Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

倉本昌弘プロが説く「本番に強くなるゴルフ」

倉本昌弘プロ著『本番に強くなるゴルフ』については、10年前に一度読んだ。当時の自分にはかなり難しい内容だったが、コースでの様々な状況での打ち方に関してメモを残してある。10年ぶりに読み返してみると、今の自分にとっても高度な内容であることは変わりないが、当時とは全然別の箇所が心に響く。すなわち:

練習場でうまく打てても、なぜ本番ではうまく行かないのか?

ゴルファーに共通の普遍的な悩み・課題であろう。これに対して、倉本プロなりの回答が用意されている。

そもそも練習していないことは、本番ではできない。これが大前提の上で、練習でできることが本番でできないのは、欲・恐れ・野心と言ったざわつく「心」が出て来るからである。その「心」が出て来るのを、本番ではどうしたら抑えられるだろうか?どういう練習をすれば、ざわつく「心」の準備ができるだろうか?

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倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』

倉本プロの『90を切る!』『シングルへの道』といった本よりも、さらに上級者向けの内容と感じるし、ところどころプロが用いる技術についても言及している。プロの技術・考え方は「なるほど、そこまでやっているのか」と思うが、練習不足のアマチュアには参考程度にしておいて、アマチュアが取り組むべき「本番に強くなるゴルフ」のエッセンスをまとめておこう。

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「ざわつく心」に対応する
  • 練習場で上手く打てても、コースではうまく行かないのは、恐怖・欲・野心といった「ざわつく心」が邪魔をする
  • 普段から制限をつけて練習する
    • 3球打ったら番手を変える、3球ごとに狙いを変える
  • 「心」が出にくくなる回路を作る
    • プレショットルーティンをしたらすぐにスイングする訓練(経験)を繰り返すと、本番でもプレショットルーティンの後はスイングするだけという回路が出来上がる
    • 練習場で 30球はプレショットルーティンの練習をする
    • 構えたら3秒で打つ
  • 強いゴルファーになる
    • 上手いだけではない、強いゴルファーは自分を信じる
    • 練習のワンショットワンショットで、現在の自分を見つめる
    • 常にスイングを完結させる。フィニッシュを完結させる
      • 素振りの時はフィニッシュが取れるのは、ボールがないから。不安や恐怖が生まれないから
      • どんなに不安や恐怖があっても最後まで振り切る。感情に負けない心、自分を信じる力をつける
  • 技術を磨く(体の動きを直す)だけではなく、感覚を磨く練習をする
    • ショットもパットも同じ景色・同じ距離からたくさん打っても感覚は磨かれない
      • 1球ごとに、右縁 / 左縁から入れる、手前に止める、奥に当てるなど工夫する
  • 強いゴルファーになるために:
    • 常に基本に立ち返る
    • 「心」を意識して練習する
    • 「心」が出てこない技術を選び、ルーティンを大事にする
    • 自分を信じて「心」が出てきても、やるべきスイングをやり切る
    • 本番では自分のできることだけをやる
スイングの基本:ワンレバー&ツーレバースイング
  • 2つの小さなスイングの中に、大きなスイングの基本の動き・エッセンスが凝縮されている
  • ワンレバー・スイング:首の付け根だけを支点とする
    • (正面から見た時)クラブが8時4時に収まる、手首を使わないスイング
    • 使用クラブは 8I - 9I。スタンスはフルショットより狭く、短く持つ
    • ボール位置は左かかとの前。体重を左股関節にかけて、脚・手首の動きを抑え、軌道の最下点で払うように打つ
    • 体の動きでスイングし、手を使わない感覚を磨く
    • 振り子のリズムとタイミングでクラブを動かす感覚をつかむ
  • ツーレバー・スイング:首の付け根と手首の2つを支点とする
    • クラブが9時3時のポジション、手首を少し使うスイング
    • ワンレバーと使用クラブ、スタンス、ボールの位置は同じ
    • 違いは、手首を少し柔らかく使うこと。振り幅が少し大きくなること。そのぶん、若干体の回転が伴うこと
    • コインの上にボールが乗っているとしたら、コインに当たらないようにボールだけを打つ
  • ワンレバー&ツーレバーは体重移動がない(脚を使わない)ので、構えたところ(左かかとの前)が軌道の最下点になる
  • 応用編では脚を使う
    • 足踏みをしながら、ワンレバー&ツーレバースイングを行う
  • 動き、リズム、切り返しなど質を高める意識で練習することで、大きなスイングの質を高められる

