Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

カリスマ経営者に見る経営の普遍性

大手出版社グループの電子メディア系関連会社の社外取締役を務めていたが、2月末日で退任した。この会社の取締役会は、出版社グループの総帥であるカリスマ的な会長と同席できる貴重な機会であり、会長の取締役会での発言、指示、フォローアップを目の当たりにすることができた。わが社の社長から受ける指示と共通するところが多く、電機メーカーと出版社、業種・業態・ビジネスモデルの違いはあれど、経営で押さえるべき勘所や本質的に追求すべきところには普遍性があることを感じた。

現場の執行レベルは今の収益モデルの中でベストを尽くす一方で、トップである会長は現在のビジネスに満足せず、むしろその将来に危機感を抱いて大きく舵を切る意思を持ち、その視点から現場に対して厳しい発言をされていたように思う。現場を知り尽くしているので執行面での指示も的確。その上で長期的な視野を持つ。なかなかできることではない。

ときどきご自分の読んだ本を紹介されるところも、わが社の社長と似ている。出版・著作物とインターネットの関係ということでローレンス・レッシグを読み込んでおられた。バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』は買ったはいいがそのまま積読になっていた本で、読んでおけば会話が弾んだのに、と残念な思いをした。一方、『クラウド化する世界』が取締役会で話題になった時は、こちらもお手のもの。ケータイコンテンツ最新事情について意見を求められた時もいろいろご説明申し上げたが、ちょっと「試されている」気がしたのはこちらの思い過ごしだろうか?

「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史 クラウド化する世界