Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

弾道測定器 Garmin Approach R10:インパクトの数値データを確認しながら練習できる

弾道測定器トラックマンは約 250万円。GCクワッドが約 220万円。より低価格なスカイトラックでも 20数万円する中、約 7.5万円という価格で 2021年に登場した Garmin(ガーミン) Approach R10。20 もの数値データが取れ、スイングの自動録画もでき、さらには 42,000 以上のコースでシミュレーションをすることができる。その驚きのコストパフォーマンスについては、スカイトラックとの比較レビュー記事動画に詳しく記されている。

www.garmin.co.jp www.masa-golf.xyz


www.youtube.com

2021年8月に発売開始したものの、早々に売り切れてしまい、長らく在庫不足のため入手することはできなかった。運よく入手した友人に試しに使わせてもらったのが 2022年2月。「これは凄い!」と購入意欲が湧いたのだが、日本のサイト(Amazon、ヨドバシ、ビックカメラなど)では注文も受け付けていない状態であった。そこで 5月に入荷予定という米国の Fairway Golf USA というサイトで発注、商品の到着を楽しみに待っていたのだが…。5月になっても 6月になっても音沙汰はなく、納期は延びるばかり。6月末の時点で 8月中旬に入荷予定というありさまであった。

muranaga-golf.hatenablog.com

ところが何のことはない、6月末には日本のサイトにちゃんと在庫があり、注文できるようになっていた。慌てて Fairway Golf USA の注文をキャンセル、日本の Amazon で発注し直したたところ、その日のうちに入手することができた。

早速、打ちっ放しのゴルフ練習場で、レッスンの時間中に使ってみた。大切なのは、Approach R10 の設置である。赤のアラインメント・ラインを、ボールとターゲットを結ぶ直線に合わせる必要がある。真っ直ぐのボールでも、右に向いていれば左に飛んだことになってしまう。サンドウェッジなどのハイロフトのクラブを使って、ストレートに打ち、それがスマートフォンGarmin ゴルフアプリの表示と一致するようになれば、左右のアラインメントができたことになる。

設置できたら、ゴルフシミュレーターの練習場のボタンを押してスタート。あとはクラブを選択しながら、打ち続けるだけである。

一球一球、データを確認して、スイングに修正をかけるのもいい。あるいは数球まとめて打って、自分の傾向を掴むのもいい。この時スイングの自動録画を行えば、データとスイング動画との紐づけもできることになる。すべてのショットの計測データは保存され、あとで確認することができる。

たとえば以下は、ドライバー、3W、5W、9I、SW で 42球打った時のデータの一覧である。この中から、クラブごとにデータを抽出することもできるし、一球ごとに中身を確認することもできる。クラブごとに色分けされているのがわかり易い。早速、ドライバーショットのデータを確認してみよう。

ドライバー

たとえば次のようなことが読み取れる:

  • クラブパス 3.3度右、フェースは 3.1度右、したがってフェーストゥパスは 0.2度左。ドロー回転がかかっていることになる。
  • アタックアングルは +0.8度とほんの少しだけアッパーに当たり、打ち出し角(ダイナミックロフト)は 10度と、もう少し高く打ち出してもよさそうである。
  • もう少しアッパーに打つことによって、バックスピンの量も抑えられる可能性があるし、打ち出し角がもっと高くなって飛距離が伸びる可能性がある。

気をつけるべきは、練習場のボールであることだろう。ヘッドスピード 40m/s、ボールスピード 56m/s の割にはキャリーで 200 ヤードも飛んでいないのは、打ち出し角が低いこともあるが、練習場ボールであることも影響しているかもしれない。スピン量も多く出ている可能性がある。