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.35

スイングで大事にしていること
  • スイング・イメージは一つ
    • すべてのショットを一つのスイングで打ちたい
    • 自分の意識としては、クラブはずっと体の前にあって、体を回しているだけ
  • インパクト・イメージも一つ
    • 振り子の最下点、地面に触れるか触れないかのところでボールをとらえる
    • リーディングエッジをボールの赤道の下に入れていくイメージ
      • トップしそうに思えるが、赤道の下に少しでも入れば、ボールはフェースに乗り、ロフト通りの高さで打ち出される
      • ドライバーはティーアップしている分、アッパー軌道で当たっているかもしれない
    • 軌道の最下点で、ボールだけを横から払い打つイメージ
      • 上から打ち込んだり、下からとらえたりする意識はない
      • コインの上のボールを、コインに当たらないように打つイメージ
    • スイング軌道の最下点は、左股関節の前
      • 左足に体重が移動し、左股関節に体重がのった状態でインパクトを迎えるから
      • したがってボールの位置は左かかと前
  • アドレス&グリップ:
    • 真っ直ぐ立つ
    • 背筋を伸ばすから体がスムーズに回る
    • 自分に合った自然体のグリップを見つけ、クラブの重さが感じられる最低限の力、ゆるゆるで握る
  • バックスイング:
    • 脱力して力まない
    • そのためにワッグルを取り入れる
    • 股関節・足首・膝を使って、体は 90度以上回す。前傾角度が崩れないこと
    • 「肩を回す」のではなく「体を回す」。胸・背中を回すことで、結果的に肩が回る
  • トップ:
    • トップの位置でいったん静止、そこから反動をつけずに、そのまま下ろして打つ練習
    • 下半身の先行動作がポイント:
      • 左かかとの踏み込みをきっかけに、下半身をアドレスの状態に戻す
      • すると上半身とクラブは、その動きにつられて自然に下りてくる
  • 切り返し&ダウンスイング:
    • 下半身の先行動作はトップで手が上がり切って止まる寸前に行う
    • ダウンスイングで一番大切なのは、「クラブが落ちる」感覚を持っているかどうか
      • クラブが落ちるタイミングに合わせて、力を使うのがプロ
    • ダウンスイングで、クラブが落ちる感覚を意識したら、インパクトまでに自分ができることは何もない
  • フォロースルー:
    • 腕は何もせず、体を回してヘッドの行きたいところに行かせてあげる
      • 意識的にヘッドを返したり、腕を捻ったりすることはない
    • 正しいフォローの位置を確認しておき、そのポジションまでしっかりと動くように意識する
      • 左手一本でクラブを持ち、アドレスから前傾角度を保ちながら、胸が目標を向くまで体を回す
      • 上半身を左股関節の上に乗せたら、左腕を体の正面に伸ばす。この時の手の位置がフォローの左手の位置
    • フォローの位置より小さくなる場合は、体の回転が止まっている。体をしっかり回すことで手がポジションに収まるように
    • ダウンからフォローにかけては右腰を意識。左脚の前まで右腰を入れていく
  • フィニッシュ:
    • 正面から見た時、背中が見えるくらい体が回っていることが大切
      • 左股関節・ひざ・足首を使う
      • そこまで回らないのは、無駄な力が入って体の回転にブレーキをかけているから
      • バックスイングで大きく息を吸って、ダウンスイングで吐くと、力が入らない
    • 右足のかかとが浮いて、後方から右足の裏が見えること
      • 体の回転を止めず、右腰が左腰を追い越すようにする
    • 振り切って左足1本で立ったら、ボールが落ち始めるまでその状態をキープ
      • 最後まで振り切る癖をつけることで、「当てる」「叩く」動きから「振る」動きになる
    • フィニッシュを取ることで、スイングのバランスがよくなる
      • フィニッシュが崩れるのは、スイングのバランスが悪かった証拠
スコアメイクの鍵を握るグリーン周りのアプローチ
  • 「ワンレバー・ツーレバーという基本の打ち方 + 番手を換える」ことで球筋を打ち分ける
    • 自分の基準となる1本を作り、ワンレバー・ツーレバーを徹底的に練習する
    • ワンレバー・ツーレバーで番手を換えることで、高さを打ち分けられる → 3本くらい(例:SW、PW、8I)
  • ボールのライ、落とし場所、球筋、番手の順で決める
    • 落とし場所:
      • エッジの先(キャリーを少なく)、傾斜・マウンドがある場合は少し奥
    • 落とし場所からピンによる球筋(キャリとラン)をイメージして、番手を決める
    • あとは落とし場所に集中する(ピンを見ない
      • ボールから 1m - 5m にティを刺し、3番手を使ってそこに落とす
      • どのくらい転がるのか、キャリーとランを把握しておく
      • ミスの傾向も把握しておく:左右、手前・奥
    • 落とし場所への距離感が大切(ピンまでの距離感ではない)
    • オーバーのミスの方が、ミスの度合いが大きい
      • 1m オーバーして落ちると、狙ったところより 1m 以上オーバーする
      • 1m ショートした時は、1m 弱ショートする

