Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

電気・情報系の学科は人気がないらしい

最近、東大の先生から聞いた話。僕たちが卒業する頃には人気学科であった電気・情報系を志望する東大生が減っているらしい。30年前の「進振り」では、情報科学や電気電子工学を志望するならば 80点くらいは取っている必要があったのだが、最近では志願者が少なくなって、電気電子などでは「底割れ」(最低点がつかない)することもあるらしい。代わって人気があるのが機械工学系だという。いやはや、隔世の感がある。

いつの時代も、大学生は機を見るに敏。将来性のありそうな企業を志向する。エレクトロニクス業界各社が苦戦しているから、電気系を志望する学生は少ないのであろう。そして30年前は人気のなかった機械工学が注目を集めているのは、自動車産業がグローバルに競争力を持っているからだと思われる。

一方、情報系があまり人気がない理由は、中学・高校での情報リテラシー教育にあるらしい。コンピュータの動作原理、プログラミングの面白さを教えられる先生はおらず、ケータイやインターネットの怖さ、使う時の心構えを説く「道徳」のような面白みに欠ける科目になっているのが、情報系不人気の一つの理由であると言う。

さらに情報系の学科でも、大学によってはプログラミングの経験をあまり積ませないところもあると聞く。僕個人の感覚からすると、「自分の表現手段」であるプログラミングを教えないというのは読み書きを教えないのと等しく、まったくあり得ないという思いなのだが、本当の話なのだろうか?生活のありとあらゆるものがコンピュータとなり、そのソフトウェアを設計・開発できるのは挑戦的だし、さまざまな現象の数理モデル・計算モデルを作りそれを検証していくことは大きな可能性を持つことだと思うのだが。

自動車産業でも、これからはハイブリッド車や電気自動車を作るのだから、エンジン・内燃機関よりも、電池やモーターなどエレクトロニクスに強い人材が歓迎されるだろう。最近の自動車は 200 ものセンサーを持ち、レクサス(Lexus)クラスだと 67 ものマイクロプロセッサを持つ(The Economist June 6th 2009: "The connected car")。そういう超分散型のシステムがネットワークに有機的につながって動作するのが、これからの自動車システムである。機械工学出身の人たちの中に交じって、電気・情報系のエンジニアはそのユニークさを発揮できる機会が無限にあるのではないだろうか。

「こういう時代にこそ、電気・情報系!」と思うのは年寄りの冷や水世迷言なんだろうなぁ。