シングルプレーヤーの友人に「目から鱗」だからと勧められた『Choice 最新号(2024年5月号)』の記事が、非常に興味深く、まさに目を開かされた。東大ゴルフ部の学生たちに対する井上透プロコーチの教えが掲載されている記事である。
井上コーチと言えば、データを活用した科学的なアプローチや YouTube でのロジカルで明快な解説が印象的である。2016年から、東大ゴルフ部の監督も務めている。
その井上コーチが「無意識スイング」を説く。東大生は1球ごとに考えることで練習をしていると誤解する。そういう打ち方では本番では通用しない。「無意識」で球を打ち続けなければならない。
「当てに行く」「ミスへの恐れ」「反省」「飛ばす」…。そういった意識を一切排除させて、ひたすらボールを打つ「無意識」練習。バットで素振りをした後に、1分間で 10球、1時間で 200-300球、打つことを課す。一球一球丁寧に打つことは禁止する。
「ボールはごみで、ターゲットはごみ箱」と、1球の価値を落として、ポンポン無意識で打ち、反省せずにミスした記憶を消していく。
井上コーチによれば、
- インパクトゾーンのクラブの動き(入射角や打点)は伝えている
- 「1分で10球」のハイピッチで打つことで、脱力が生み出され、正しい運動連鎖が発生する
- それにより「二重振り子」や「軸の形成」という大事なことが知らぬ間にできる潜在意識学習が可能になる
- ミスをしたという意識を消去して、ただ振る
- ダフったからダフらないようにしようという考えでは、いつまでも不安が収まらない
と言う。
確かに「目から鱗が落ちる」練習法である。「量」を「質」に変える。ひたすら量をこなすことで潜在意識化する。
僕がスイング練習する際には、必ず気をつけるべきチェック・ポイントがあり、それを意識するようにしていたし、球筋を打ち分けるために「軌道を作る」ようにしていた。「無意識スイング」は、これらの練習とはある意味、真逆の練習法である。
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アプローチは勘と調整力が大事、そのために「ただ打て。とにかく打て」という井上コーチの教えは覚えている。それがショットにもそれが当てはまるとは。
「当て感」を養うには、結局のところ、絶対的な球数を打ちこむしかないという吉本巧プロの教えにも通じる。あるいは「本番に強くなる」ために感性を磨こうという倉本昌弘プロの教えにも通じるかもしれない。
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頭でっかちで、いろいろ考えては反省ばかりしているアマチュアゴルファー(つまり僕のことだ)にとって、貴重な教えである。今、僕が抱えている次の2つの大きな課題に対して、「無意識スイング」は糸口を示してくれそうな気がする。
- 本番で、素振りのようなスイングができない
- 本番で力む
- グリーンオン率が低い
- 「乗せたい!」欲がミスを呼ぶ
- 「乗ればラッキー!」くらいの気持ちの時の方が成功率が高い
いずれも「当てたい」「乗せたい」という欲・意識が、力みを生み、ミスにつながっていると思う。そういった意識を消して、ひたすら打つ。何かしらヒントになりそうである。