ゴルフを始めた後輩の3回目のラウンドは、JGM 霞丘ゴルフクラブにて。河川敷にてデビュー、次は平坦な林間コース、そして今回はなだらかな丘陵コースと、幹事がしっかり考えて、徐々に難易度を上げていっている。
距離は 5,281 ヤードと短い。僕のホームコースの入間カントリーも丘陵コースだが、それよりも傾斜はなだらかである。ホームコースのシニアティーと同程度か、それより易しいくらいのゴルフ場だろう。そう考え、85 を目標スコアとした。掲示板に貼ってある競技結果をみると、ハンディキャップ 15 のゴルファーが 85 で上位に入っているので、目標としてもちょうどよいくらいだろう。
今年はパーオン率の低さ、グリーンオン率の低さが課題で、ショートアイアンでグリーンを狙うよい練習ラウンドにしよう。そんな気持ちで臨んだ。
距離は短いものの、ほぼすべてのホールが横長の砲台グリーンになっている。グリーンのすぐ奥は OB や崖になっており、絶対にオーバーさせないアイアンやウェッジのマネジメントと距離感が求められる。幸いグリーンは朝の雨のおかげで止まり易い。下りのパットも怖くない。一方、上りのパットは相当打たないといけないし、ジャストタッチだと思わぬ方向にボールが曲がる。タッチの出し加減が難しいグリーンであった。
結果は南コース:40(17パット)、西コース:42(15パット)の 82(32パット)と、上々の出来。目標もクリアした。何といっても嬉しかったのは、西コース 6番パー 3 にて今年初のバーディーがようやく取れたことである。さらに続く 7番パー 5 でもバーディー、何とゴルフ人生初の連続バーディーを達成したのであった。
西コース 6番パー 3 は、打ち上げの 125 ヤード。9I のショットが真っ直ぐピン奥 1.5m についた。下りパットのボールがカップに吸い込まれた時は本当に嬉しかった。去年の 11月以来、実に 4ヶ月ぶりのバーディーだったのだ。今年はパーオン率が何と 7%。18ホール中 2回もパーオンできていない。当然、バーディーパットを打つチャンスもほとんどなかったのである。
続く 7番パー 5 は 473ヤード。ドライバーが 220ヤードほど飛び、続くセカンドの 5W もまずまずのあたりで、グリーン手前 40 ヤードまで運ぶことができた。ここから砲台グリーンへ打ち上げ分を含めると、50 ヤードの第3打。いつも練習している距離のショットは、ピンの左手前 1m につき、わずかに右に曲がるラインを強めに打って、人生初の連続バーディーを成し遂げた。
Date | Course (rate) | Yard | Par | Score | Shot | ShortG / PT / GB | P | Situation | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024.4.7 | JGM霞丘GC 南→西 (-/-/-) | 5281 | 72 | 82 | 40 | 43 | 32 | 48 | 30 | 1 | 1 | 晴れ |
- スコア:82、パット:30(1.67)
- ショット(60Y以上):32、ショートゲーム(60Y未満):48、ペナルティ:2
- パーオン率:44.4%、ボギーオン率:27.8%
- バーディ率:11.1%、パー率:38.9%、ボギー率:38.9%
- ダブルボギー率:5.6%、トリプルボギー以上率:5.6%
- フェアウェイキープ率:50.0%
- OB 発生率:1回、ペナルティ率:0回、ガードバンカー率:1回
- パー3 計 +4 以下:+1
- パー4 パー 4H 以上:5H
- パー4 セカンドでグリーンを狙える 7H 以上:10H
- パー5 計 +2 以下:+3
- トリプルボギー 2H 以内:1H
- トリプルボギー直後 +1内:1/1
- グリーンオン率(60Y以上)50% 以上:4/14
スタッツでは 60ヤードをショットとショートゲームの境目としているため、ショット 32、ショートゲーム 48 という数字になっているが、短いコースのため 60ヤード以内からパーオンをできる機会が 4回あり、それを 4回とも成功させている。実質、ショット 36、ショートゲーム 44 という内容であった。
南コースは 30台が狙える感触だった。2番でパーパットがカップに蹴られたこと、5番で 1.5m のボギーパットをねじこんだこと以外は、ほぼパーオンして、危なげなくパーを取っていた。7番で 1.2m のパーパットをジャストタッチで打ったところ、カップ手前で予想以上に曲がり、3 パットのボギー。これで 3オーバーとなる。
