Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

Science

昭和の教え方で「地面反力」を習っている

ここ数ヶ月のテーマであったバックスイングについて、だいぶ改善されてきたので、ゴルフスクールでは、新たなテーマとして「右足を使った下半身の動き」に取り組み始めた。 コーチ曰く「昭和の教え方」だそうだ。僕自身は科学的根拠に基づいたアプローチに惹…

「ヘッドを走らせる」ためのリリースポイントはどこか?正しいレートヒットとは?

「ヘッドを走らせる」、そのために(手首を)リリースする。そういう教えを受けてきたが、ここにきて大きな誤解をしていたかもしれないと気づいた。 インパクト時に右手首をリリースする(右手首の背屈を解放する)ことで、インパクトゾーンで「ビュン」とヘ…

ゴルフに対する科学的なアプローチ

ゴルフのスイングのメカニクスについては、科学として理論的・実験的な研究対象になるし、GEARS などの計測機器の発達により、かつて提唱された理論やモデルが、データに基づいて解明・証明されてきている。 一方、スイングという行為については、その内的な…

「パッシブトルク」を正しく理解しよう:『生体力学x動力学でクラブの科学を理解する ゴルフ 3D スイング』

「パッシブトルク」という概念を正しく理解しているだろうか?「シャローイング」とはどう違うのだろう? この素朴な疑問に答えてくれる本が、吉田洋一郎プロによる『生体力学x動力学でクラブの科学を理解する ゴルフ 3D スイング』である。この本では、サシ…

ジェイコブス 3D ゴルフによる「うねりスイング」の科学的裏づけ

ジェイコブス 3D ゴルフ(Jacobs 3D Golf)を学ぶのは面白い。しかしそれを学んで得た知識は、自分のスイングの技量向上には何一つ貢献しない。素人なりにこの知識を上達に活かせないものか考えてはみたものの、 偏重心のゴルフクラブが持つ本来の「右回り」…

ジェイコブス 3D ゴルフで、三觜喜一プロのスイングを分析すると…?

「うねりスイング」の三觜喜一プロ、常盤仁トレーナー、「ジェイコブス3Dゴルフ(Jacobs 3D Golf)」のアンバサダーであるマツモト・タスク(松本協)氏。この3人による「勉強会」の様子を映した一連の「MITSUHASHI TV」の動画は、一見の価値がある。 常盤ト…

『ゴルフの力学』(ジェイコブス3Dゴルフ)ではシャローイングを否定しているようだが、「右回り」のスイングは認めているのか?

『ゴルフの力学』でジェイコブス 3D(Jacobs 3D Golf)のエッセンスを学んだ。知識としては非常に興味深いものだが、もちろんこれだけでは自分の技量の向上とは関係がなく、上達には貢献しない。この知識を上達に活かせるのだろうか?具体的には、どうすれば…

松本協『ゴルフの力学』を読んで、ジェイコブス 3D ゴルフ(Jacobs 3D Golf)を学ぶ

Jacobs 3D Golf(ジェイコブス 3D ゴルフ)は、ゴルフ・プレーヤーがグリップに与える力を 3次元で分析し、クラブをどうコントロールしているかを明らかにした解析技術である。ゴルフクラブの動きを力学的に説明する技術であり、米国 PGA ティーチング・プロ…

Jacobs 3D によって「うねりスイング」の科学的裏づけは得られるのか?

