最近はシニアゴルファー向けの YouTube、TASKGOLF をよく見ている。
Jacobs 3D という科学的な理論に基づいていること。偏重心特性のクラブを正しく「重心管理」して「引いて引く」ように扱えば、勝手にボールに当たようにクラブは設計されているというシンプルな提唱。可動域の小さくなったシニア向けの内容。そういったものが、63歳になった僕にも親しみ深い内容になっている。
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そして何より TASK さんの開発した 3D Swing Mentor という素振り練習器具の効果である。偏重心特性を高めることで「重心管理」をより感じられるようにした器具で素振りをすることにより、余計なエネルギーをクラブに与えないことを学ぶことができる。この素振り練習により、ハンディキャップ 15 の壁を突破して、ホームコースの A クラス入りを果たすことができたと思っている。
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その TASK さんが開発した、しなり戻りの復元力の強いドライバー用のシャフトが Kinetics Flow TE-1 である。もともとは練習器具として開発していたらしいが、飛距離性能がよいので、実戦でも使えるドライバー用シャフトとして、1年前に発売された。
しなり戻りの復元力で飛ばすシャフトであり、重心管理がされた状態で正しくドライバーにエネルギーを伝えれば、飛距離が出るらしい。「もしかして非力な僕でも 230-240ヤード 飛ばせるシャフトなのでは?」そう思って気にはなっていたのだが、いよいよ在庫が少なくなって最終販売段階になるというお知らせが届いたのに刺激され、ついポチってしまった。限定品という言葉に弱いのだ。
11月25日に発注したものが、約1ヶ月で 12月20日に届いた。自分へのクリスマス・プレゼントになったと言えるかもしれない。
さっそく自分のドライバー Stealth2 HD に刺してみる。ヘッドの重さでものすごくたわむ、柔らかいシャフトである。
実際に打ってみると、切り返しで相当しなる(「たわむ」と言った表現が近い)にもかかわらず、しなったシャフトがインパクトには間に合うように、必ず戻ってくる。「通常の柔らかいシャフトであれば間に合わないだろうな」と思うくらいのしなりが、なぜか戻ってくる不思議な感覚である。それだけ Kinetics Flow の復元力が強いということだ。
Kinetics Flow にはキックポイントがなく、シャフト全体が曲がる。したがって棒を振ると言うより、紐・リボンを振っている感覚である。切り返し以降、何と言えばいいのだろう、「うわーん」という感覚でヘッドが戻ってくる。ヘッドがサイクロイド曲線を描くらしい。
グリップに与えたエネルギーを増幅するように作られているため、重心管理がある程度できた状態で、適切にエネルギーを与えれば正しく機能するが、少しでも余計なノイズを与えると、それも増幅されるので真っ直ぐ飛ばないとのこと。
幸い僕の場合、わりと真っ直ぐ飛んでくれている。ふだんから 3D Swing Mentor で素振りをして、重心管理できるスイングを心がけているからだろうか。うまくミートした時は、いつも使っているシャフトより +10ヤードくらいは期待できそうである。
ただヘッドが背中側に回った時に重心管理から外れている(ヘッドが下に落ちている)感覚があるのと、上手にリリースできていないので、安定したミート率を得られていない。当たった時は楽に飛ばせるが、打点が安定しない。
またヘッドスピードを上げようとして腰を回してもダメで、切り返しからうまく腕を使ってヘッドを落とすようにリリースして、ヘッドを走らせるようにしないと、この Kinetics Flow のシャフト特性が活かせない。そしてテイクバック、バックスイングをある程度速く行わないと、シャフトのしなりがうまく使えない。
下の二つの動画で解説されているように、クラブを腕で持ち上げてもダメである。Kinetics Flow を使えば、可動域が小さいシニアでも、「南半球」のリリースだけで 200ヤードは簡単に飛ばせると説明されている:
Kinetics Flow で安定して打てるよう練習すると、他のクラブでのスイングもバランスがよくなることが期待できる。実際、いつも使っている Speeder NX Black に刺し換えてドライバーを振っても、いい球が出る。ただし「違和感」はある。Speeder NX は「棒」なので、それを勢いよく振りにいってしまい、シャフトが持つ本来のしなり戻りをあまり使えていないという「違和感」である。
もしかしたら Kinetics Flow で整えたスイングのバランスやリリースのやり方で Speeder NX を使えるようになると、シャフト本来のしなり戻りが使えて飛距離が伸びるのかもしれない。
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Kinetics Flow は、楽に振っても飛距離が出る。実戦でも使えそうなシャフトではあるが、他のクラブ、特に 3W / 5W とのシャフト特性の違いが大きすぎるので、ドライバーだけが特殊なセッティングになってしまう可能性が高い。きっとコースでは「違和感」があるだろう。
TASK さんによれば、実戦で使えるエネルギーの大きい「アスリート用」、再現性の高い「中・上級者用」も開発中とのこと。もともと練習用の Kinetics Flow でしっかり練習しておけば、新開発の実戦用のシャフトも打てるらしい。
冬の間はこの Kinetics Flow で安定して飛距離が出せるように、ドライバーの練習をしてみようかな。16年間お世話になったコーチがゴルフスクールのレッスンをやめてしまったので、クラブを持ち上げないように矯正するための、よい自主練習の道具になるかもしれない。
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そう言えば、以前、渋野日向子プロが練習用の柔らかいシャフト、MCI Practice Iron でスイング・テンポを整えるということをやっていたのを思い出した。そしてそれに刺激されて、同じようなコンセプトの「スイングドクター」を導入、一時期、使っていた。5年前当時のブログを読み直すと、今と全く同じバックスイングの深い捻転に取り組んでいたことがわかる。ある意味、5年前から何も進歩していないとわかって、苦笑いである。
シャフトのしなり戻りを使う。そのための身体の動きを、もう一度復習しよう。Kinetics Flow が、そのためのよい練習道具になることを期待している。