英文雑誌をできるだけ辞書なしに速読できるようになりたい。そう思って、まずは 10,000語レベルのボキャビル(語彙増強)に取り組み始めたが、なかなか覚えられずに苦しんでいる。そんな時、題名に魅かれてふと本屋で手に取ったのが、『中上級者がぶつかる壁を破る英語学習最強プログラム』という本である。その中には、「目から鱗」のボキャビルのノウハウが記されていた。
- 作者: 土屋雅稔
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そのノウハウとは、単語集ではなく、「ポケット版英英辞典をまるごと覚えてしまう」ことである。市販の上級単語集(6,000語から12,000語レベル。たとえば『究極の英単語 Vol.3』、『同 Vol.4』、『英検 Pass 単熟語1級』など)を覚えたとしても、ペーパーバックを読むと未知の単語に出合う。それなら 10,000語を軽々越えた 30,000語レベルをめざして、学習者向けのポケット版英英辞典 "Longman Handy Learner's Dictionary of American English" (LHLD) にはじめから取り組もうというのである。
Longman Handy Learner's Dictionary of American English
- 作者: Pearson Education
- 出版社/メーカー: Pearson Japan
- 発売日: 2000/10/12
- メディア: Vinyl Bound
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この辞書でカバーされる一般語彙 28,000語に加え、専門用語・時事用語の単語集(たとえば『ワードペディア』、『ニュース英語パワーボキャビル4000語』、『ニュース英語パワーボキャビル3000語プラス』)を覚えれば、30,000語以上をものにすることができる。
さて、肝腎の覚える手順は以下の通り:
- 下準備:英英辞典の中の未知語をチェック、マーキングする。(一気に集中して数週間から数ヶ月で)
- 暗記:マークした未知語を少しづつ覚えていく。(1日1時間、ないし2ページ。8から9ヶ月)
- 復習1:5日から10日前くらいまでさかのぼって復習する。
- 復習2:覚えにくい(相性の悪い)単語を電子辞書で引き、ヒストリー(履歴)リストに移し、そのリストの先頭から繰り返して復習する。
- 復習3:ヒストリーリストの末尾も毎日復習する。
この中にも目から鱗のノウハウがある。「電子辞書のヒストリー(履歴)機能の活用」である。これにより、単語カードを作ったり、ノートに書き出したりする手間と時間が不要になるのだ。覚えにくい単語は電子辞書で引くと、ヒストリーに自動的に残る(単語ノート作成に相当)。このヒストリーを何度も復習する。その際、覚えていなければもう一度辞書を引いて(ボタンを1度押すだけ)その訳語を確かめる。するとヒストリーの最上位にその語が来るので、次回はその語から復習ができる(単語カードの並べ替えに相当)。またヒストリーから消える前に確認するため、末尾から復習する復習手順も入っている。
暗記するつもりで声にしながら発音と意味を確認すること。そしてそれを何度も塗り重ねるように復習すること。どうしても覚えられない単語は電子辞書のヒストリーで復習すること。もちろん 1、2年はかかる長期戦である。ポケット版英英辞書を覚えてしまった2年後の自分を楽しみに頑張ることになる。
この本には、ボキャビル以外にも中上級者向けのノウハウが数多く紹介されている。
- 大学受験用の英文法問題集を徹底的に繰り返す。
- 英文法書を通読する。
- 大学受験用の例文集、さらには英文法書の例文で、口頭英作文を行う。
- などなど…
同じ著者による初中級者向けの英語学習書もある。中学・高校の文法をしっかり復習したうえで、『DUO 3.0』を、ボキャビル・リスニング・スピーキングと多面的なトレーニングに活用している(『DUO 3.0』はよくできた単語集だと僕も思う)。
- 作者: 土屋雅稔
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2008/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いずれの本でも基礎をしっかり固めるために、中学・高校レベルの本を何度も繰り返して復習することが強調されている。英語の勉強法の本を読む時間があったら、その時間を勉強にまわすべきだが、この著者の本にはあえてその時間をとって目を通す価値がある。