「うねりスイング」の三觜喜一プロ、常盤仁トレーナー、「ジェイコブス3Dゴルフ(Jacobs 3D Golf)」のアンバサダーであるマツモト・タスク(松本協)氏。この3人による「勉強会」の様子を映した一連の「MITSUHASHI TV」の動画は、一見の価値がある。
常盤トレーナーは、三觜プロの最初の著書『ゴルフは直線運動で上手くなる!』に登場したフィットネス・トレーナー。森守洋プロとも親交が深く、YouTube「森守洋の Golf TV」では、ゴルファーのコンディションを整える「常盤体操」を紹介している。マツモト・タスク氏は、 ジェイコブス 3D ゴルフ(Jacobs 3D Golf)の入門書『ゴルフの力学』を書いている。
もともと体が硬い三觜プロ。常盤トレーナーの助けで、胸骨を上げることにより、肩が上がるようになった。そうすると普段できなかった、深いバックスイングができるようになって喜んでいる。
ここまで変わるの!!!コンディショニングの重要性に目覚めよう!
そこにマツモト・タスク氏が登場して、三觜プロのスイングに解説を付け加える。
この動画では現代ゴルフで一番重要だとされることが語られています
- 切り返しでは、飛球線方向とは反対の αフォースと、グリップを引く γフォースが働くことで、より大きなアークのスイングが可能になる。
- 三觜プロ曰く、一般アマチュアはトレーニングもコンディショニングもしておらず、運動する身体ではない。しかしそれでも、正しい「クラブの挙動」を教えることで「片手シングル」までは行ける。
- さらにそれ以上の技術向上には、常盤トレーナーのようなコンディショニングや、Jacobs 3D で解明されたフォースの使い方を、三位一体で教えていく必要がある。
クラブの力学(ジェイコブス3D)から考察する「飛距離のポテンシャル」の正体
- 三觜プロのスイングを Jacobs 3D で解析すると、ハーフウェイダウン P5、P6 のポジションから、グリップが引かれて大きなエネルギーを出している。
- その引く力(γフォース)は米国PGA のプロ並み。
- しかし切り返し P4 においては少し緩んで、飛球線と反対方向に力(αフォース)を出せていない。P4-P5 の位置から力を出せると、さらに 20-30ヤード飛距離が伸びる。
- 三觜プロの昔話:スコアメイクのために、コンパクトなトップの「ショートアーム」のバックスイングを試合では行っていた。
- 左手が地面と平行、P3 / P5 くらいの位置がトップ。ここからであれば、いくらでも振れる。
- 飛距離は半番手から一番手落ちるが、ミート率が上がり、ラインが出せる。
- 飛距離が落ちる分は、番手を上げることで対応
- そういう三觜プロのスイングは、ダウンスイングからインパクトにかけて、グリップを引く γフォースが大きく働いている
- 引けば引くほど、スイングアークの曲率半径が大きくなり、長いインパクトゾーンが作れる。
- ただし「ショートアーム」のバックスイングは体への負担が大きい。ジョン・ラームのスイングもそう。
- 切り返しはもっと腕を上げる方が、フォースを出せる。
- しかし日本の女子プロのように腕を伸ばして「ロングアーム」で高い位置から振るのも、体への負担が大きい。
日米女子プロのフォースのかけ方の比較、身体への負担の違いについては、マツモト・タスク氏と三觜プロの対談でも語られている。これは雑誌 Golf Today に掲載された記事でもある:
golfsapuri.com muranaga-golf.hatenablog.com
一連の動画を見て、僕なりに思ったことは:
- 三觜プロの「うねりスイング」がある程度できるようになれば、トレーニングをしなくても「片手シングル」は目指せる(らしい)
- ジェイコブス 3D からアマチュアが学ぶべきは、グリップを自分の方向に引き続けること(γフォース)により、インパクトゾーンを長くすること
- 切り返しで飛球線と反対方向に力(αフォース)を出すのは、三觜プロもやっていない超高度な技で、アマチュアはそんなことよりもっと他にやるべきことがある
まぁ、「希望的観測」も入れて、自分に都合よく解釈しているだけですけど。
Elements of the Swing: Fundamental Edition (English Edition)
- 作者:Jacobs, Michael
- 発売日: 2016/09/08
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