Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

競技に出る時は、ゴルフ規則(ルール)を確認している

2019年に行われたゴルフ規則(ルール)の大改訂から 4年になる今年、2023年にルールがアップデートされている。2年ごとに行われるマイナーな改訂より多くの修正が行われており、きちんと押さえておきたい。

ゴルフルールをざっくり把握しておくのに、『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集』が Q&A 形式で読みやすく、僕は紙版と電子書籍版、両方を愛用している。今回のルール改訂の内容が反映された『ゴルフルール早わかり集 2023-2024』を新たに購入した。

それと同時に、 R&A・USGA・JGA による『ゴルフ規則 2023年1月施行』(原題:"Rules of Golf | Effective January 2023")も購入した。紙の本を購入しなくても、R&A のサイトからは、ゴルフのルール・アプリをダウンロードできる(iPhone の場合は AppStore へのリンクがある)。

正直『ゴルフ規則 2023年1月施行』は、(特許を読む時のように)注意深く読まないと意味を取り違えそうな文章で書かれている(翻訳のせいだろうか、それとも原文自体が難しいのだろうか)。まずはポイントを易しく解説してくれている『ゴルフルール早わかり集』のような解説書を読み、そこから必要に応じて、該当するルールを確認するのがよさそうだ。『ゴルフルール早わかり集』は、概ねゴルフルールの順番に従って解説されている。

Rules of Golf 2023

Rules of Golf 2023

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月例杯などの競技に出る前に、僕は『ゴルフルール早わかり集』の救済処置のところを毎回読んで思い出すようにしている。今回の改訂で、離れた箇所に分かれて記述があったドロップルールの基本編と応用編が同じ箇所にまとめられた。これまで栞を挟んで、行ったり来たりしながら確認していたので、使い勝手がよくなっている。監修者が JLPGA の競技委員に替わり、文章や絵の表現もルール改訂に合わせて変更されている。

競技に出る際に、僕がよく確認しているのは:

  • 救済のニヤレストポイント(そこから1クラブレングスの救済エリア)
  • ドロップのやり方(膝の高さから、ファーストバウンドは地面に)
  • ペナルティエリアに入った時の救済
  • アンプレヤブルの時の救済(ストロークと距離の救済、後方線上の救済、ラテラル救済)

などである。『ゴルフルール早わかり集』の図を引用しながら確認してみる。

『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集 2023-2024』P.27 より引用

赤杭(レッドペナルティーエリア)であれば、この図の B の「ラテラル救済」(横方向に 2クラブレングス)は受けられるが、黄杭(イエローペナルティーエリア)には適用できない。

また A を選択、ペナルティーエリアから罰なしにそのまま打った球が 1打で出なかった場合はどうするのか?(『ゴルフルール早わかり集』P.29、『ゴルフ規則』R17.2a)

  1. その球をあるがままに打つのは OK
    • その球が池ポチャするなどして打てないならば、1罰打で以下の救済を受けられる。
  2. 直前のストロークペナルティーエリア内)を基点とした救済エリアにドロップ
  3. 球がペナルティーエリアの縁を最後に横切った地点と、ホールを結ぶ後方線にドロップ
  4. レッドペナルティーエリアであれば、ラテラル救済を受ける
  5. ペナルティーエリアの外から最後に打った位置に戻って、救済エリアにドロップ

異常なコース状態からの救済では、ニヤレストポイントを決めることになる。この図のニヤレストポイントは、球に近い A である。

『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集 2023-2024』P.40 より引用

『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集 2023-2024』P.42 より引用

アンプレヤブル時は、ストロークと距離の救済、後方線上の救済、ラテラル救済の選択肢がある。2023年の改訂で、後方線上の救済は、球を線上にドロップ、球が落ちた地点からどの方向にも 1クラブレングスの円が救済エリアになる。

『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集 2023-2024』P.44 より引用

以前はワンクラブレングスかツークラブレングスかよくわかっていなかったが、最近は

  • 球を基点に横方向のラテラル救済がツークラブレングス
  • ラテラル救済を受けられるのは、レッドペナルティーエリアとアンプレヤブル
  • それ以外はワンクラブレングス

という風に理解している。

『ゴルフルール早わかり集』に掲載されている、下のような救済処置をまとめた表もわかり易い。

『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集 2023-2024』P.204 より引用

OBとの境界線は、ジェネラルエリアに少しでも球がかかっていればセーフ。一方、ペナルティエリアの境界線は、球が少しでも境界線にかかっていれば、ペナルティエリアに入ったことになる。