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.91

  • 高低の打ち分け
    • 打ち方を変えず、クラブを変える。「心」がざわめかない
      • ワンレバー・ツーレバーのまま、SW から 7I までを使い分ける
      • ヘッドの重さを感じながらゆっくり。切り返しで動きが速くなりやすい
      • 高い球を打つ時は「適当」な感じも必要。ボールの手前の芝ごと横から払うように打つ
    • SW で高低を打ち分ける応用技術
      • 同じ球の位置、動きのまま、アドレス時の体のポジションだけを変えて打ち分ける
      • 通常のワンレバー:球の位置は左かかと前、上半身は左股関節の上
      • 低い球:通常よりわずかに腰を左にスライド(体重を左に移動)、ちょっとだけハンドファーストに構える
        • 低い球だと振り幅は小さくてよいが、ランが出る
      • 高い球:通常よりわずかに腰を右に戻して、ハンドファーストを緩める
        • 高い球だといつもより大きく振る必要があり、ランは少ない
    • 目線を変えるだけで、高低を打ち分ける
      • 低い球:目線を低くして、体の軸よりも頭を左に傾けたままスイング
      • 高い球:目線を高くして、体の軸に対して頭を右に傾けたままスイング
  • 心構え
    • 難しいと感じた時は「大体でいいや」と思って打つ。
    • 自信のある番手で目標を大きく取り、確実にグリーンに乗せる
    • 難しいと感じた時点で、既にミスを呼ぶ「心」が出てきている
  • 難しいライ
    • 芝が薄い、深いラフ、逆目の芝でヘッドが引っかかる
    • ヒールを浮かせて、パッティング感覚で打つ
      • 短く持ち、ボールの近くに立つ
      • ボール位置は右つま先前
      • オープンスタンス
      • 芯よりちょっと先の部分で打つ
      • ツーレバーが限界。キャリーで 7-8ヤード程度
    • 深いラフからは両ひざを押し込んで打つ
      • 使用するのは SW
      • 両足のつま先を 45度くらい目標方向に向け、体全体をオープンに、左股関節上に上体を乗せて構える
      • ボールは左かかと前
      • トップから両脚を曲げながら、両ひざを目標方向に押し込んでいく
      • クラブと脚が同調しないとシャンクが出るので要注意
  • プロはアプローチでもフックとスライスを打つ
    • 落とし場所の右傾斜を消したい、落とし場所が逆目 → フック回転をかける
    • 落とし場所の左傾斜を消したい、落とし場所が順目 → スライス回転をかける
    • 左から右への急斜面の途中にピンがある → ピンの右の傾斜の緩いところにフックを打つ
  • 本番になるとミスするのは「心」のミス
    • 怖さを減らし、成功体験を積んで、自信をつけていく
      • SW で難しいなら PW や 9I、パターを使う
      • 「グリーンに乗ればいいや」という気持ち
    • 失敗した時に自分を責めない、ミスをした時ほど自分を奮い立たせてあげる
      • ミスを当たり前と思って、自分を慰めてあげる
      • そうすれば、ミスを次打に引きずらない。心が楽、肩の力が抜け、体も楽になり、ミスが出にくくなる
一発で確実に脱出するバンカーショット
  • バウンスから砂に入れるアドレス
    • シャフトを右に倒し、右に移動したグリップのところに自分が回り込むように移動する
    • オープンスタンスとなるが、スタンス通りの体の向きにスイングする
  • いつもと同じようにスイングすれば、ボールの 3-4cm 前にヘッドが入る
    • 正しい構えであれば、通常よりソールが出っ張っているので、ソールがボールの少し手前に着地する
    • ボールを左に置いているのと同じ状態なので、いつもと同じスイングでも、クリーンに当たることはない
  • 同じ構えからスイングの方向を変えても、結果はあまり変わらない
    • スタンスに沿って振る → 砂の取れ方が薄い → スタンスの方向に飛び出し、スライススピンの効いた球で止まる
    • ピンに向かって振る → 砂の取れ方が多い → 高く上がってランの出る球
  • ヘッド=水面を跳ねる石をイメージする

