Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

グローバルなインターネット・ビジネス

台風接近の最中、梅田望夫さんとお会いする。梅田さんは「規模の大きいネットビジネスを追求するにはグローバルなネットサービスをやるしかない(米国で生まれたサービスを輸入するのではなく、最初から世界市場を相手にしたサービスを提供する)」という最近の自論(たとえば Foresight の関連記事)を展開された。

グローバル・サービスは、現実的には「英語圏」でのサービスを意味する。英語圏の広告市場は日本語圏の8倍もあること、日本発のネット企業はいずれも日本市場にとどまっており事実上頭打ちであること、日本の大企業は海外進出のためのバックオフィス機能が充実していることなどがその理由。Facebook プラットフォームにより 1週間で百万人の単位で会員を増やすというようなことも起きている。大きな規模のビジネスを追求すること、そしてグローバルに事業展開する企業のネット部門として果たすべき役割を考えるときに「英語圏」は必須の要素となることは間違いない。

しかしながら「グローバルとローカル」あるいは「英語圏と日本語圏」の差異は大きい。

たとえばコミュニティ・サービス。実名で顔画像も人脈も公開し、さらには API で他のサイトにも使わせてしまう Facebook のようなサービスに対して、mixi に代表されるクローズドなコミュニティとの違い。mixi の世界に慣れていると、実名で自分の情報をすべて公開することに大きなハードルを感じるはずである。このような文化の中では、Facebook や LinkedIn のようなサービスはなかなか考えつかない。日本でも根づきにくいサービスであろう。一方米国を中心に、ネットで「自分」を公開し人脈を広げることは「皆が」やっている。その行為が「当然」と受けとめられる世界であればこそ、Facebook のようなサービスが立ち上がり、参加者がどんどん増えていく。

あるいは法人向けの SaaS (Software as a Service)。米国では中小企業が多く、カスタマイズなしのパッケージとして SaaS が伸びている。データを預けることに対する心理的なハードルも低い。一方、日本の法人市場においては自社のシステムに合わせこむ擦り合わせ型の SI (System Integration) が一般的である。顧客のビジネスプロセスに合わせてシステムをカスタマイズすることが必須となり、パッケージ型の SaaS / ASP をそのまま使うことは少ない。

こういった差異を肌感覚としてとらえるようなことができなければ、グローバルなサービスを始めることは容易にはできない。

…とまぁ、このように簡単に「できない」理由を思いつけるのも日本人の特性らしい。肌感覚が重要だというのであれば、まずその地に飛び込んで生活する。成功するかどうかわからないけど、サービスを始めてみる。そのくらいの楽観さが求められているのだろう。この歳になると、やる前にリスクを考えてしまう。意識して楽天的になる必要がある。<追記:2007/09/27>
梅田さんが Facebook についてまとめている。さらには Facebook 関連の情報集も。