この 3パットがショックだったせいで、50度と56度のウェッジを 7番ホールに置き忘れてしまう。パットを打つ前は「あそこにウェッジを置いたな」と思っていたのに、3パットしてすっかり頭から抜け落ちてしまった。まだまだ冷静さが足りない。
8番のグリーンに近づいた時に、50度・56度がないことに気づいた。ピンまで 50ヤード弱。PW を使って、5m ほどピンをオーバーさせたものの何とかパー。しかし 9番はグリーン手前からの寄せを 4m ほどオーバーさせてしまい、ボギーとしてしまう。「ウェッジを置いて来なければ、もっと寄せられたのに…」という事件であった。
前半・南コースでは、ドライバーもショットもよい調子だった。今の僕が気をつけるべきは 4点:
- クラブは身体の前
- 胸郭から始動、背中を使ってターゲットに背を向けるバックスイング
- 左肩を下げずにレイドオフのトップからの切り返し
- 右足親指側面で地面を押し、両腿を締める下半身
これらに気をつけてプレーできたのが奏功した。
後半・西コースでは、ショットがぶれ始めた。バックスイングの捻転が浅くなり、その分切り返しが早く、手打ちになり、インパクトが不安定になった。ドライバーが捉まらず右に行くようになり、3番で痛恨の OB!このホールをトリプルボギーとしてしまったのが残念である。多少の疲れが見えてきたのかもしれない。
それでもあきらめずに、4番・5番を 1パットボギーで粘り続けたところ、6番・7番の連続バーディーにつながった。9番はこの日初めてのバンカーショットを失敗してしまい、ダボ。
このように距離の短いコースで、ドライバーショットが好調だと、いいスコアが出る。ショートアイアンやウェッジでグリーンが狙えるので、当然、パーオン率やグリーンオン率も上がる。「85切り」のマネジメントが実行できる。
これを通常のコース、たとえばホームコースのレギュラーティー(白ティー)と照らし合わせて考えると、以下の 2つの結論が導き出される:
- ドライバーの飛距離を伸ばせれば、戦える(「85切り」がめざせる)。
- アイアンの精度を上げて、150ヤード前後からのパーオン率を高めれば、戦える。
僕としては、アイアンの精度を上げることをめざしたい。おそらくバックティーでも、今のドライバーの飛距離で戦える気がする。バックティー(青ティー)から 85 を出すのが目標である。ただしフルバック(黒ティー)からは厳しいかもしれない。
「稼いだ打数」(Strokes Gaind)を考案したマーク・ブローディ『ゴルフデータ革命』によれば、飛距離と精度はトレードオフではないが、アマチュアがスコアを縮めるには飛距離のほうが精度よりはるかに重要であると結論づけている。ドライバーの飛距離が 20ヤード違うと、アマチュアにとって 1.3 - 1.6打の差になる。
しかも「よく飛んだときでも 220ヤードに届かないアマチュアには、6,500ヤード以上のコースで平均スコアを80に近づけることさえほとんど不可能である」とさえ明言されている。耳が痛い。
しかし還暦を過ぎた今、ドライバーの飛距離を伸ばすことは難しいし、これからは逆に落ちてくる可能性もある。『ゴルフデータ革命』によれば、平均 90のプレーヤーと平均 80プレーヤーの10打の差は、ティーショットで 2.5打、100ヤード以上のショットで4打、100ヤード以内のショートゲームで 2.1打、パットで 1.4打ある。100ヤード以上のグリーンに近づけるショット、100ヤード以内のショートゲームで 6.1打の差がある。
僕としては、ドライバーの飛距離が落ちる前に、この 6.1打を縮めることをにフォーカスしたい。すなわちアイアンショットの精度を高めたい。アイアンの打点を安定させることができれば、おのずとドライバーのミート率も上がってくる期待もある。
150ヤード以内からグリーンを狙うショットの成功率を 50% にする。グリーンから外れた残りの 50% については、そこから 2.5打で上がりたい。できればワンピン以内に寄せてパット勝負に持ち込みたい。そのためにはバンカーショットも含め、ウェッジの練習を徹底的に行う必要がある。
(2018年3月:再読
3年ぶりに読み直したら、自分の上達具合に応じて、新たな箇所が気になったりした。データに基づくパッティングのライン読みは、もっと頭の中に入れて実践してみると、役に立つ気がする。)