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.123

  • 距離の打ち分け方
    • 振り幅を一定にしたまま、フェースを開く度合いを変えて、距離を打ち分ける
    • 近い時はフェースを開き、遠い時はフェースの開き度合いを抑える
    • 結果として、距離が短くなるほど、スタンスはピンの左を向く
    • 5-25ヤードはこの打ち方で打ち分ける
    • これより短い場合は、振り幅・スピード・砂の量を変える応用技術があるが、アマチュアには難しい
    • これより長い場合は、AW や PW を使う
    • 砂が硬い場合は距離が出るし、柔らかい場合は距離が出ない

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.133

  • 高さの打ち分け方は、距離の打ち分け方と同じ
    • 高い球を打ちたければフェースを開き、低い球を打ちたければフェースの開きを抑える
    • アゴが高い、砂を打つなど、力が入りがち。ソフトに握り、ブランコの振り子をイメージ、ヘッドの重さで落とす
  • アゴの高さよりも、球とアゴとの距離・形状を見て、総合的に判断する
  • 常にピンに寄せようとは考えない。「センターを狙おう」「とりあえず脱出しよう」
    • 狙いを易しくすることで、ミスを呼ぶ「心」を抑える
  • 砂の硬さへの対応
    • 硬い砂は、バウンスの少ない AW、PW を使う。フェースはあまり開かない
    • 柔らかい砂は、バウンスが効くようにフェースを大きく開く
      • 自信がない人は、フェースを開かずに、ボールの周りの砂ごと「どーん」と飛ばしてしまうイメージで振り抜く
      • 「目玉」の状態も、同じ打ち方で脱出できる
  • 沈んだ球
    • 多少沈んでいても、見た目の問題。バウンスが使えるなら、普通の打ち方で脱出できる +「嫌だなぁ」と迷う「心」が出てきたら、「目玉」同様、フェースをスクエアか若干開く程度で、周りの砂ごと飛ばす
    • 「目玉」も左足上がりはバウンスが効くので、普通に打てばよい
  • 左足上がり
    • 体の軸を鉛直(重力に対して真っ直ぐ)に構え、右足に体重をかけ、その分球を右に置いて打つ
  • 左足下がり
    • 左を向くほど、左足下がりの傾斜は軽減される
    • フェースを大きく開くとザックリするので、左足にしっかり体重をかけ、体重移動を抑えてスイングする
    • 球は低くなるので、アゴの低いところを狙って脱出する