『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集 2023-2024』P.166 より引用

『GOLF DIGEST ゴルフルール早わかり集 2023-2024』P.29 より引用

それと OB杭とペナルティー杭の違いも混同し易い。ペナルティー杭はすぐ抜けるならば「動かせる障害物」なので、スイングの邪魔になる時は抜くことができる。一方、OB杭は「境界物」なので抜くことはできない。球の近くの OB 杭が邪魔になった時や球が OB杭に寄りかかった時は、そのまま打てる方向に打つか、アンプレヤブルの処置をすることになる。

それからグリーン以外のエリアで、他のプレーヤーの邪魔になる位置に自分の球があり、その人から要求されてマークして自分の球を拾い上げる時には、球を拭くことはできない。あらぬ誤解を受けぬよう「拾い上げたら、そのまま地面に置いた方がいい」とアドバイスされたことがある。

自分の球かどうか、球を回して確認する時もマークすることを忘れずに!

仲間うちのセルフプレーではよくやっていることも、競技ではペナルティーになることがあるので要注意である。たとえばプレーヤーから見えないグリーン方向を教えるのはアドバイスに当たらないが、戦略的な意味で「どっちを狙えばいい?」と聞くと、競技ではアドバイスを求めたことに相当するので、2罰打になる。もちろんキャディーに聞くのは問題ない。

風向きは公開されている気象情報として、アドバイスに相当しない。確かに『ゴルフ規則』の「アドバイス」の定義から、風向きは除外されている。定義の詳説において「西風だから、このホールでは風は右から吹いていることになるね」はアドバイスに当たらないが、「風がフォローだから、グリーン手前に打つ方がいい」は、アドバイスになると記されている。

そうそう、距離計の高さ計測機能を前日のうちに OFF しておくのも忘れないように!

『ゴルフルール早わかり集』に目を通しておけば、まずは事足りるが、小山混『最新版 よくわかるゴルフルール』は、イラスト付きで親しみやすく、270 ものクイズ形式でルールを学べるようになっている。ゴルフルール順ではなく、エリアごとににあり得そうな状況を設定して、ルールを解説している。紙の本は携帯しやすいハンディサイズになっており、ビニールのカバーがついている。電子書籍Kindle)版をスマホで持ち歩くことも可能である。

この本では、2023年のルール改訂のポイントが、見開き2ページでまとめられているので、引用しておく:

小山混『最新版 よくわかるゴルフルール』P.18 - P.19 より引用

2023年の改訂で特に気をつけるべきなのは、プレーの線を示すために物(クラブ、ペットボトル、タオル、傘など)を置いた時点で 2罰打ということだろう。クラブを複数持って行った時に、使わないクラブを置く時は要注意である。プレーの線の方向を向かないように、かつ自分の背後に置くなど、気をつけるようにしたい。

そうそう、2019年から『ゴルフ規則』において、ペナルティは「1打罰」ではなく「1罰打」という表現に変わっている。『よくわかるゴルフルール』でも、2023年版から「罰打」という表現が採用されるようになった。

ルール上は、ウォーターハザードという言葉も使わなくなり、ペナルティーエリアに含まれるようになった。カジュアルウォーターも、正式には「一時的な水」という表現に変わっている。

そうそう、言葉の表現・使い方で思い出した。紛失球・OB の可能性があって打ち直す場合には「暫定球を打ちます」ときちんと言うこと。単に「打ち直します」だと、プレーヤーにいつでも認められている「ストロークと距離に基づく救済」による打ち直しとの区別がつかないからである。ティーショットで暫定球を宣言せずに打ち直した場合、「ストロークと距離」の 1罰打が加えられて、第3打になる(初球がインプレーの状態で見つかってもプレーすることはできない)。「暫定打ちます」でもダメ、ちゃんと「暫定球」であることを宣言するべし、と言われたこともある。

ゴルフのルールを学ぶと、こういった表現についても自然と気をつけるようになる。あまり厳密に過ぎるのも考えものだと思うが、競技プレーヤーによっては、こういう表現にも厳しい方もいるので、正しい言い方・使い方を心得ておきたいものである。

『ゴルフルール早わかり集』や『よくわかるゴルフルール』に目を通して、ゴルフルールを学ぶことで、新たな気づきもある。今回のルール改訂を機会に、改めて読み直しておきたい。

Web サイト「ゴルフ豆辞典」ルール解説も参考になる。2023年版に改訂されることを望んでいる。

www.mamejiten.com