ゴルフの科学が好きだし、技術に裏づけされた道具が好きである。裏返せば、クラブメーカーのテクノロジー・マーケティングに弱い。
「AI を使ったフェースの設計により、芯を外してもボールスピードが落ちず、ロングパットの距離が変わらない。」
そんな魅力的な謳い文句のオデッセイ(キャロウェイ) Ai-ONE パター。次のように PR されている:
完成した新しいインサートでは、打点が1cmずれた場合でも、ボールスピードのロスは約5%に抑えられるとのこと。10mのパットに換算すると、50cmのショートということになります。10mから2mショートした場合、3パットの可能性はかなり大きそうですが、50cmなら2パットで収めることはそれほど難しくないでしょう。本当に大きな違いです。いわば、「オフセンターも芯になっているインサート」が完成したということになります。
試打レポートの評価も高く、実際にトラックマンを使って、オフセンター・ヒットした時のボール・スピードや距離がほとんど同じであると報告されている。
そんな Ai-Oneパターの発表から 3ヶ月。ラインナップに 7 モデルが追加され、その中に 2-Ball DB(ダブルベント)も含まれていたので、さっそく購入した。
僕にとって、パターは 2-Ball であることが大きな前提条件であった。これは『パッティングの科学』の著者であるペルツ博士が発明したアラインメントの技術であり、これに慣れてしまうと、なかなか他のパターに行けない。今のエースパターも 2-Ball であり、7年前にフィッティングを受けてから入手したものである。
muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com
2年前、オデッセイが「スパイダー型」の 2-Ball TEN を出した時に、一度使ってみたものの、ヘッドの重さと打感がしっくり来ず、ラウンドでも結果が出なかったので、早々に手放している。
今回は、エースパターと同じ伝統的な形状の 2-Ball であり、フェースだけが AI 設計により、ミスヒットの許容量を増やしたものだと考えている。7年ぶりにエースパターが入れ替わるだろうか?
エースパターとの違いをまとめると、次のようになる:
- ヘッドの色が、赤から黒になった
- 2-Ball のアラインメントに直線が引かれた Tour Lined となっている
- マイクロヒンジ・インサートが、AI 設計の Ai-ONE のフェースで、White Hot と同様のインサートになった
- Ai-ONE のヘッドには小窓がついており、フェースの形状を確認することができる
- 長さを 34 インチから 33 インチと短くした(34 インチだと少し余る感じだった)
- 冬の厚着でも、お腹にグリップが引っかからなくなる
- グリップが太くなった
- 「ストロークラボ 90」というスチール製のシャフトが採用されている
- 全体として重くなった
さっそく室内でストローク、パッティング・レール上でも転がして、1m - 4m のパッティングで、その打感・距離感・方向性を確かめてみる:
- 構えた時に、白いインサートが見えて、パターのロフトが実感できる
- 打感は、エースパター(マクロヒンジ・インサート)とよく似ている
- 転がりも同じようで、距離感は合わせやすい
- グリップが太く、またパター全体が重くなったため、繊細な感触はエースパターの方が出しやすい(慣れの問題かもしれない)
- パッティング・レール上での精度は、エースパターと変わらない
- わざと 1cm ほど芯を外してストロークしてみたが、フェースがスクエアであれば、レールから外れることなく転がる
- トゥ側に外しても、ヒール側に外しても、フェースがスクエアであれば、真っ直ぐ転がる
ミスヒットしても、ボール・スピードと方向性が変わらないというのは魅力である。ロングパットの距離感が自分の身に正しくついているというのが大前提だが、3パットが減ることになるはずだ。
さぁ、あとは本物のグリーン上で、その効果を実感できるか。実戦投入が楽しみである。