スコアに対するショットの貢献を「稼いだ打数」と定義する。ホールアウトまでの平均打数の減少分からそのショットの 1打を差し引いたもの 。たとえば 、平均スコア 4のホ ールでティーショットを打ち 、ホールアウトまでの平均打数が 2.8打のフェアウェイにボールが止まったとすると 、このティーショット 1打でボールを 1.2打分カップに近づけたことになる 。この 1回のティーショットで稼いだ打数は 0.2打となる 。
「稼いだ打数」を、パット、ティーショット、100ヤード以内のショートゲーム、100ヤード以上のショット(「アプローチ」という)など、ショットの種類で分類。これら Score Gained Putt (スコアに対するパットの貢献。たとえば 平均打数が 1.5打の距離から 2パットでホ ールアウトしたとすると 、稼いだ打数は -0.5打となる 。)、Score Gained Driver、Score Gained Approach / Shortgame などの指標により、それぞれのショットの価値を分析すると、米国 PGA ツアーで活躍するプレーヤーの特徴・意外な姿が浮かび上がってくる。PGA ツアーのすべてのショットが記録されているデータベース、ショットリンクの賜物である。
さらには平均的なアマチュアプレーヤーのデータベースもあるので、たとえば平均80プレーヤーと平均90プレーヤーの違いがわかる。
パッティングについては、(A) ツアー選手、(B) スクラッチプレーヤー、(C) 「平均 90 プレーヤー」が 1パットで入れる確率:
(A) (B) (C)
0.6m: 99% 99% 95%
0.9m: 96% 93% 84%
1.2m: 88% 80% 65%
1.5m: 77% 66% 50%
1.8m: 66% 55% 39%
2.1m: 58% 47% 32%
2.4m: 50% 41% 27%
2.7m: 45% 36% 23%
3.0m: 40% 33% 20%
平均90プレーヤーだと、1.5m(5ft)を1パットで入れる確率は 50%、平均 1.5パット(SGP)である。ここを 1パットで入れれば SGP で0.5打稼ぐことになる。
また、平均 90のプレーヤーと平均 80プレーヤーの10打の差は、ティショットで 2.5打、100ヤード以上のショットで4打、100ヤード以内のショートゲームで 2.1打、パットで 1.4打あると分析している。つまりわれわれレベルはショット練習が重要ということだ。
またセカンド・サードショットにおいて、打ち易い距離を残すべき、というのが、アベレージ・ゴルファーへの一般的な教えだったが、実はハザードがない限り、できるだけグリーンに近づけるべきというのが統計的にデータ分析をした結論。へぇー。確かにウェッジのフルショットの距離、70-100ヤード残すよりも 30-50ヤードの方がグリーンに乗せる確率は高そう。
そして最も興味深いのは、「飛距離か精度か」という問いに答えを出していること。これらはトレードオフではなく、実は統計的には「よく飛ぶゴルファーほど真っ直ぐ打てる。」そのうえで「プロにとっては飛距離のほうが精度より重要である。アマチュアがスコアを縮めるには飛距離のほうが精度よりはるかに重要である。」と結論づけている。
というのは、20ヤード、ドライビングディスタンスを伸ばした時の縮まる打数は、PGAツアー選手で 0.8、80プレーヤーで 1.3、90プレーヤーで 1.6、100プレーヤーで 2.3。精度を 1度高めた時の縮まる打数は、PGAツアー選手で 0.8、80・90プレーヤーで 0.9、100プレーヤーで 1.0。つまり、われわれにとってドライビング・ディスタンス、「飛ばし」は重要なテーマなのである。
このように自分のレベルではどのショットを練習すべきなのか、その方針を導くことができる。その他にも興味深い、意外な事実が導かれ、一読の価値あり。
http://golf103.hatenablog.com/entry/2014/03/29/%25e6%259c%25ac-broadie-every-shot-counts-%25e6%2597%25a5%25e6%259c%25ac%25e8%25aa%259e%25e8%25a8%25b3%25e3%2581%25ae%25e3%2582%25bf%25e3%2582%25a4%25e3%2583%2588%25e3%2583%25ab%25e3%2581%25af%25e3%2580