テレビ神奈川で放映されていた三觜喜一プロの番組「The Golf(ザ・ゴルフ)」が、4月より「The Golf+(ザ・ゴルフ・プラス)」となって、いきなりレベルが上がった。今までは初心者を含むアベレージゴルファー向けの「細かすぎるレッスン」だったが、この 4…

筋トレ不要?! 飛距離を伸ばす技術「地面反力」「床反力」

「飛距離を求めるなら腕立てと腹筋!」コーチにはそう言われるが、そんな「内力」に頼らずに「外力」をうまく利用して飛ばす技術が、「地面反力」「床反力」(Ground Reaction Force)である。最近の練習では、足で地面を踏む感覚が出てきた気がするので、改…

パッティングへの科学的アプローチ

最近、パッティングに凝っている。僕自身は「感覚」ではなく、「メカニカル」にパッティングを行いたいタイプ。パッティングについても、統計的なデータに基づく科学的なアプローチが好きである。パッティングの科学の先駆者は、デイヴ・ペルツ博士の研究で…

STAP 細胞:体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見

凄い発見である。理化学研究所のプレス・リリースが一番わかり易いかもしれない。海外の報道を中心に集めてみた。この研究結果が他の研究所でも再現されるのか、人間の細胞にも適用できるか。これからいろんなところでレビューされるのだろう。 理化学研究所…

立花隆『がん 生と死の謎に挑む』

日本人の半分ががんになり、三分の一はがんで死ぬ時代。立花隆自身ががんになり、同時期に長年の友人をがんで亡くした。それをきっかけに「そもそもがんとは何なのか。」「がん医療はどこまで進んだのか。」といった基本的な疑問に答えるべく、多数のがんの…

現代の叡智へのインタビュー『知の逆転』

いやぁ、凄いメンツにインタビューしたものだ。『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』のジャレド・ダイアモンド, 生成文法のノーム・チョムスキー, 『レナードの朝』のオリバー・サックス, 人工知能の大家、『心の社会』のマービン・ミンスキー, インターネットを…

ヒッグス粒子を「発見」する CERN の加速器 LHC

2012年7月4日、新しい素粒子がほぼ発見されたと CERN(欧州原子核研究機構) から発表があった。素粒子に質量を与えるヒッグス粒子の発見だが、もう少しデータの解析に時間がかかるらしい。それにしても何をもって新しい素粒子を「発見」したと言えるのだろ…

佐藤勝彦『相対性理論から100年でわかったこと』は、一人の宇宙物理学者の思いを率直に語っている

インフレーション宇宙を提唱した宇宙物理学の重鎮による、非常にわかりやすい現代物理学へのガイドブック。これから物理学を勉強する人に向けて現代物理学をコンパクトに概観する。つまり、相対論・量子論をベースに、最新の素粒子論・宇宙論を案内する。理…

素粒子=「場」を理解すべく、『光の場、電子の海 --- 量子場理論への道』を再読

ヒッグス粒子の発見が確実視されつつある中、現代物理学では「素粒子は(空間を飛びまわる)粒子ではない」と考えられている。粒子ではなくて、何なのか?「場である。」現実世界にマップしないと考えられない僕の頭ではなかなか理解できない考え方である。…

新書で読む宇宙論

ブライアン・グリーン、ミチオ・カクなど海外の科学啓蒙書は、ストリング理論、多元宇宙論などをそれぞれ詳しく解説する。一方、日本の啓蒙書は、村山斉先生の『宇宙は何でできているのか』など、新書で最新宇宙論を概観する。新書なので通勤電車の中で気軽…

南極観測を知る

映画「南極料理人」を DVD で観て以来、わが家では南極がちょっとしたブームである。「南極料理人」は極寒のドームふじ基地で越冬する南極観測隊を、食事をメインの題材にして、淡々とユーモラスに描いている。極地、しかも一日中太陽が顔を出さない極夜の季…

「はやぶさ」プロジェクトリーダ、川口淳一郎教授の講演を聴く

小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトリーダ、JAXA の川口淳一郎教授の講演を聴く機会があった。サンプルリターンの科学的・技術的意義に始まり、「はやぶさ」プロジェクトの計画から運用における随所での臨機応変の対応が紹介された。小惑星サンプルリタ…