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.151

  • ロブショットは、バンカーショットと同じ打ち方
    • ラフのようにボールの下に空間がある時のみ
    • プロはピンまでの距離がない時に、オーバーする距離を抑えるためにロブショットを使う
    • マチュアはロブショット不要だが、練習すると普通のピッチショットの距離感がよくなる
見たまま感じたままにパッティング
  • ストレート・トゥ・ストレートなのか、イン・トゥ・インなのか、自分のストロークタイプを知る
    • インパクト前後の小さな振り幅では、ストレートな軌道をめざす
  • パッティングの要素は、ストローク(方向)、距離感、ラインをイメージする力
  • 「自分の思ったところに、思った強さで打つ」
    • ストロークはあくまで方向のみ。距離感を身につける必要がある
  • 距離感を身につけるためには、見たまま感じたままに打って繰り返す
    • カップを見ずに、自分の気持ちのいい振り幅で、ボールを 3つ転がす
      • いつもは(例:ホームコース)10歩転がるとするとそれが基準になる
      • 7歩しか転がらなければ、いつもより遅い。12歩転がれば、いつもより速い
      • 遅いからと言って「ちょっと強く打とう」と頭で考えて対応しない
    • 一つのボールを使って、カップをパッと見たら、見たまま感じたままに速やかに打つ
      • それが寄るか寄らないかは放っておき、すぐに違う目標を狙って打つ
      • そうやってグリーンを行ったり来たりする
      • すると脳が勝手に学習する
  • 練習で合う距離感が本番で合わないのは、心のミス
    • ショット同様、プレショット・ルーティンを済ませたらすぐに打つ練習をする
  • ラインを読む・イメージする
    • 大事なのは、カップの入り口の設定
      • 曲がるラインの入り口は、カップの正面ではない
    • 全体の傾斜を見てから、細かい傾斜を確認する
      • グリーンに上がる時に、一番高いところと低いところをチェックする
    • 細かい傾斜を見る時は、必ず低い方から読む
    • 高麗芝でなければ、芝目は気にせずに傾斜を読むことに集中する
    • 風は、上りより下りの方が影響が大きい
    • ラインに対して体を正対させて読み、アドレスしたら狙いは変えない。あくまで最初にイメージしたライン、タッチのままに打つ

