Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

シャローイング+地面反力の「GGスイング」:片山晋呉プロ、額賀辰徳プロの解説動画がわかり易い

『ゴルフの力学』で学んだジェイコブス 3D ゴルフ(Jacobs 3D Golf)では、マシュー・ウルフのように、クラブに自らトルクをかける意図的なシャローイングについて、アマチュアが学ぶことについては否定的である。強靭なフィジカルが必要であると同時に、伸びしろのあるアマチュアにはまだ他に覚えるべきことがある、というのがその理由である。


マシュー・ウルフ Matt Wolff【Driver Shot】2020 Farmers Insurance Open

とは言え、ドライバーの平均飛距離が 324ヤードというマシュー・ウルフの超個性的なスイングに、日本のプロたちは注目している模様。彼のコーチはジョージ・ガンカス(George Gankas)、そのスイングは「GGスイング」として知られている。日本語でもさまざまな解説記事が出ているし、先日、ジョージ・ガンカスから直接教えを受けた、藤本敏雪プロによる解説本『自分史上最高の飛距離が手に入るスイング』が出版された。そこでは「ピヴォット・ターン」という名前で紹介されている。

自分史上最高の飛距離が手に入るスイング

自分史上最高の飛距離が手に入るスイング

その基本コンセプトは、「体重移動するな」「胸は開け」「膝は開く」「腕を返すな」。要するに「GGスイング」「ピヴォット・ターン」では、「その場でのボディーターン」「地面反力」「シャローイング」を説く。今の欧米のトッププロたちにとっては当たり前のスイングだそうだ。

回転するために「胸を開け」「手首を返さない(右の掌が上を向く)」という教えと、切り返しのきっかけで左足をガニ股にする動き(左足の付け根から外側にひねる動き)が特徴的である。本の中では、Pシステムにおける P1-P10、それぞれのポジションでの動きを詳しく解説している。

  • P4(切り返し)において、右の腰がターゲット方向に動く
  • P5(左手が地面と平行)で、左足を外に回してガニ股にする:
    • 左足の外旋により上半身が引っ張られ、右手が P4 の位置に残る感覚がある中、右腕が外旋、クラブは寝てシャローに下りてくる。
    • この時、ダーツをターゲットとは反対方向に投げるイメージで、右ひじは絞らずに伸ばしていく。
  • P6(クラブが地面と平行)から P7(インパクト)にかけては、力強く地面を踏んで、そこからの反力で腰を回転させる。

個人的には、切り返しで右腰がターゲット方向に動き、ガニ股になる個性的な動きが、スイングフォームとして、今ひとつ「美しくない」と感じてしまうが、その場で腰を回転させ、フォローサイドでクラブが抜けるスペースを作るためには、これがリーズナブルなのだろう。

片山晋呉プロがオフのスイング改造で、「GGスイング」に取り組んでいて、その解説動画がわかり易い。


GGスウィング?勉強家の片山晋呉が伝える物理学を融合させた世界最先端のスウィングとは? ここまで片山晋呉がスイングについて熱弁してくれた事があっただろうか!#ヨコシンゴルフレッスン

そして数年前から「シャローイング」を取り入れている額賀辰徳プロの解説動画を見ると、体の左への回転でクラブが倒れることがわかる。そして「オープンフェースにしないこと」(フェースが開くとプッシュアウトする)、「左への体重移動をしないこと」(腕と体が近づき、クラブを振るスペースがなくなる)が、シャローイングの絶対条件であると言う。実際にスイングした時に、左足は動いている。つまり右サイドで地面反力を使って、体を回転させていることがわかる。


【現役ツアープロが教える】知ってますか?シャローイングをマスターするための2つの絶対条件!実技編レッスン 額賀辰徳

額賀選手のジュニア時代は「クラブを立てろ」と言われていたが、最近は「クラブを寝かす」ことが世界の主流になりつつある。額賀選手のようなプロでも、シャローイングを取り入れるのに、1-2年はかかったので、アマチュアは根気強く取り組む必要があると語っている。それくらい難しい動きであるということだ。

三觜喜一プロによるマシュー・ウルフのスイングの解説記事もある。胸郭を使った究極の「左ハンドル」テイクバックと評している。最近の MITSUHASHI TV では、切り返しでターゲットとは逆の方向に力を使うこと、ダーツを投げるイメージ、グリップエンドを引き続けることなどを強調しているが、Jacobs 3D の知見や、「GG スイング」のエッセンスを取り入れていると感じる。

golfsapuri.com

最近の科学的なゴルフスイングへの取り組みについて、解説している井上透プロの動画も必見である。その中で「GGスイングは地面反力を使って、力を最大化するスイングである、しかし最高難度の演目でもある」と説明している。


GGスイングは○○を最大にする方法に過ぎない!?巷のゴルフ理論をぶった斬る!【井上透が教える動きと力の関係】

そして「残念なお知らせ」として、「大概のアマチュアはシャローイングができない」と宣言してしまっている。


どうしたらクラブは倒れるのか?【井上透ゴルフレッスン〜シャローイング編〜】

飛距離を伸ばし、長いインパクトゾーンを実現する「シャローイング」に憧れる。しかしプロが口を揃えて言うように、習得が大変難しい技術であることは間違いない。「GGスイング」のような意図的なシャローイングはともかく、せめて受動的にクラブが背中側に倒れる「パッシブトルク」だけでも取り入れられないだろうか?いやいや、この「パッシブトルク」でさえも、うまくできているかどうか。三觜喜一プロの「左ハンドル → 右ハンドル」や、板橋繁プロの「裏面ダウン」というイメージを参考にしているが難しい。

muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com