Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

トップの位置を修正して、シャフトクロスを直したい

僕が通うゴルフスクールのコーチは「ゴルフはいかに飛ばすか、飛距離が重要なゲーム」という方針から、「(ヘッドがちゃんと戻ってくるならば)シャフトクロスでも問題ない」という、シャフトクロス許容派である。

コーチの経験上、「シャフトクロスからレイドオフに変えると、どうしても飛距離が落ちる」という。その一方で「アイアンの上手い人で、シャフトクロスの人はいない」と、方向性やコントロールを求めるならレイドオフがいいこともわかっている。もともと飛距離がある人が、ショットの精度を上げるためにレイドオフにするのはよくあることだそうだ。

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僕の場合、ホームコースの競技ゴルフで Aクラスを目指しているので、バックティーから戦える飛距離が必要である。生来の非力である以上、飛距離向上が第一の目標だ。「シャフトクロスでこれからもずっとやっていくしかないんだろうな」と思いつつ、カッコいいレイドオフのトップに憧れる。それが現状である。

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とは言え、やはり「手上げ」のトップは修正しなくてはならない。そのため、ここ数ヶ月のテーマは「背中を使ってバックスイングする」であった。僕の場合、バックスイングの最後の最後で、手を使ってクラブを上げてしまう。そうではなく、背中・体幹を使って、トップまで深く捻転しなければならない。そのための練習をしていると、シャフトクロスの度合いも少し緩和される、という状況であった。

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そんな中、昨日受けた GEARS によるスイング分析の結果を、コーチに報告した。長年、僕のスイングを見てきたコーチ、いや、僕のスイングを一緒に作ってくれたコーチと、今後の方向性を共有したかったからだ。

GEARS の計測データでわかったこととして、ハンドファーストインパクトできているのは朗報であった。ただし入射角は、ダウンブローにはなっていない。切り返しの直後に X ファクターが最大になるので、下半身主導の切り返し動作はできていると考えられる。

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そして案の定というべきか、僕のスイングの課題は「トップの位置が高く、シャフトクロスになっている」ことにあるというのが、堀尾研仁プロの指摘だった。高い位置から下りてくるクラブを寝せる、左掌屈を使ってフェースを閉じる、といった調整を行って、スイングプレーンに乗せている。このためダフったりトップしたり、フェースが開いたりといったエラーが起こる。

トップの位置を「フラットなレイドオフにする」ことにより、体の回転でスイングプレーンに乗せられるため、より安定したインパクトが得られる。

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黄:自分(レッスン前)、青:PGAツアー選手平均

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黄:自分(レッスン前)、青:PGAツアー選手平均

バックスイングで左肩が下がって「トップの位置が高い」という課題、シャフトクロスになっているという課題は、正直、GEARS でなくとも、ふだんのゴルフスクールのレッスンで指摘されていたことである。コーチ曰く、バックスイングで「手でトップを作っていた名残り」と言うことになる。GEARS でその事実が客観的なデータとして取れ、アバターとして表現された(見せつけられた)ことになる。

そして次の練習をすることになった:

  • バックスイングにおいて以下を実施する:
    • 右脇を締める
    • 右肘を下に向ける
  • これをアイアンのハーフスイングで徹底的に練習する
    • 9I や PW がオススメ。距離を出そうとする欲をなくす。
  • この時、以下を意識する:
    • 背中を使ってバックスイングする
    • 常にクラブが身体の前にある
    • 背中がターゲットを向く
    • クラブを速く振ろうとしない

そう、とうとう「シャフトクロス」から「レイドオフ」のトップをめざすのだ。ふだんはシャフトクロスを容認するコーチも、いよいよ僕のシャフトクロスを直しにかかったという訳だ。

コーチ曰く「右脇を締めるのが、もの足りないはず。もの足りないのを我慢して、それに慣れてください。」

本当にそうだ。右脇を締めると、トップが浅くなって、もの足りない。右脇を開けた方がクラブが上がって、もっと飛ばせそうな気がしてならない。ともすれば、無意識のうちに右脇を開けて、クラブを持ち上げてしまう。

もの足りなく感じる一方で、この練習を始めてみると、とても楽しいことがわかった。なぜならハーフスイングなので、ミート率がよくなり、気持ちのよい当たり、しかもドローボールが連発するからだ。もちろんハーフショットなので、2番手くらい飛距離は落ちる。そんな中、少しスイングスピードを速めたり、スリークォーターくらいまで体を捻ったりすることで、飛距離を伸ばせることがわかってきた。

