4月に入って在宅勤務が基本となり、4月20日からは一足早く、会社が休みになった。夏休みが前倒しになったのだ。一方、緊急事態宣言が解除されるまで、ゴルフスクールのレッスンは中止になった。ただ幸い、ゴルフ練習場は営業している。平日の昼間は、1.5時間で 1,800円の打ち放題。運動不足解消も兼ねて、いい機会だから、毎日練習したら上手くなるものか、試してみることにした。
毎日 300-350球。3日目までは大丈夫だったが、4日目から疲れてきたのか、ショットが乱れ始め、5日目にはゴルフ肘を再発。残念な結果となった。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」はゴルフの練習にも当てはまった。週 2日程度くらいにしておくべきであった。
肘の痛みはすぐには治らない。ロキソニンの湿布で数日抑えても、数10球打つとまた痛み出す。腕に巻くサポーターで肘への負担を抑えつつ、練習を再開した。「3密」を避けるように練習していたら、3階打席には、僕以外、誰もいなくなった夜もあった。
さて、そもそもハンディキャップ 20 のプレーヤーとして、僕が 80台を出すために身につけたいショットの技量は、そこそこの飛距離とグリーン周りに運べるそこそこの精度である。具体的には:
- ドライバーでは一貫して 200 ヤードキャリーして(本当は 220ヤード欲しい)、セカンドショットがグリーンを狙える位置に行く(「置ける」)
- 8I 以上のグリーンを狙うショットでは、グリーンの近くにそこそこ運べる
- 9I 以下の短いクラブでは、何とかグリーンに乗せられる
そのためにショットでめざすべきことは:
練習では、これらすべてについて取り組みたい。しかし 1ヶ月以上という長い期間にわたって、レッスンを受けないのは初めての体験だ。スイングのどこにエラーがあるのかを指摘してくれるコーチがいない。レッスンのない 1-2ヶ月の間に、変に欲張って自己流の変な癖をつけてしまったり、スイングが崩壊してしまったりするのが怖い。今のスイングの技術レベルを維持することが最低条件である。本来なら「パッシブトルク」によるシャローな入射角といった新たなテーマに取り組みたいところではあるが、それでスイングを見失ってしまうことが怖い。その恐怖がまさって、新たなテーマではなく、今までレッスンで取り組んでいたテーマにフォーカスして、自主練習することにした。
そのテーマとは、ずばり「ハンドファースト・インパクト」である。「左股関節を後ろに引く」あるいは「左わき腹を回す」イメージで腰の回転量を増やす。腰の回転が主導、そしてそれが上体・腕より先行することで、インサイドアウトにヘッドを振ることになり、ハンドファーストとなる。
その際に、僕が意識すべきポイントは次の通りである:
- 切り返しで左足を踏み込み、左股関節を後ろに引くことで、腰の回転量を増やす
- バックスイングで伸び上がらない、そのためにも深く右腰を入れる
- アイアンの場合、フェースが開いて当たるイメージがあってもいい(真っ直ぐ当てようとしない)
あまり欲張らず、意識すべきことを絞ったせいか、幸い、この1ヶ月の練習で、大きくスイングを崩さずに済んでいる。特に PW や 9I の量を増やして、100-120 ヤードの距離の経験値・確度を上げるようにした。
一方、練習量を増やしてわかったのは、日によって、スイングの調子は違うという当たり前の事実であった。前日、あれだけ気持ちよく当たっていたアイアンが、翌日には全然ミートしない。あるいは 20ヤードほどの幅に収まっていたドライバーが、別の日には大きくプッシュスライスしていく。
こんな時に、どう修正していくか。コーチがいなくても自分で調整できるだろうか。それも今回の練習で取り組んだことである。ラウンド中、ショットが全然当たらなくなったり、ドライバーが乱れたりすることがある。その際、あれこれ修正しようとして、さらにショットがおかしくなり、精神的にもやられてスコアを崩してしまう。そうならないためには、普段の練習でも、その日の自分の調子に合わせて、スイングを調整できる力が必要になる。自分なりに症状の傾向と対策がわかっていたい。そしてスイングがわからなくなった時に戻ってこられる、基本の「場所」があるといいのではないか。
