このところ「100叩き」のラウンドが続いている。調子はあっという間に下降線を辿り、特にドライバーショットが不安定。無心にドライバーを振って、真っ直ぐ飛んでいた頃が遠い昔のように感じられる。ホントにどうしてしまったんだろうか?ゴルフスクールのコーチには「コースでもそのスイング・切り返しだとすると、スコアは望めない。何とかボギーで耐えるゴルフを、18ホールも続けられないでしょう。」と率直に(冷ややかに)言われてしまった。
コーチに指摘されたのは「バックスイングの浅さ」である。
背中を使った深いバックスイングができていない。バックスイングが浅いと飛ばない。したがって上半身や腕を使って打ちに行ったり、左に突っ込んだりする。そのためますます飛ばない。コースではそういう悪循環が起こっているのではないか?という指摘である。確かに思い当たる節がある。シャフトのしなりを使おうと、クラブが上がっている間に、左足を踏み込んで切り返そうとしているのだが、自分では気づかないうちに、バックスイングが浅くなっていたと考えられる。
バックスイングを深く行うことには、主に二つの効果がある:
- クラブがインサイドから下りてくる
- 左に突っ込めない
背中を使って、バックスイングをしっかり深く行う。そして切り返しで急がない。クラブはヘッドの重みで自然と、インサイドから落ちてくる。このヘッドが落ちてくる感覚は、20-30Y のアプローチの練習でも養うことができる。小さな振り幅でも、しっかりヘッドの重みを感じることが大切である。
ナイスショットの時の、切り返しの感覚・タイミングを、自分のものとしなければならない。
- バックスイングを深く。
- クラブが上がり切る直前に、左足・左腰で切り返す。これによってシャフトのしなりを感じる。
- 切り返しで急がない。クラブヘッドがインサイドから下りてくる(落ちてくる)のを感じる。
切り返しの感覚がつかめず、タイミングがバラバラだと、ドライバーが安定しない。いつも不安を抱えてティーイングショットを迎えることになる。自信がないので、左に突っ込んだり、上半身からボールを叩きに行ったりする癖も顔を出す。すなわちシャフトのしなり戻りが待てず、使えていない。コーチには「フォームの問題ではない。タイミングの問題」と言われ、うまく行った時とミスした時の違いを感じ取ることを求められている。
シャフトのしなり戻りを感じられる切り返し、急がない切り返しのタイミングを、どうやったら身につけることができるだろう?この際、「ぐにゃぐにゃシャフトの練習用クラブ」を使ってみたらどうだろうか?そういえば渋野日向子もぐにゃぐにゃシャフトの練習を取り入れていたし…。コーチに聞いてみたら「今の状態なら、そういう練習方法もあり」とのこと。
シブコの使っているフジクラの MCIプラクティスという、その名の通り練習用の軟らかいシャフトを挿したアイアンは、ちょっとお高いので潔く諦め、その半額以下で買える「スイングドクター」を入手した。Amazon、楽天、Yahoo!、どのショッピングサイトでも高い評価を得ている練習器具である。
ムチのようにしなる ロジャーキング ゴルフスイング練習機 スイングドクターアイアン (イエロー(よりソフト))
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ボールを打てるスイング練習アイアン 新品ヘッドにフジクラ MCI PRACTICEを装着 MCI プラクティス
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「スイングドクター」は、イエローのシャフトに 7I 相当のヘッドが付いており、素振りだけでなく、実際に球を打つことができるアイアンである(より硬いオレンジのシャフトもある)。軟らかいシャフトの素振り練習器具として、「1SPEED」や「トルネードスティック」を持っているが、「スイングドクター」は素振りだけではなく、実際に球を打てるというのがミソである。
XXIO Forged(NS Pro 930)の 7I と比べてみる。ヘッドはさすがに少し安っぽい作りである。シャフトはドライバーよりも軟らかく、少し力を入れると曲がる。ドライバーより軟らかいとは言え、思ったほどの「ぐにゃぐにゃ感」はない。どちらかというと、素振り練習器具「1SPEED」の方がぐにゃぐにゃしている。