うまく打てた時は、よい具合に力が入っていないスイングになる。いい力感というのだろうか、軽くスムーズにアイアンが振れた感じで、気持ちがいい当たりが飛んでいく。

一方、球が右に出る時は要注意。シャフトクロスの時と同じ手の使い方をして(左手の背屈)、ダウンスイングでフェースが開いてしまうという時である。「飛ばそう」と思うと、この癖が顔を出す。

僕の場合、気をつけないとすぐに力が入ってしまう。ハーフスイングのつもりがスリークォーターくらいになるし、スリークォーターのつもりがほぼフルスイングになってしまう。9I で 100ヤードのグリーンに乗せるくらいの力感がちょうどいい感じだ。9I で徹底的にハーフスイングからスイングを作り直していく。

  • ハーフスイングの練習を積み重ねた後に、フルスイングに持っていく
    • これ以上できないというところまで、上半身を捻る
    • この時、絶対に手を使わない
  • ドライバーはハーフショットではなくフルショットで練習する
    • ドライバーはフルスイングするクラブだから
    • 僕の場合、左ひざを伸ばして左股関節を引くくらいのイメージで体をターンさせると、捕まる球が出る

コーチ曰く、レイドオフのトップの位置から、身体の回転だけで戻してくると、自然とハンドファーストインパクトの形になる。これはすなわち、堀尾プロが言っていたことと全く同じである。

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「レイドオフなトップから一本背負いの感覚で、シャフトを立てるように使って、身体をターンすれば、自動的にオンプレーンになり、スクエアなインパクトが得られる」というのが、堀尾プロのスイング論のエッセンスである。中井学プロとの次の動画で簡潔に説明されている:


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なぜコーチがよほどのシャフトクロスでなければ敢えて直さないのかというと、一般的に飛距離が落ちるからだそうだ。少なくとも一時的に、確実に飛距離は落ちる。それに耐えられるかが鍵とのこと。

そしてよくあるのが、スライスしか出なくなってしまうケースだと言う。前述したように、シャフトクロスと同じ手の使い方をすると(トップで左手が背屈すると)、ダウンスイングでフェースが開き、球は右に出てスライスになる。力むとそうなりがち。幸い、僕の場合はスライスせずに、ボールを捉まえることができている。少なくともハーフスイングの練習中は、ドローボールを打つことができている。それが光明だと言う。

一時的に飛距離は落ちるが、ショットの精度・ミート率が上がってくれば、飛距離も戻ってくるはず。それを信じて、今はひたすらレイドオフの練習を積み重ねていこうと思う。

コーチ曰く「もう数年したら(もっと上手くなったら)わかってくると思うけど、腰から腰のスイング軌道が鍵。そのためにはバックスイングの P1 から P4 までの位置をしっかり確認して作り上げる必要がある。」そのためには今回のようなハーフショットでの基礎練習が大事と言うことだろう。

そういえばアイアンのハーフショットでスイングを徹底的に作り直すことについては、谷将貴プロが基本練習としてその重要性を強調していた。7I を使ってショートスイング(20-30ヤード)からハーフ(70-80ヤード)、スリークォーター(120-130ヤード)、フルショット(150-160ヤード)と、芯でとらえる練習を段階的に積み上げていく。地味だけど、まずはショートスイングで2週間、振り幅を大きくして1ヶ月、方向性を重視して1ヶ月、これを続けてみる。フェースの芯でとらえられるようになるまで、3ヶ月くらいかかる。その間「フルショット禁止!」という禁欲的な練習である。

僕にはちょっと無理な超ストイックな練習だが、今回習った低いトップからの 9I のハーフショットを徹底的に行って、レイドオフを身につけていきたい。

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余談だが、僕の場合、トップが高い位置に上がるのは、バックスイングで左の肩が下がるためである。そうなるのは、左側屈の度合いが強いためである。僕の個人的な見解だが、そうなるのは三觜プロの「うねりスイング」のイメージが強く残っているためだと思う。スイングはヨコ振りではなくタテ振りの直線運動であるという見解と、肩と胸郭とが分離して身体がうねるように動くイメージが、僕の中に正しいスイング像としてある。そして何より「左ハンドル」のバックスイング。その over-doing の結果が、バックスイングでの左側屈、ダウンスイングでの右側屈の度合いを強めていると考えている。

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余談その2。みぞおちを境に、腰と胸、二つのコマがあって、それぞれ軸回転するということを、堀尾プロは言っている。これは三觜プロの言う肩と胸郭の分離に相当する話ではないだろうか。