Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

パッティングへの科学的アプローチ

最近、パッティングに凝っている。僕自身は「感覚」ではなく、「メカニカル」にパッティングを行いたいタイプ。パッティングについても、統計的なデータに基づく科学的なアプローチが好きである。パッティングの科学の先駆者は、デイヴ・ペルツ博士の研究であろう。古典と言ってもよいその著書が『パッティングの科学』(原著: "Putt like the Pros: Dave Pelz's, Scientific Way to Improving Your Stroke, Readging Greens, and Lowering Your Score"、1989)である。

パッティングの科学
デイブ ペルツ, ニック マストローニ
ベースボールマガジン社 ( 1999-07 )
ISBN: 9784583036052

原著は 1989年、内容的には少し古くなっている部分もあるが、今でもよく言われているパッティング技術の統計的な根拠は、この本がベースになっていることがわかる。たとえばカップを 43cm(17インチ)オーバーするボールスピードでストロークすることが、カップインする確率が最も高いということを、統計的に示したのもこの本である。パッティングの要素を以下の 5つに分けて解説する(最初の 3つがストロークメカニクスに関するもの、あとの 2つは感覚やメンタルによるものである)。

  1. パターの軌道:
    • 真っ直ぐに引いて真っ直ぐに打ち出す軌道が望ましい。
  2. フェイスの角度:
    • ストローク全体を通じて、フェイスの角度をスクエアに保持する。
  3. インパクトポイント:
    • 必ずスイートスポットでボールをとらえるようにストロークする。
  4. タッチ・距離感:
    • ジャストタッチではなく、カップを 43センチオーバーさせるスピードでストロークする。
  5. 心・メンタル:イップスの解決策

著者のペルツ博士は、大学時代にどうしてもジャック・ニクラウスに勝てず、プロの道をあきらめた。NASA に技術者として勤務しながらも、パッティング研究に取りつかれ、自作の実験器具を使って、ストローク、グリーン、ボール、パターなどパッティングについて研究を行った。そしてその研究に基づき、パッティング練習用の器具やパターなどを発明・開発、ビジネスを始めた(Pelz Golf)。

このペルツ博士の開発した器具に、実はお世話になっている。一つはまず先日購入した 2-BALL のパターである。2-BALL、3-BALL のパターをペルツ博士が開発、いったんはルール不適合となったが、ペルツの特許に基づきキャロウェイ(オデッセイ)が開発した 2-BALL パターはルール適合が認められ、ベストセラーとなった。

もう一つは、パッティングチューターという練習器具である。松山英樹が練習グリーンで使っているパット練習器であり、ボール 4個ほど先に二つの鉄の玉を置き、その二つの玉に当たらないように、玉の間をボールを通過させることで、ラインに乗せる練習を行う。一番狭い設定は、結構神経を使うし、難しい。僕の場合、奥に置いた玉にぶつけることが多く、どうやら右に押し出す傾向があるらしい。

ケースもついており、家の中だけでなく、練習グリーンにも持っていくことができる。

それからパッティング・ミラー。パッティング時のアラインメントを、鏡を使って確認、修正するための練習器具である。ペルツが勧めるように、

  • 左右の目を結んだ線が、目標とするラインの真上にあるか
  • 左の目の真下にボールがあるか
を確認する。真上からボールを見る時に、どのように見えるのか。その際に、足の裏のどこに体重がかかっているのか。ときどきミラーを使って確認しないと、よくわからなくなってしまう。

ペルツはその後、"Dave Pelz's Putting Bible" という本を出している。少しづつ読み進めながら、参考になるところは、パッティング練習に取り入れていこうと考えている。

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