自己調整力を養うべく、打ち放題でひたすら球数を打つのをやめて、ミスした時の球筋から、どういう点を意識して、次のスイングをするか、一球一球考えるようにした。たとえばプッシュアウトが出たら腰の回転量が不足している。左に球が出たら上体から打ちに行っている。アイアンでトップする(当たりが薄い)時には、腰の回転量と左への体重移動が不足している。腰の回転量を増やすためには、切り返しで急がないこと、左下半身(左足・左腰)で始動することを意識し、ダウンスイングに入ってからクラブヘッドを加速させるイメージを持つようにした。
すると、何ということだろう。通っているゴルフ練習場での自分史上最長の飛距離が出た。12年間通い続けて、初めて、打った球が奥のネットの太い支柱を超えたのである。
練習場の表示によれば、太い支柱の上に届くと、240ヤード飛んだことになる。今まではどう頑張っても支柱の真ん中あたり、220ヤード止まりだった。計測してみると、ヘッドスピードはほぼ 40-41m/s で、年初と比べてそんなに変わってはいない。ミート率が 1.5 でボールの初速が 60-61m/s。何が変わったかと言うと、ボールの打ち出し角度である。芯に当たることはもちろんだが、球が高く上がることによって、滞空時間が長くなり、飛距離が伸びたようである。
もちろんまだまぐれ当たりであり、日に何度もこの当たりが出る訳ではない。実際のコースで 240ヤード(キャリーで)飛ぶのかもわからない。ただ練習場での最長距離を更新したことは間違いない。「練習は裏切らない」のである。
最後に、練習中に試してみた自分の症状別の修正ポイント、意識すべきことをメモしておく:
スイングのリズムとテンポ
- スイングの再現性を高めるために、一定のリズムとテンポで振りたい。心の中で「いち、にーぃ、さーん」と唱えてみる:
- 「いち」:アドレスからテークバック開始
- 「にーぃ」:「にー」がバックスイング、「ぃ」が切り返し
- 「さーん」:ダウンスイングからフォロースルー
- バックスイングを急がない、切り返しを急がない
ドライバー
- プッシュアウト = フェースが開いている。シャフトがしなり戻らず、球を捉まえていない。
- 要因:
- 切り返しを急いでいる。
- 球を叩きに行っている。
- 腰の回転不足でフェースがターンしていない。
- 対策:
- ゆったり振る。フルスイングの形で 180ヤード飛ばすくらいの力感、回転スピードで打つ。これでも 200ヤードくらいは飛ぶ。
- 左わき腹・左股関節を意識して、腰の回転量を増やす。
- 要因:
- 球が左に出る = フェーズが被っている。
- 要因:
- 切り返しを急いでいる。
- 上半身から振っている。
- 対策:
- バックスイングをゆったり。
- 切り返し:とにかく急がない。下半身から切り返す。
- ダウンスイング開始後から、ヘッドを加速するイメージ。
- 要因:
- スライス(特にプッシュアウト・スライス)= クラブパスがアウトインになっている。
- 要因:
- バックスイングが浅くなっている。
- 上半身から打ちに行っている。
- 対策:
- バックスイングを深く。
- 切り返し:とにかく急がない。下半身から切り返す。
- 要因:
アイアン
- トップする、薄い当たり、捉まらない。
- 要因:
- いずれも腰の回転不足、左サイドにしっかり移動できていない、腰と上体が一体でまわっている。
- 対策:
- 切り返しで左腰主導(左わき腹を回す、左股関節を後ろに引く)、その後、上体・肩がまわるようにリズムを変える。
- バックスイングを低く、沈み込むくらいのイメージで。入射角を緩やかにする。
- 要因:
- ダフる。
- 要因:
- 上体、腕から打ちにいっている。
- アーリーリリース
- 対策:
- 切り返しを左下半身(左足、左わき腹)から始動させる。
- ハンドファーストを意識、左腕でクラブを引っ張る。
- 要因:
- なぜかフルショットだと当たらない:
- 対策:
- ハーフショット、スリークォーターショットでミート率を上げる
- バックスイングが浅くならないよう、要注意。
- 対策:
- 絶対に左に行かせない(ショートアイアン):
- 対策:
- フェースを開いて構える。
- 対策: