僕のコーチは「ダウンブローで打て」とは決して言わない。道具が進化した今、上から打ち込むイメージは全く要らない。「レベルブロー」がめざすべきスイングであると言う。
「え、でもアイアンのスイングの最下点は、ボールの先にあるのでは?」と言うと、そのイメージさえも不要とのこと。「へぇー、そうなんだ…」以前コーチに「トップするように打て」と言われたことについて、僕は間違ったイメージを持っていたことになる。間違ってはいたものの、結果的にはアイアンの精度は向上していたと思う。だが頭が左ないし前方に突っ込むスイングになってしまっていたようだ。
一方で「ハンドファースト」は正しいイメージらしい。つまり、めざすべきは「レベルブロー & ハンドファースト」ということになる。
浅いシャローな入射角でレベルに打つ。その際、インパクトで頭を右サイドに残して、クラブヘッドと自分との引っ張り合いを実現する。それが今の僕のテーマである。
レベルブローの練習として、高くティーアップしたボールを、ティーには触れずにボールだけ打つと言うドリルを教わった。レベルスイングを提唱するチーム芹澤は、これをスプーン(3W)でやってのける訳だが、われわれのレベルではショートアイアン、ミドルアイアンでやる。ショートアイアンでも難しい。フェアウェイウッドでやったら、球がどこに飛んでいくかわからない。
「7I で高くボールを上げよ」と言われている。ボールを掬うイメージがあってもいいとのこと。それくらいのイメージでようやく、右に頭を残したまま、ヘッドの入射角がシャローになると言うことなのか。僕の場合、ダウンスイングで上半身から叩きに行く癖があり、それを修正するためのイメージでもある。ボールを高く上げようと思ったら叩きにいくことができない。
この練習中、チョロするミスはしてもいいと言う。ハーフトップするイメージがいいらしい。「掬う」イメージの先に「ハーフトップ」がある。ティーを叩く時はヘッドが下から入り過ぎている。一方、ボールのみを叩くトップ、チョロはクラブパスが上過ぎだ。ハーフトップするイメージでボールをクリーンヒットする延長線上に、芯に当たるレベルブローがある。それを身体の感覚で会得せよ、という練習なのだろう。
ヘッドが滑る人工芝マット上のボールを打つのと違って、ティーアップして打つとミスが如実にわかる。実のところ、ショットのほとんどがミスショットとなる。ティーまで叩いてしまうか、ボールの頭を叩いてチョロになってしまう。ある意味、ミスショットばかりし続けるというシビアな練習で、ストレスが溜まる。ティーアップしたボールを一球一球クリーンに打って、インパクトにおけるクラブパスを身体で覚えるのがオススメだが、地面にあるボールとティーアップしたボールとを3球づつ交互に打つのもありとのこと。地面にあるボールを掬うイメージだとダフりそうな気がしてならないが、これくらい思い切ってやらないと、シャローな入射角にならないのだろう。それだけ上から打ち込んでいる、叩きに行っているということなのかもしれない。
さてゴルフスクールで隣りの打席の方のスイングが素晴らしい。しかもコーチに言われたことを、すぐにやってのける。先日は若干シャフトクロスになっていたのを、すぐに修正していた。そのセンス、運動神経、進歩のスピードが羨ましい。こちらは一つのテーマの習得に少なくとも1ヶ月はかかるし、別のテーマになったら、会得したものを忘れて、また逆戻りの繰り返し。今回のシビアなティーアップ練習も、彼はすぐにこなしている。まぁ人と比べても仕方ないし、自分のペースでボチボチ行くしかないんだけど…。道は長いなぁ。
せっかくなので、レベルブロー・レベルスイングを提唱する芹澤信雄プロ、チーム芹澤の本を取り出して、今回のティーアップ・ドリルのところを読み返してみた。「頭を右に残して、上半身が右に側屈している状態で、なぜレベルに振れるんだ?」というのが素朴な疑問であったが、「右腰を積極的に、水平にターンさせる。右腰を押し込んでいく」というイメージが、ヒントになりそうである。右に側屈した状態から右腰をレベルにターンさせると、アドレス時の前傾姿勢の角度を上半身がキープした状態で回転していることにつながる気がする。スイングは3次元で考えないといけない。
〇『チーム芹澤直伝 パーフェクト!レベルスイング』
- ボール1個分の高さにティーアップ。腕が地面と平行になるくらいのハーフショットで練習する。
- アームローテーションとボディーターンを融合させて、腰を水平に回転させてスイングする感覚を身につける。
- 腰の高さを終始レベルに保ったまま、ダウンスイング以降、右腰を水平に回転させるのがレベルスイングである。右腰を積極的にターンすることによって、ボールをヒットし、さらに右腰を押し込んでいくイメージ。
NHK趣味どきっ! MOOK チーム芹澤直伝 パーフェクト! レベルスイング
- 作者: 芹澤信雄,NHK出版
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〇『芹澤メソッド ゴルフの結論』
- ボールの後方からボールの高さでクラブヘッドをアタックさせるには、右腰がレベルに回らなければならない。
- ヘッドが下から入ってティーを打ったら、右腰が下がっている。
- ヘッドが上から入ってボールの頭を打ったら、右腰が浮いている。
- 作者: 高田順史
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このところハマっている、三觜喜一プロの「うねりスイング」と比べると、チーム芹澤の「レベルスイング」はシンプルでわかり易い。久しぶりに読み返してみると、そのシンプルさが新鮮であった。本や DVD を紹介しておこう:
NHK出版 発売日 : 2016-08-25 |
ただし、レベルスイングのコンセプトを、アームローテーションとボディターンの融合と言っているところが新しい。レベルスイング(腰の高さが変わらない)は、クラブを動かすアームローテーションと、それを加速するボディーターンの融合である、つまりアームローテーション x ボディーターン = レベルスイングと位置づけ、それぞれの技術の解説と身につけるドリルを説明する。
レベルスイングでは、右腰の積極的な回転、目標方向に右腰を押し込んでいく。
アームローテーションとボディーターンの回転速度の差が、フェードとドローの違い。アームのタイミングが早ければドローになり、ボディーが早ければフェードになる。その差は個人の体内時計の差というところが新鮮だった。
チーム芹澤のプロたちの分解写真が参考になる。
レベルスイングでは腰を水平に回転させることを提唱する。前傾している上半身と真っ直ぐ立っている下半身。下半身の上にある腰をレベルに回転させることで、上半身の前傾がキープされると言うシンプルな考え方である。「前傾キープには側屈が必要」と言った難しい話は出てこない。アマチュアはできるだけシンプルに考えるべきということだろう。そして地道な練習で正しい動きを見つけることこそが、上達の道だと強調する。
また以前の芹澤プロは「フェードを打つべし」だったが、これはツアープロの世界であって、飛距離が欲しくてグリーンのセッティングも厳しくないアマチュアは「ドローもあり」と宗旨替えしている。
・基本はアームローテーションとボディーターン。この二つを組み合わせて、レベルスイングを実現する。一方、アプローチはボディーターンのみ。
・90切りにはドライバーによるティーショットの精度を磨くこと。
・斜面、クロスバンカー、ラフなど状況別の打ち方も説明する。
芹澤信雄のこうすれば上手くなる!ゴルフのツボ 日経プレミアシリーズ
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