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.175

  • 思い通り感じた通り打てたかどうかが大切
    • パッティングはショット以上にプレッシャーが大きく、「心」のミスが発生する
      • 脳に任せておけば、傾斜を脳は勝手に計算する:上りは勝手にタッチを強くするし、下りはタッチを弱くする
      • それなのに、上りを大きくショートしたり、下りをオーバーしたりするのは、「下りを残したくない」という心のミス
    • 心に負ける癖がつくと上達は遅れる。自分が思い通り打てたか否か、常に自問すること
  • パッティングには妥協と開き直りも必要
    • 芝でラインが変わったり、ミスパットが入ったりする。パッティングはそういうもの
  • 打つ前にストロークの振り幅とスピードを決めておき、その通りにストロークする
    • 常に一定したテンポとスピードでストロークする。あくまで振り幅の大きさだけで、距離を打ち分ける
  • プロの技術 = 練習が必要
    • 「打ち過ぎたくない」という心が出てきたら、球を右に置いて、少し転がりを悪くする
    • 「ショートしたくない」という心が出てきたら、球を左に置いて、オーバースピンで転がりをよくする
    • 「左に引っかけそうだな」と思ったら、ハンドアップにして、ヒールを浮かし球が捕まらないようにする
    • 「右に押し出したくない」と思ったら、ハンドダウンにして、球を捕まりやすくする
さまざまな状況の中で結果を出す
  • スタートホール
    • 7-8割の力で打つのがよい
    • 普段練習場で 7-8割の力で打つ練習をしていなければ、本番でもそれはできない
    • ティーショットのミスは、ショートパットのミスに比べれば、大した問題ではない
      • ゴルフはグリーンに近づくほどミスのダメージが大きい
      • パットの準備を入念に行い、ティーショットへの負担を減らそう
  • フェアウェイバンカー:
    • 何よりも重視するのは一発で脱出すること。必ずアゴがクリアできるロフトのある番手で打つ
    • 7-9番アイアンが打ち易いし、アゴが低いならばロングアイアンよりもショートウッドやユーティリティの方が球が上がる
    • ボールはいつもと同じ位置、少し両足を埋めて、クラブを短く持ち、払うような軌道で横から打つ
  • ディボット跡
    • フェアウェイバンカー同様、短く持って、コンパクトに打っていく
      • スリークォーターで十分脱出できる
  • 心と技術
    • 技術はざわついた心が出てこないために、平常心で打つために使う
      • フェアウェイバンカーやディボットで、ボールを右に置くのも、その方がより安心できるから
    • 練習という裏づけと、練習によって成功した経験が必要
      • プロが技術を使ってざわつく心を抑えられるのは、豊富な練習量によって裏付けられた自信があるから
  • 左足上がり
    • 斜面なりに垂直に立つ
      • 球が高くあがるというメリットがある。ただし距離は落ちる
      • 右足に体重がかかると同時に左に体重が移動しにくいため、体の回転が止まると左にひっかけ易い
      • 急な斜面では使えない
    • 鉛直に立つ
      • バックスウィングが取り易いが、斜面に打ち込む形になるため、フォローを抑えた打ち方をする必要がある
      • 番手を上げてコンパクトに打つ
  • 左足下がり
    • 傾斜が緩やかな時は斜面なりに垂直に立つやり方でストレートに狙う
    • 傾斜がきつくなると鉛直に立つしかないが、その時はボールを右に置くためスライスが出やすいので、目標の左を狙っていく
    • どちらも大振りは厳禁、コンパクトに振っていく
    • どちらもロフトが立つ分距離が出るので、番手を下げて打つ

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.223

  • つま先上がり
    • ロフトの大きいクラブほどフェースが左に向くため左に飛び易い。したがって番手を上げて(ロフトの小さいクラブで)、短く持ってコンパクトに振っていく
    • 目標の右を狙う
    • バランスを崩さないスピード、振り幅でスイングする
  • つま先下がり
    • 他の傾斜地よりもスイング幅が限定されるので、番手を上げてコンパクトに振る
    • 長い番手の時はスライスが出やすい。いつもより膝を曲げ、前傾を深く構え、バランスを崩さない振り幅とスピードでスウィングする