「はやぶさ」本の決定版:川口淳一郎『小惑星探査機はやぶさ --- 「玉手箱」は開かれた』

小惑星探査機「はやぶさ」に関する良書はたくさん出ているし、プロジェクトリーダである川口淳一郎教授の手による『はやぶさ、そうまでして君は』を涙なしに読むことはできない。この本と同時期に川口教授が書かれた『小惑星探査機はやぶさ --- 「玉手箱」は…

小惑星探査機「はやぶさ」を知る DVD

小惑星探査機「はやぶさ」を知るためにさまざまな本が出版されて、中でもプロジェクトリーダである川口淳一郎先生の本は涙なしには読むことができない。最近は「はやぶさ」に関する DVD もいくつか出て、視覚的に「はやぶさ」を知ることができる。 小惑星探…

涙なしに読むことができない『はやぶさ、そうまでして君は --- 生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話』

瀕死の床から奇跡的に呼び戻すことに成功した小惑星探査機「はやぶさ」。何度とない試練を絶対にあきらめなかったプロジェクトリーダである川口淳一郎先生だからこそ、知り得ない事実があり、語れることがある。語る言葉がある。はやぶさ、そうまでして君は…

『宇宙は何でできているのか』『宇宙に果てはあるか』『光の場、電子の海』

東大の数物連携宇宙研究機構(IPMU)の村山機構長による『宇宙は何でできているのか』は、現代物理学の素晴らしい入門書である。これほどコンパクトでスピーディに現代物理学を語った講義があっただろうか?「素粒子物理学で解く宇宙の謎」という副題にある…

小惑星探査機「はやぶさ」を知る

小惑星探査機「はやぶさ」(Wikipedia)が帰還、大気圏に再突入した6月13日から4ヶ月。コンテナから回収された試料から多数の微粒子が見つかったそうだ。イオンエンジンやリアクションホイールの故障、通信断絶、満身創痍になりながらも数々の工夫を凝らして…

『はやぶさ --- 不死身の探査機と宇宙研の物語』

数々の苦難を乗り越え、2010年6月13日に小惑星探査機「はやぶさ」は地球に帰還した。大気圏再突入の様子を今か今かと Ustream で待ち、数分の遅れはあったものの、オーストラリアのウーメラ砂漠上空で閃光のように光る映像を確認した夜。あの興奮は今もまだ…

「ブラック・スワン」が現れる「果ての国」を扱うフラクタル理論

『ブラック・スワン』(上、下)は、リスクを取り扱った本である。正規分布に従う国を「月並みの国」、ベキ乗分布に従う国を「果ての国」と呼び、後者では「ブラック・スワン」が現れる可能性がある。富の分配は「果ての国」の話である。ロング・テールもそ…

「オステリア・モンテマーレ・トットリーネ」にて、脳のモデル化の話を聞く

「オステリア・モンテマーレ・トットリーネ」(Osteria Monte-Mare Tottorine)は、その名の示すとおり、鳥取の新鮮な食材をカジュアルなイタリアンで楽しむ店。鳥取県のアンテナショップの階上にある。美味しい店をたくさん知っている友人の太鼓判通り。日…

タクシー王子、超凡思考、海堂尊、法律力、科学入門、無邪気な脳

ここ数週間は、わりと軽めの本を何冊かまとめて読んでいる。川鍋一朗『タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」』小学生の次男も含め、家族全員が読んだ初めてのビジネス書(ビジネス書以外であれば『ハリー・ポッター』シ…

進化論を学ぶ --- 『図説 種の起源』、『「進化」大全』、『マンガ「種の起源」』、ドーキンス『利己的な遺伝子』、グールド『ワンダルフ・ライフ』、『ドーキンス vs. グールド』、『進化と人間行動』

ダーウィン生誕200年(実はリンカーン生誕200年でもある)であった昨日の進化論に関するエントリの続き。進化論をその成り立ち・歴史から包括的に紹介した本としては、『新版・図説 種の起源』や『「進化」大全』、『マンガ「種の起源」』 がおすすめである…