Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

スピンがかかるアプローチをめざして:今野康晴『確実に寄るアプローチ術』

最近、グリーン周りにおいて専らサンドウェッジ(ロフト:56度、バウンス角:6度)を使うようになったのは、スピンのかかるアプローチに憧れているからだ。コーチにも 56度を使うことを勧められた。その契機となったムック本が今野康晴プロによる『確実に寄るアプローチ術』である。「80台を出したいゴルファーのため」「スピンがかかってキュキュッと止まる」といった副題が、とても魅力的である。

この『確実に寄るアプローチ術』では「80台のスコアを出したければ SW 1本で、アプローチのいろいろな打ち方を学ぶ」ことを提唱している。この本を読んで、目から鱗というか、大きな誤解が解けた。実はこれまで、フェースを開くことでボールをフェースに乗せ、カット軌道に打つことでスピンをかけると思っていたのだ(実はこのやり方も正しい。追記で補足)。フェースを立てることで、フェースにボールが乗ってスピンがかかるというのは、考えてもみなかった。今は出球を低く、フェースを立ててスピンをかけるやり方で、56度のウェッジの練習を行っている。ラウンドでも専ら 56度を使うようにして、さまざまな状況の経験値を増やそうと思っている。

この本に書かれているアプローチの技術について、メモをまとめておく:

  • ボールの位置で打ち出し角とスピン量をコントロールする
    • キャリーよりランを多くしたければ、ボールを右に置き、ランよりキャリーを多くするイメージならば、ボールを左に置く
    • ボールの位置が変わっても、両手は左腿の付け根の前にセット
  • ボールをどこに置いても、スクエアにとらえられるようなインサイドインの軌道で振る
  • ダフリ防止のコツは重心をボールの左にキープすること
    • おへそをボールより少し左側にキープしてアドレスし、スイング中もおへその位置が変わらないようにする
  • 体のセンター軸・頭の位置を固定し、胸を左右に回して体の回転でスイング
    • 両脇を適度に占めて、胸を左右に回せば腕とクラブがついてくる感覚
    • テークバックではクラブの重さでコックが自然に行われる
    • 軽くコックした手首の角度をほどかずに打つ
  • バックスイングは肩だけ回し、ダウンスイング以降は腰を回す
    • ダウンスイング以降は、腰を回せば肩も自然に回転し、腕や手・クラブが勝手についてくるというイメージ
    • 右ひざを左ひざに寄せて、腰のベルトのバックルをターゲットに向けよう
    • オープンスタンスに構えるのは、バックスイングが大きくなるのを抑制し、かつダウンスイング以降の腰の回転をスムーズにするため
  • 右ひじはフェースの向きを管理する司令塔。右ひじを下に向けておけば右手首の角度が変わらない
    • 右ひじを右わきに軽く触れた状態で体をまわす
    • 右ひじを下に向けて体の近くを通せば、右手首の角度をキープできる
  • スピンがよくかかるアプローチは、ボールの出球が「低め」となる
    • 出球が低い方が距離感も合いやすい
  • フェースを立てて前に押すようにヘッドを出せばスピンがかかる
    • スピンがかかるのは、ライがよく、クラブヘッドを入れやすいなどの条件が揃っている時
    • 右手首の角度をキープし、フェースを立てながら振り抜く。フェースを立てて、フェース面にボールが長く吸い付くイメージ
    • フェース面の下の方の溝に当ててインパクト、フェースの溝1本分ボールが乗るイメージ。これでスピンがかかる
  • テークバックなしでボールを飛ばすと、フェースに乗せる感覚がわかる
    • ボールを前に飛ばすには、フェース面にボールを乗せるイメージが欠かせない
    • クラブを振り出す時に、一瞬フェース面を立てて、手先を使わずに体幹の回転を使って、クラブを振らなくてはならない
    • SW が難しければ、PW や 9I を使うといい
  • クラブヘッドをボールの真下にきっちり入れることが大前提
    • ハンドファーストに構えて、緩やかな角度で入り、フェースの刃をボールの真下まできちんと入れることが重要。そのままソールを真っ直ぐ滑らせていく
  • バウンスの前側を使って打てば、ソールを滑らせることができる
    • フェースをスクエアにセットし、ハンドファーストに構えると、フェースの刃が芝につき、ボールの下までクラブヘッドが入っていくイメージが湧きやすい
    • フェースを寝かせるほど、バウンスが芝に跳ねてトップしやすくなる

