小惑星探査機「はやぶさ」に関する良書はたくさん出ているし、プロジェクトリーダである川口淳一郎教授の手による『はやぶさ、そうまでして君は』を涙なしに読むことはできない。
この本と同時期に川口教授が書かれた『小惑星探査機はやぶさ --- 「玉手箱」は開かれた』は、その中でも決定版と言ってよい本である。『はやぶさ、そうまでして君は』に比べると、技術的に詳しく掘り下げて書いてあり、少し難しい側面もあるが、より正確に実情を理解できる。全ページカラーの図・写真がわかりやすい。「スウィングバイ」の技術は、はやぶさ以前の探査機で積んだきた経験が活きていることがわかる。技術は積み重ねであり、継承である。
さらに他の本にはない、新しい情報としては、イトカワから持ち帰ったサンプルが、イトカワのものであることを判定するためにはどういう基準があり、どんなプロセスを踏んでいるのか説明されている。数々の苦労の末にサンプルリターンをなし遂げたプロジェクトチームに賞賛を送りたい。
カラー版 小惑星探査機はやぶさ ―「玉手箱」は開かれた (中公新書)
- 作者: 川口淳一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: 新書
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はやぶさ、そうまでして君は〜生みの親がはじめて明かすプロジェクト秘話
- 作者: 川口淳一郎
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/12/10
- メディア: 単行本
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