倉本昌弘『本番に強くなるゴルフ』P.229

  • フォロー
    • サイドスピンを打ち消し、曲がりが少なくなる
  • アゲンスト
    • サイドスピンの影響が大きくなるので、8割の力でゆっくり振る。その分、番手を上げる
    • ドライバーではティアップを高くしてレベルに振ることで、打点を高くし重心の上で打つ。こうするとバックスピンが減るため風に強い球になる
    • ティーを低くすると、ヘッドが上から入り易く、無駄なバックスピンが入る。打点が下のため、ギア効果でバックスピンが増える
  • 風の影響を受けにくい低い球を打つ
    • クラブを短く持つ
    • 番手を上げる。ただし振り幅・スピードを落とす
  • 風の日のマネジメント
    • 風の強い日は「誰でも難しい」と考え、大崩れしないように耐える
    • なるべくアゲンストが残るようにプレーする。アゲンストの方が距離がコントロールし易い
      • 左からの風が強い時は、フェアウェイの右側に球を置く(次打がアゲンストになる)
  • 打ち上げ
    • 打ち上げだろうが打ち下ろしだろうが、いつもと同じスウィングを心がける
    • 斜面に鉛直に立つ場合(左足上がり)は、目線を上げないこと
    • ロフトが少ないクラブほど距離が落ちるし、また足元が上り勾配の場合はロフトがついて球が高く上がる分、番手を上げていく必要がある +また打ち上げホールではピンが近くに見えて、ショートし易い
      • 砲台グリーンやグリーン面が見えないアプローチでは、旗にぶつけるくらいでちょうどよい
  • 打ち下ろし
    • 風の影響を受ける
    • 打ち下ろしとは言え、ロフトの大きいクラブで打った珠の飛距離はそんなに変わらない
    • 距離を引く度合いは、ミドルアイアンに比べてショートアイアンやウェッジの方が少なくなる
    • 足元が下り傾斜(左足下がり)になっている場合は、無理をしない。
      • 200ヤード残っていたとしても、アイアンやユーティリティ、ショートウッドで 150-160ヤードを打ち、下り斜面を転がしてグリーン近くまで持っていく
  • マネジメント
    • フェアウェイを対角線で狙う
      • フックの人はフェアウェイ右サイドを狙う。曲がらなくてもフェアウェイキープ、曲がったらフェアウェイ真ん中
    • プレッシャーを減らす狙い方 = ターゲットを広く、ミスの許容範囲を広げておく
      • フロントエッジから 5ヤードのピン。ピン手前の狭いエリアではなく、奥 3ヤードまでの 8ヤード、左右 3ヤード(計 6ヤード)がターゲット
      • 最初からピン奥 3ヤードも OK と考えておけば「なんで奥に打っちゃったんだろう」と心をざわつかせることもない
    • グリーンのセンター狙いが基本
      • 小さなグリーンは、ピンポジションに関わらず、常にグリーンセンターを狙う
      • 大きなグリーンは、ピンとは反対側を狙う
        • ピンが左であれば右サイド、手前であればオーバーも OK、奥ならばオーバーさせない
        • グリーンオンの確率が高くなり、グリーンを外しても次打が打ち易い
    • 中間の距離
      • 7I と 8I の中間の距離。手前がダメな時は 7I。奥がダメな時は 8I
    • 不安を伴う技術は使わない
      • 技術を使うのなら、安心して使えるようになるまで練習しておく
流れをつかむ。強いゴルファーになる
  • 流れが悪くなるのは、ミスを引きずったままプレーしたことに原因がある
  • 過去にこだわり、未来を予測するから、流れが悪くなる
  • 目の前の一打、「現在」に集中する
    • 過去のことは考えない、未来のことも考えない
    • できるできないにかかわらず、今目の前にある状況の中で、打つべき球筋をしっかりイメージし、そのためのスイングをやりきる
  • 強い人ほど臆病である
  • 謙虚にプレーするとは、後悔を残さないように最善を尽くすこと
    • 一番安心して打てるショットを選び、最善を尽くして、後悔のないプレーをする
    • そうすればミスをしても後に引かない
  • 他人のプレーを意識しても意味がない
    • 他人の行動は自分ではどうすることもできない
    • 逆に相手も自分のことをコントロールできない
    • 女神と対話すると言うことは、自分と対話すること
めざすべきプレーヤーの姿

あとがきに最も重要なことが書いてあった。めざすべきプレーヤーの姿である。

  • 心の問題の一番の根底にあるのは心から「ゴルフを楽しむ」こと
  • いいショットをしようと、悪いショットをしようと、すべて自分のやったことなのだから、すべて受け入れる
    • 悪いショットをした時は「ははは」と笑う
    • いいショットをした時は、心から笑う
  • いつも笑顔でプレーする。それが相手に対する最大で最高のマナーとエチケット

改めて読むと、随所に響く記述があった。個々の技術・テクニックも参考になるが、それよりも本番を意識した練習をやること、本番で成功体験を積み重ねることの重要性を再認識した。

そして最後のあとがきに書いてあるようなプレーヤーをめざすべく、日々心がけたい。

追記:2023年1月

この本の令和改訂版が出た。時代に合わせて加筆・修正されている。ポイントが整理されて、わかり易くなった。読書メモをまとめている。

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本番に強くなるゴルフ

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