それに対する R10 の補正処理はなく、練習場ボールとして「そのまま」のデータとして計測される。一方、トラックマンだとバックスピンが 3,800 rpm だと、練習場ボールの補正値は 3,000 rpm くらいになるらしい(YouTube「試打ラボしだるTV」のトラックマンと Approach R10 の比較動画による)。


www.youtube.com

この解説動画によると、ヘッドスピードとボールスピード、またアタックアングルと打ち出し角のデータは、トラックマンと Approach R10 でだいたい一致して、正確らしい。ただし飛距離表示については、R10 は ±5ヤードくらいの誤差があるという。またサイドスピンについては、正確とは言えないとのこと。

アラインメントが難しいせいか、Approach R10 の左右の測定データは誤差が大きいと思われる。一方、上下や奥行き方向のデータは誤差が小さいようだ。こういったことを頭に入れて、データを解釈していくとよさそうである。

因みに、僕はユピテルの計測器と比較してみたが、ヘッドスピード、ボールスピードはだいたい R10 と同じ値であった。飛距離は R10 の方が低く出る傾向にある。

次は 9番アイアンのデータである。最近は上体を左に突っ込まないように、かつ体の回転を使って打つことに気をつけて、ハーフショットの練習を中心に行っている。

このショットはアタックアングル +0.8度と、少しアッパーに当たっている。少しトップ気味に当たっている可能性がある(あるいはダフっている場合もあるが、今回の練習場ではトップする当たりの方が多かった)。

9番アイアン

9番アイアン

別の 9番アイアンのショットのデータと比較してみよう。こちらは少しダウンブローに当たっている。スマッシュファクター(ミート率)がよく、ボールスピードが多い分、飛距離が出ている。僕の 9番アイアンのショットのバックスピン量は 7,200 rpm、打ち出し角は 22 - 23度ということになるのだろうか。自分のショットの「傾向」を掴んでおきたい。

そしてできるだけ、これらのデータのバラつきが少なくなるようにしていきたい。それが「ショットの安定」ということにつながるのだと思う。

9番アイアン(別ショット)

7番アイアンのあるデータを取り上げてみると、ダウンブローに当たっていた。7番アイアンのダウンブローの適正値は -3度 から -6度 ということだから、もう少し左足への踏み込みを強めてもいいのかもしれない。

7番アイアン

7番アイアン

5番ウッドもダウンブローで当たっている傾向がある。長いクラブだからアウトサイド・インの軌道になっているのかと思ったが、クラブパスはそうなっていない。球を右に置き過ぎて、入射角がきつくなっている可能性もある。

5番ウッド

56度のウェッジで 50ヤード打った時のデータも取り上げておく。面白いのは、ボールスピードとヘッドスピードが同じというところである。これはうまくフェースに乗せられたということなのだろうか?スピン量も大きくなっている。

50ヤード以内のアプローチをウェッジで練習する場合、スピン量と球の高さを揃えていくことが、よい練習になる気がする。

56度ウェッジで 50ヤード

56度ウェッジで 50ヤード

Approach R10 についての僕の使用感をまとめると:

  • アラインメントに要注意、データの正確性には課題がある
  • たとえ誤差のあるデータであっても、アベレージゴルファーにしてみれば、インパクト・ゾーンが可視化されるので、実際の出球と測定データからフィードバックを得て、スイングを修正しながら練習できる
  • 番手ごとのデータをもとに、自分のスイングの傾向を掴むことができる
  • 同じ番手・同じ打ち方で、データのバラつきを少なくするよう練習するのは、スイングの安定性を高めるうえで有効である

ということになる。

そうそう、ホームコースである入間カントリー倶楽部のコースデータもダウンロードしてみた。R10 をゴルフシミュレーターとして使って、本番さながらにホームコースを仮想的に回ってみることもできそうである。ショット練習の気分転換に、ちょうどいい気がする。もちろん練習場のボールなので、レギュラーティーがバックティーくらいに難しくなるかもしれない。

Approach R10 でホームコースを仮想的にまわる

最後に、女子プロが R10 のデータを練習に活用している動画や、設置の際のアラインメントについて、詳しく調査した動画を、参考のために掲載しておく。


www.youtube.com


www.youtube.com


www.youtube.com