Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

トラックマン初体験!フジクラのフィッティングを受けて、最適の「軽硬」シャフトが見つかった

新しいドライバー SIM2 MAX-D の飛距離を伸ばすべくフィッティングしたら、ハードなスペックのフジクラ VENTUS 5S を勧められて、びっくりした。思い切り振っても左に行かないという思想らしいが、「こんな非力なシニア・ゴルファーに、シブコと同じスペックはさすがに違うだろう」という思いがあったし、重いクラブを 120% でマン振りするよりも、90% くらいの力感で思い切り振りたい。その上、室内シミュレータと実際に屋外練習場やコースで打った時の球筋との違いが生じる懸念がどうしても消えないので、もう一度、シャフトのフィッティングを受けてみることにした。

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VENTUS を勧められたこともあって、フジクラ(Fujikura)のシャフト製品を調べてみると、ありとあらゆるゴルファーに合わせるべく、設計思想の異なるシャフトのバリエーションの幅が広くて面白い。SPEEDER Evolution シリーズは、先調子の奇数系列(つかまり系・弾き系)と中調子の偶数系列(ねばり系)に分かれている。こうしたシャフトについての基礎知識を得るのには、吉本巧プロの解説動画「YouTubeゴルフ大学」がとても役に立った。


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そんな中、カーレーサーの脇坂寿一さんが木場にあるフジクラのゴルフクラブ相談室にてフィッティングして、自分用にリシャフトしてもらう動画があり、僕もこのフジクラの相談室で、シャフトをフィッティングを受けてみることにした。


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その際に選んだのはフジクラクラブ相談室・フィットオンラボ藤沢店である。家からは1時間弱かかるが、藤沢ジャンボゴルフと言う 300打席もある大きなゴルフ練習場の一角にあり、シミュレータではなく 200ヤード先までの実際の球筋をこの眼で確認できる。そしてスイングのデータはトラックマンで計測する。僕にとっては、10数年のゴルフ人生で「トラックマン初体験!」である1

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オンラインで予約した時刻まで 1時間強あったので、ウォーミングアップも兼ねて3階打席から 130球ほど打ち込んでから、フィッティングに臨んだ。今日のドライバーショットは、まずまず真っ直ぐ飛んでいる。

フィッターの方に、今回の背景・希望をお伝えする:

  • SIM2 MAX-D を GLOIRE F2 と比較すると、クラブが重く、弾道が低く、飛距離が伸びない。球が捕まえられない。
  • GLOIRE の純正 R シャフトは、ヘッドが暴れる傾向がなきにしもあらず。一方 SIM2 MAX-D は直進性が高く、球が散らばらずに方向性が安定している。
  • GLOIRE は楽に振れたが、SIM2 MAX-D はマン振りする必要がある。90% 程度の力感で思い切り振りたい。
  • ほぼストレートのドローボールを打ちたい。方向性をキープしたまま、飛距離が伸びるよう、SIM2 MAX-D に合うシャフトを探したい。

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まずは SIM2 MAX-D を使った僕の現在のスイングをトラックマンで計測する。ロフトは 10.5度の標準ポジションに設定して、力いっぱい振るが、なかなか捕まった球は出ないし弾道が低い。フィッターの人によると、「データ上は、ドローボールになるクラブパスとフェース角でインパクトしているが、ほぼレベルブローになっていて、ロフトが立って球が上がらない」「なぜかと言うと、クラブが重い分、捕まえようとして、体が左に突っ込んでいる。フィニッシュも安定していない」とのこと。なるほど。やはり重いシャフトは、非力な僕には向かないということだ。

ヘッドを走らせる方針で、より軽いシャフトを選んでいくこととなった。試打用のヘッドに次の4種類のシャフトをつけて、どれが僕に合っているか、計測データと実際の球筋で確認した。製品名に含まれる「3」という数字からわかるように、30g 台の超軽量シャフトである。ロフトは 10.5度、シャフトの長さは 45.5 インチである。

  1. Speeder Evolution VII 351 SR:41g、トルク 6.6、先中調子
  2. Diamond Speeder SPD3 SR:40.5g、トルク 5.3、中調子
  3. Platinum Speeder SPD3 SR:40.5g、トルク 6.6、先調子
  4. Platinum Speeder SPD3 R :39.0g、トルク 6.6、先調子

因みに今の SIM2 MAX-D と GLOIRE F2 に刺さっている純正シャフトの特性は、下記の通りである:

  • SIM2 MAX-D TENSEI Silver SR:56g、トルク 4.4、中調子、45.75インチ
  • GLOIRE F2 GL6600 R:47g、トルク 4.9、中調子、46インチ

要するに今回試しているのは、40g 前後と非常に軽くて、トルクが大きいシャフトである。ヘッドスピードを上げると同時に、ヘッドを走らせることで、球を捕まえる。30g 台という驚きの軽さだが、最先端の素材技術により、決して軟らかくはなく、むしろ硬い。いわゆる「軽硬(かるかた)」で、しっかり振れるシャフトである。キックポイントは先調子だが、先端の剛性がしっかりしているので、しなり戻りでヘッドを走らせることができる。シャフトが硬いので、高 MOI のヘッドでも、インパクトの衝撃で暴れることはない。

