしたくない」という心が出てきたら、球を左に置いて、オーバースピンで転がりをよくする
- 「左に引っかけそうだな」と思ったら、ハンドアップにして、ヒールを浮かし球が捕まらないようにする
- 「右に押し出したくない」と思ったら、ハンドダウンにして、球を捕まりやすくする
さまざまな状況の中で結果を出す
- スタートホール
- フェアウェイバンカー:
- ディボット跡
- フェアウェイバンカー同様、短く持って、コンパクトに打っていく
- スリークォーターで十分脱出できる
- フェアウェイバンカー同様、短く持って、コンパクトに打っていく
- 心と技術
- 技術はざわついた心が出てこないために、平常心で打つために使う
- フェアウェイバンカーやディボットで、ボールを右に置くのも、その方がより安心できるから
- 練習という裏づけと、練習によって成功した経験が必要
- プロが技術を使ってざわつく心を抑えられるのは、豊富な練習量によって裏付けられた自信があるから
- 技術はざわついた心が出てこないために、平常心で打つために使う
- 左足上がり
- 斜面なりに垂直に立つ
- 球が高くあがるというメリットがある。ただし距離は落ちる
- 右足に体重がかかると同時に左に体重が移動しにくいため、体の回転が止まると左にひっかけ易い
- 急な斜面では使えない
- 鉛直に立つ
- バックスウィングが取り易いが、斜面に打ち込む形になるため、フォローを抑えた打ち方をする必要がある
- 番手を上げてコンパクトに打つ
- 斜面なりに垂直に立つ
- 左足下がり
- 傾斜が緩やかな時は斜面なりに垂直に立つやり方でストレートに狙う
- 傾斜がきつくなると鉛直に立つしかないが、その時はボールを右に置くためスライスが出やすいので、目標の左を狙っていく
- どちらも大振りは厳禁、コンパクトに振っていく
- どちらもロフトが立つ分距離が出るので、番手を下げて打つ
- つま先上がり
- ロフトの大きいクラブほどフェースが左に向くため左に飛び易い。したがって番手を上げて(ロフトの小さいクラブで)、短く持ってコンパクトに振っていく
- 目標の右を狙う
- バランスを崩さないスピード、振り幅でスイングする
- つま先下がり
- 他の傾斜地よりもスイング幅が限定されるので、番手を上げてコンパクトに振る
- 長い番手の時はスライスが出やすい。いつもより膝を曲げ、前傾を深く構え、バランスを崩さない振り幅とスピードでスウィングする
- フォロー
- サイドスピンを打ち消し、曲がりが少なくなる
- アゲンスト
- サイドスピンの影響が大きくなるので、8割の力でゆっくり振る。その分、番手を上げる
- ドライバーではティアップを高くしてレベルに振ることで、打点を高くし重心の上で打つ。こうするとバックスピンが減るため風に強い球になる
- ティーを低くすると、ヘッドが上から入り易く、無駄なバックスピンが入る。打点が下のため、ギア効果でバックスピンが増える
- 風の影響を受けにくい低い球を打つ
- クラブを短く持つ
- 番手を上げる。ただし振り幅・スピードを落とす
- 風の日のマネジメント
- 風の強い日は「誰でも難しい」と考え、大崩れしないように耐える
- なるべくアゲンストが残るようにプレーする。アゲンストの方が距離がコントロールし易い
- 左からの風が強い時は、フェアウェイの右側に球を置く(次打がアゲンストになる)
- 打ち上げ
- 打ち上げだろうが打ち下ろしだろうが、いつもと同じスウィングを心がける
- 斜面に鉛直に立つ場合(左足上がり)は、目線を上げないこと
- ロフトが少ないクラブほど距離が落ちるし、また足元が上り勾配の場合はロフトがついて球が高く上がる分、番手を上げていく必要がある
+また打ち上げホールではピンが近くに見えて、ショートし易い
- 砲台グリーンやグリーン面が見えないアプローチでは、旗にぶつけるくらいでちょうどよい
- 打ち下ろし
- 風の影響を受ける
- 打ち下ろしとは言え、ロフトの大きいクラブで打った珠の飛距離はそんなに変わらない
- 距離を引く度合いは、ミドルアイアンに比べてショートアイアンやウェッジの方が少なくなる
- 足元が下り傾斜(左足下がり)になっている場合は、無理をしない。
- 200ヤード残っていたとしても、アイアンやユーティリティ、ショートウッドで 150-160ヤードを打ち、下り斜面を転がしてグリーン近くまで持っていく
- マネジメント
- フェアウェイを対角線で狙う
- フックの人はフェアウェイ右サイドを狙う。曲がらなくてもフェアウェイキープ、曲がったらフェアウェイ真ん中
- プレッシャーを減らす狙い方 = ターゲットを広く、ミスの許容範囲を広げておく
- フロントエッジから 5ヤードのピン。ピン手前の狭いエリアではなく、奥 3ヤードまでの 8ヤード、左右 3ヤード(計 6ヤード)がターゲット
- 最初からピン奥 3ヤードも OK と考えておけば「なんで奥に打っちゃったんだろう」と心をざわつかせることもない
- グリーンのセンター狙いが基本
- 小さなグリーンは、ピンポジションに関わらず、常にグリーンセンターを狙う
- 大きなグリーンは、ピンとは反対側を狙う
- ピンが左であれば右サイド、手前であればオーバーも OK、奥ならばオーバーさせない
- グリーンオンの確率が高くなり、グリーンを外しても次打が打ち易い
- 中間の距離
- 7I と 8I の中間の距離。手前がダメな時は 7I。奥がダメな時は 8I
- 不安を伴う技術は使わない
- 技術を使うのなら、安心して使えるようになるまで練習しておく
- フェアウェイを対角線で狙う
流れをつかむ。強いゴルファーになる
- 流れが悪くなるのは、ミスを引きずったままプレーしたことに原因がある
- 過去にこだわり、未来を予測するから、流れが悪くなる
- 目の前の一打、「現在」に集中する
- 過去のことは考えない、未来のことも考えない
- できるできないにかかわらず、今目の前にある状況の中で、打つべき球筋をしっかりイメージし、そのためのスイングをやりきる
- 強い人ほど臆病である
- 勝利の女神にお伺いを立てながら、謙虚にプレーする
- 謙虚にプレーするとは、後悔を残さないように最善を尽くすこと
- 一番安心して打てるショットを選び、最善を尽くして、後悔のないプレーをする
- そうすればミスをしても後に引かない
- 他人のプレーを意識しても意味がない
- 他人の行動は自分ではどうすることもできない
- 逆に相手も自分のことをコントロールできない
- 女神と対話すると言うことは、自分と対話すること
めざすべきプレーヤーの姿
あとがきに最も重要なことが書いてあった。めざすべきプレーヤーの姿である。
- 心の問題の一番の根底にあるのは心から「ゴルフを楽しむ」こと
- いいショットをしようと、悪いショットをしようと、すべて自分のやったことなのだから、すべて受け入れる
- 悪いショットをした時は「ははは」と笑う
- いいショットをした時は、心から笑う
- いつも笑顔でプレーする。それが相手に対する最大で最高のマナーとエチケット
改めて読むと、随所に響く記述があった。個々の技術・テクニックも参考になるが、それよりも本番を意識した練習をやること、本番で成功体験を積み重ねることの重要性を再認識した。
そして最後のあとがきに書いてあるようなプレーヤーをめざすべく、日々心がけたい。
追記:2023年1月
この本の令和改訂版が出た。時代に合わせて加筆・修正されている。ポイントが整理されて、わかり易くなった。読書メモをまとめている。