「スイングドクター」(イエロー)と「1SPEED」(オレンジ)と並べてみた。さらに PHYZ のフェアウェイウッドの緑のシャフトも並べてみると、色彩豊かで何だか楽しくなる。
軟らかシャフトのアイアンで、果たしてちゃんと当たるのか。球はどこに飛んでいくのか。ちょっとどきどきしながら打ってみた。インパクトのタイミングを取るのは、予想していたほど難しくはなく、ほぼ真っ直ぐ打ち出せる。しかし当たりは今ひとつ。はじめのうちは飛距離が出なかった。
繰り返し練習して、特に左サイド(左足、左腰)から切り返すようにすると、徐々に当たるようになり、通常の 7I と同じくらいの距離(140-150Y)が打てるようになった。面白いことに、飛距離は同じくらいなのだが、高弾道で、滞空時間が長いという違いがある。高いところからゆっくり落ちてくる。
軟らかいシャフトのアイアンをうまく打つポイントを、自分なりにまとめてみると、以下のようになる:
- 切り返しでのシャフトのしなり、インパクトでのしなり戻り。これらが感じられるようなタイミングと力感で振る。
- (すなわち)切り返しは急がない。急ぐと、シャフトのしなり戻りが感じられない。
- 切り返しは左足・左腰主導。上半身から行かない。腕を使わない。余計な力を入れない。
不思議なもので、シャフトの軟らかさが全然違うにもかかわらず、通常の 7I に持ち替えても、ちゃんと打てる。シャフトの軟らかさの違いに、自分の身体が勝手に適応しているのだろうか?スイングのスピードは違うはずだが、シャフトがしなり戻るタイミング・感覚は、スイング中の同じポイントで生じており、それに対して身体が反応することで、シャフトの違いを吸収している気がする。
さらに不思議なことに、軟らかシャフトのアイアンできちんと打てるようになると、ドライバーにもかつての当たりが戻ってきた。とうの昔に忘れてしまった感覚が戻ってきつつあるような気がする。アイアンよりわかりやすいとは言え、ドライバーでもシャフトのしなり戻るポイント、タイミングを感じ取るのは難しい。軟らかシャフトで掴んだしなり戻りのポイントを、ドライバーを持った時にも感じ取れる力感で振ることができると、いい当たりになる気がする。
現時点における切り返しのタイミングについて、自分なりのコツ・感覚をまとめておく:
- バックスイングをゆっくり、そして深く。バックスイングを速く行うことによって、切り返しでのしなりは大きくなるが、逆にバックスイングが浅くなりがちである。自分が、しっかり深くバックスイングできるスピードに抑えてテイクバックする。
- 左腰・左足主導で切り返す。ただし急激にやらない、急がない。上体がワンテンポ遅れて、右を向いて残る状態を作り出す。
- 右腰をしっかり切ることにより、球をつかまえる。ここで振り遅れると右へのプッシュになる。
- 腕を使わない、速く振ろうとしない。
- ドライバーでは、左かかとよりボール 1個中に入れる。アドレスではヘッド一つ分、右にヘッドを置き、かつハンドファーストに構える。こうすると、ちょうどいいタイミングで球がつかまる。右に荷重し、ヘッド・ビハインド・ザ・ボールを意識してアドレスできると尚よい。
- フェアウェイウッドは、しっかり腰を切って振り遅れないこと。
- アイアンはハンドファーストに構え、かつハンドファースト・インパクトを意識(アーリー・リリースを抑える)。インパクトで押す感覚が出るとよい。
muranaga-golf.hatenablog.com
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ヘッド・ビハインド・ザ・ボールへの取り組み、ハンマー投げのイメージは、いったん後回しにした方がいいかもしれない。まずは軟らかシャフトのショット練習の量を増やすことで、通常のシャフトのしなり戻りを、もっと感じ取れるようになりたい。そしてそのシャフトのしなり戻りに合わせたタイミングとスピードで、効率的にスイングできるようにしていきたい。そのタイミングを掴み、安定させるまでは、しばらく我慢である。
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「トルネードスティック」のショート版。軟らかい白とちょっと硬めの黒がある。白の方はまさに「ぐにゃぐにゃ」で、身体に巻き付くようなスイングをすることになる。
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