Speeder Evolution VII は人気の Evolution シリーズの最新作。Diamond と Platinum は Jewel Line という上級シリーズで、Evolution よりもさらに特化した性質を持たせている。僕の場合、Evolution VII と Diamond は右にプッシュアウトしたまま、戻ってこないか、そのままスライスしてしまう。球がつかまって、ストレート系のドローになるのは、Platinum であった。シャフトの特性が違うだけで、同じスイングでも、これほど球筋が変わるのだ、と改めて実感する。

さらに Platinum の SR と R を打ち比べて、僕には SR が打ち易く合っていると感じた。しっかり球をつかまえるつもりで腰を切ると、ほぼストレート系のドローボールとなる。トルクは 6.6 と大きいが、シャフト自体の剛性が高いので捻れることなく、思い切り振っていくことができる。GLOIRE F2 の純正シャフトで感じるような柔らかさ・頼りなさはない。

こうして僕のスイングに最適のシャフトは、Platinum Speeder SPD3 SR に決まった。これは1ヶ月前の 2021年3月11日に発売されたばかりのモデルである。フジクラの特集ページでは「最強の弾き系・軽硬モデル」と謳われておりテーラーメイドでのフィッティングで勧められたアスリート向けの VENTUS とは、ある意味、真逆の特性のシャフトとも言える。手元と先端の硬さで分類すると、次のように位置づけられる:

  • Platinum Speeder:手元が硬く、先端が柔らかい。
    • 実は僕のアイアン XXIO Forged の NS Pro もこの性質を持つ。ドライバーとアイアンで同じタイプということだ。
  • Ventus:手元が柔らかく、先端が硬い。
    • 純正 TENSEI Silver TM50 も同じ性質を持つ。
  • Speeder Evolution VII:手元が柔らかく、先端も柔らかい。
    • 純正 TENSEI Blue TM50 も同じ性質を持つ。

フィッターの方と、シャフトの選び方について納得感のある話もできたし、シミュレータではなく、この眼で実際に飛んでいく球筋を見ているので、この Platinum Speeder が自分に合っていると確信できる。実はコーチにも「叩きに行く僕には、軽硬のシャフトが合うかもしれない」と言われていたのだった。

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Platinum Speeder で、ほんの少しドローするストレート系のボールを打てた時の、トラックマンのデータは以下の通りである:

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トラックマンのデータ

5.4度のインサイドからのクラブパスに対して、少し閉じた 4.2度のフェース角で、ドロー回転のボールとなる。アタックアングルは 0.8度、ダイナミックロフトは 14.8度なので、スピンロフトは 13.9度。ほぼ適正にアッパーブローに打ち抜いている。ヘッドスピードは 38.6m/s ともう少し欲しい。スマッシュ・ファクターは 1.48、2500回転ほどのスピン量で、197ヤードのキャリー、224ヤードの飛距離。まずまずである。もう少し速く振れれば、さらに球は上がって飛距離が伸びると考えられる。フィッターによれば、カチャカチャ機能を使って、少しロフトを寝かせたポジションでシャフトを挿す調整をしてもよいとのこと。

今回の試打クラブは 45.5インチであった。バランスは C9 だと言う。「SIM2 MAX-D に挿す場合は、この C9 というバランスをキープするよう工房にお願いするとよい」とのこと。そうすると長さはおそらく 46インチになるだろうとのこと。これは GLOIRE F2 と同じ長さである。Platinum Speeder は、長尺でヘッドスピードを出すために作られたシャフトなのである。

シャフトを作るのは、もちろんこのフジクラのフィッティング・ラボでもできる訳だが、友人より「土浦市のふるさと納税でフジクラのリシャフトができる」と聞いているので、土浦市の工房を利用しようと思っている。Speeder Evolution シリーズであれば、実質、自己負担の 2,000円 + スリーブ代 + 送料で、リシャフトすることができる。テーラーメイドのドライバー用のスリーブは、壊れた GLOIRE F2 のものを流用できるだろう。Platinum Speeder だと、Evolution との差額 15,000円を別途負担することになるが、実質 2万円弱でリシャフトできそうである。

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自分のスイングが安定してきたことにより、フィッティングではシャフトの違いが明確に球筋の違いとなって表れた。それにより、自分のスイングに適したシャフトが見つかったと思う。そしてふるさと納税でお財布に優しく、リシャフトできることがわかった。リシャフトするための条件が整いつつある。今まで深ーいリシャフトの「沼」の一歩手前で、かろうじて踏みとどまっていたものの、いよいよそのマニアックな沼へ、片足を突っ込んでいくことになりそうである。


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  1. と思ったのだが勘違い。4年半前のフィッティングの時に経験済であった。今と違って、完全にアウトサイド・インのスライサー時代である。