Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

8年ぶりの新型、Audi A4 を試乗した

8年ぶりに Audi A4 がフルモデルチェンジ、そのデビュー・フェアというので、ちょっとした気分転換のつもりでディーラーに出かけてみたら(もちろん買う気はない)、運よく A4 2.0 TFSI quattro sport という最上級車 S Line Package を試乗することができた。平坦な道、急な坂道の上り・下りを組み合わせた 20分ほどの試乗コースを一回り。そのスムースな走りを体感することができた。

まず上位の A6、A7 にも積まれるパワフルなエンジン(2.0L、252PS、370Nm/1,600-4,500rpm)と 7速のデュアルクラッチ・トランスミッションが生み出す、滑らかな加速に驚いた。ゆっくりと発進、アクセルに素直に反応する形で素早く加速する。低速でもトルクがあり、また回転数を上昇させない(回転数の変化を感じさせない)。2,000rpm 以下で余裕があるので、アクセルペダルへのレスポンスがよいのだろう。結構急な登り坂でも、全く「頑張っている」感覚がない。僕の愛車であるレヴォーグ1.6L エンジン(170PS、250Nm/1,800-4,800rpm)と比較すると、エンジン音・回転数の変化、ターボ・ラグを感じさせない、静粛な走りが印象的だった。サスペンションもいい具合に道路の凹凸を吸収する。レヴォーグ 1.6GT のパワー・走りに不満はないが、A4 とは全く個性が違うと感じた。一度、レヴォーグの 2.0L エンジン(300PS、400Nm/2,000-4,800rpm)と比べてみたいものである。

車速に反応する電動ステアリングも面白い。低速になると急に軽くなるので、交差点での左折がやり易い。ただアイドリング・ストップの時にステアリングは動かないので、再スタートしてすぐに曲がりたい時は一瞬戸惑うことがある。まぁこれは慣れの問題だろう。

車幅は 1,840mm とレヴォーグより 60mm 大きいがあまりその違いは感じなかったし、ブレーキングの感覚もそんなに違和感がなく、すぐに慣れることができた。

残念ながら高速道路を走っていないので、渋滞に対応する全車速前車追随のアダプティブ・クルーズコントロールアイサイト(EyeSight)と比較することはできなかったが、レーン・キープと相まって、半自動運転になると、ディーラーの方は言っていた。

旧モデルユーザにとって特筆すべきは、右ハンドルの運転席の左足の位置が広くなったことだと言う。ギアボックスの張り出しで、右ハンドルの場合、左足を置くスペースが狭くなっていたが、新型では解消されており、窮屈に感じない。エクステリアのサイズはほとんど変わらないが、軽量化されている。ヘッドライトのデザインもシャープなものに変わっているし、方向指示器の LED も単なる点滅ではなく、内側から外側へ流れるように光る。

新しい A4 には、Audi の最新技術が惜しみなく取り入れられている。詳しくは『アウディ A4 のすべて』という本に紹介があるが、最も印象的なのは、メーターパネルが 12.3インチの液晶になっており、スピード・メーターやタコ・メーターの大きさを変えられるばかりか、カーナビの地図や Google Earth の航空写真、車両の状態など、さまざまな情報を表示するバーチャル・コクピットである(これは自動的にハイビームを調光する LED ヘッドライトと抱き合わせのオプションである)。

もちろんバーチャル・コクピットがなくとも、アイシン製のカーナビと組み合わせたディスプレイが真ん中に備わり、コントローラや音声認識・文字認識で操作することができる。その MMI コントローラは、ギアの上に手首を置いて操作するというきめ細かい設計がされている。そしてスマートフォンと連携(Apple CarPlay / Android Auto)するので、スマートフォンのカーナビ機能をそのまま使うこともできるし、Google の最新地図を表示することもできる。

車内では WiFi を使うことができる。外との接続は SoftbankLTE。3年間は通信料を追加で払う必要はない(4年目以降については検討中)。

2-4人で乗り合わせてゴルフ場に行く日本のゴルファーにとって気がかりなのは、トランク。残念ながらキャディーバッグを真横に積むことはできない。この辺りは、レヴォーグなど日本車の方がよく考えられている。まぁ海外の人は、1-2人でゴルフ場に行くということなのだろう。

ステーションワゴンの A4 Avant は 2016年 5月にお目見えするとのこと。そして新しい A4 ベースの A5 Sportback の登場は年内とのことであった。A4 のディーゼル・エンジン版も日本に導入されるらしい。

新型 A4 の詳しい内容は『アウディ A4 のすべて』に詳しい。旧型とのサイズの比較、ライバルであるベンツ C クラスや BMW 3 シリーズとの比較記事も出ている。新規参入の Jaguar XE も気になる存在だが、新しい Audi A4 にはまだまだ敵わないと感じた。ただ A4 の価格は旧型よりも上がっている(同じセグメントの日本車の倍のお値段、さらには今の A6 との差が詰まってきた)のは気になる点である。

将来、自動車はインターネットに常時接続する Connected Car となり、自動運転となる。新しい A4 はその先駆けとも言える存在である。

2016.3.2 追記

昨日発売された『Motor Magazine』の特集が新型 Audi A4。その走りのインプレッションとして、静粛性の向上のほか、アクセル操作に対する加速のリニアリティに課題があると書かれている。僕は素直にアクセル操作に反応すると感じたのだが(所有しているレヴォーグとの比較において)、車の専門家からすると、多少の違和感があるらしい。

この本では、同じセグメントのライバルとして、Mercedes-Benz C200、BMW 320i Sport、Jaguar XE 25t Portfolio、Volvo S60 T6 AWD R-Design との比較がなされている。

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