ここまでが基本の打ち方で、高く上げる時は:

  • フェースを開いてハンドダウンに構える
    • フェースを開くとヒールが浮き、そのまま打つとフェースの刃がボールに直接当たりやすい
    • グリップを下げてハンドダウンに構え、シャフトを少し寝かせて、ソール全体を芝につける
  • クラブの重さを利用して、ゆっくり大きくスイングする

さらに状況別のテクニックとして、以下が紹介されている:

  • ショットのイメージづくり:落とし場所を決めて、そこまでの距離感で打つ
  • ボールが花道でピンが奥:
    • ピンまで 40ヤード近くある時、SW の転がしでも寄せきれない時は、AW に持ち替える
  • ラフからのアプローチ:
    • ボールが浮いている場合は、フェースをスクエアにセット。コックを抑えて、横から払い打つ。鋭角に打つとダルマ落としになり易い
    • ボールが沈んでいる場合は、フェースを少し開いて構える。クラブをやや立てるイメージでコックを使い、鋭角に打ち込む
    • いずれにしてもスピンはかかりにくく、ランを多めに見積もって、落とし場所を設定する
  • バンカー越えのアプローチ:
    • ボールがラフに沈んでいる場合は、フェースを開いて、ピンの右に向け、スタンスを広めに、ゆっくり大きくロブショット
    • ボールがラフに浮いている場合は、フェースを寝かせて(傾けて)、フェースの刃をピンに向けて、横から払い打つロブショット
  • ディボット跡:
    • ボールを上げようとするとミスにつながるので、転がす。パターではなく UT だとボールの弾きがよくて転がりもスムーズ。ソールも滑ってくれる。
    • UT を短く持って、ピッチエンドランと同じ姿勢でアドレス、パットの感覚で手首を固定、ソールで芝を掃くイメージでボールを横からヒット
  • グリーン奥からの左足下がり:
    • グリーンも下っているケースが多く、どこに落としたらランを少なく抑えて、ピンの近くに止めやすいかをイメージ、たとえばグリーンエッジの少し手前に落とすなど
    • 低く打ち出すイメージで、斜面に沿って、クラブヘッドを目標よりも左に振り抜く
  • 距離感のコントロール
    • 距離感はフルショットから「引き算式」で覚える
    • フルショットから、肩の高さ、胸の高さ、腰の高さと言う具合に振り幅を小さくして、距離がどう変化していくかを練習で把握する
    • 振り幅は左右対称に。
    • またクラブを指1本分短く持って、スタンスを狭めれば、5ヤード減となる

そして最後に、左手打ち、右手打ちなどの各種練習法が紹介される。

カット軌道でスピンをかけるやり方もある(2020年9月5日 追記)

「Golf Today 2020年10月号」はアプローチの特集。この号で、何と今野康晴プロは、スピンをかけるアプローチの別のやり方を紹介している。それは「アウトサイドインのカット軌道でバックスピンをかける」というもの。ムック本には「インサイドインでフェースを立てる」と書いてあって、これまでの大きな誤解が解けたと思ったが、なぁーんだ、このやり方も正しいんじゃないか。

  • アドレス
    • ややオープンスタンスに構える(ピンのやや左を向く)
    • サンドウェッジを軽く開く(フェース面はピンのやや右を向く)
    • ボールの位置はスタンスの中央、狭めのスタンス
    • 両手の位置は体の中心線上(左腿の付け根ではない!)
  • スタンスの向きに沿って、アウトサイドインに振り、カット軌道でスピンをかける
  • フェースの使い方
    • フェース面のヒール側から当ててトゥの方に抜けていくという具合に、フェース面を斜めに使うのがコツ
    • フェースを返さない。フェース面を上に向けたままで振るイメージ。
    • 腰とクラブを体の正面にキープし、腰の回転でスイングする
  • 右傾斜のグリーンはスライス回転で寄せる
    • フック回転で傾斜と回転を相殺させる方法もある。ランがかなり抑えられるので、ピンに向かって真っすぐ打ち出す。
  • 花道からはフック回転で低く転がす

最後のフック回転のアプローチが、本文で紹介したムック本のやり方である。

要するに、スピンをかける方法は一つだけではない。

  • フェースを立てながら(ターンさせながら)、低く出す(フック系)
  • 開いたフェースを返さずに斜めに使い、カット軌道で振る(スライス系)

と、いろいろな方法があるということだ。どちらも自分のものにして、状況に応じて使い分けられるようにしていきたい。

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