11月末から12月初めにかけて、このブログの「4スタンス理論」へ言及したエントリーへのアクセスが増えた。BSフジ「激芯ゴルフ」で紹介されたからだろう。身体の特性を4つのタイプに分け、それぞれに合った身体の使い方をしよう、という理論だ。ゴルファーの間では、ちょっとした「血液型談義」みたいに流行ったこともあったと思う。
muranaga-golf.hatenablog.com muranaga-golf.hatenablog.com
「4スタンス理論」については、上の二つの本に詳しい解説がある。今回の「激芯ゴルフ」はそのエッセンスの紹介である:
- Aタイプ:膝とみぞおちが一直線で力が入る。つま先重心
- Bタイプ:膝が動いて、かかと・股関節・首の付け根が一直線になると力が入る。かかと重心
- 1タイプ:上腕と太腿が内旋する。内側体重
- 2タイプ:外旋する。外側体重
この組み合わせで A1、A2、B1、B2 の4つのタイプに分かれ、A2/B1 は身体をパラレルに使うし、A1/B2 は身体をクロスに使う。パラレルは左右対称に動き、クロスは身体を交差させるように動く。僕は A2 パラレル型なので、切り返しが速く、タメを作りにくい。パッシブトルクに代表されるシャローイングの動きは合わない、と認識している。
今回の「激芯ゴルフ」にて、A2 タイプ、パラレルタイプに参考になる話をいくつか聞けたので、メモしておこう:
- Aタイプは、軸足は左、みぞおちと膝を中心にスタンスをとる(お尻を動かす)。膝とみぞおちが一直線になった時に力が入る。
- 体をほぐす時は、股関節・肩周りを動かす。A2 タイプは肩を後ろ回しに動かす。
- A2 タイプは、どちらかの肩が下がったら、もう一方の肩が上がる。肩を直線的に入れ替えることでスイングする(代表:タイガー・ウッズ)。右肩を上げてバックスイング、左肩を上げてダウンスイング、その場でクルっと回る。
- 切返しが速く、タメがない
- ボールの後ろからターゲットを見た後、回り込まずに、直線的にアドレスの位置に入ることができる
- 傾斜のライ:Aタイプは軸足の左足を中心にして立つと、スイングし易い。
- 左足下がり:Aタイプはクローズドスタンスをとる。
- A2/B1 パラレルは、斜面なりに立つ。
- 左足上がり・つま先上がり:A2は左足に体重を乗せて立つ。
僕は三觜プロの「うねりスイング」を参考にしているが、A2 パラレル型にとって、肩と胸郭を分離して右回りにヘッドを動かす「うねりスイング」は、なかなか身につけるのが難しい動きである。とはいえ、三觜プロが参照すべきスイングとして挙げているのは、アスリートゴルファーであればタイガー・ウッズ、アベレージゴルファーであれば申ジエ。実は二人とも A2 タイプのプレーヤーである(『Golf Today 2020年12月号』)。その矛盾に悩みつつも、時間をかけて何とか「うねりスイング」の要素を自分のスイングに取り入れてきたような気がする。
『Golf Today 2020年12月号』で三觜プロは、二人の A2 タイプのトッププレーヤーのスイングについて、次のように解説している:
-
- クラブの挙動がスムーズで途絶えることがなく、素振りの途中で打ってしまう印象
- クラブを常に引きながら回し続けることで、長いインパクトゾーンを実現
- ダウンスイングで手が低い位置に保たれるのは、クラブを引っ張り続けている証。手元が低いほどヘッドは上がり、大回りかつ遅れてくる
- このように動くには、ヒジから先が左に回り続けているスピネーションの動作が入っている
申ジエ:
- 素振りの延長で球を打つ。つまりクラブの重心を感じて、クラブが動きたいようにしている
- 「右回りさせる」のではなく「右回りしてしまう」究極のスイング
- クラブの回転力でボールを飛ばすので、クラブが動き続けて、再現性が高く、インパクトで止まらない