Muranaga's Golf

46歳でゴルフを始めて10数年。シニアゴルファーが上達をめざして苦労する日々をつづります

クラブによって、リリースのタイミングが違うことが Jacobs 3D / GEARS で解明されていた

ヘッドを走らせるリリースのタイミングが思っていたよりも早く、P5 - P6 であることを、『Golf Science』という本で確認したばかり。

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Jacobs 3D を開発した Michael Jacobs らの著書『Swing Tips You Should Forget』(Kindle Unlimited で読める)にも同じことが書いてある。

クラブをリリースするとは、クラブが動く(travel)方向へ手首を素早く動かす(snap)ことであり、クラブにトルクをかけることになる。「リリース」する感覚は、右手を小指方向に押すと同時に左手を小指方向に引くことである。この「押し」「引き」によりヘッドスピードが上がる。

そして「リリース」するタイミングは、ドライバーのような長いクラブほど早く、ウェッジのような短いクラブほど遅い。

つまり「ドライバーとアイアンは同じ打ち方である」と教えられることが多いが、実際には違うというわけだ。基本は同じだが、クラブによって若干の調整(adjustment)が必要である。

この本は、従来のレッスンでよく言われている教えが、実際には違っていることを説明している。たとえば「ラグを作れ」「トップで止まれ」「プレーン上をスイングせよ」「手や腕を意識するな」「手首をフリップするな」「飛球線上にスイングせよ」「頭を動かすな」。

Linkslover さんのブログに要点がまとめられている。

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『Swing Tips You Should Forget』は 2014年に出版されたもので、内容は GEARS 解析によるものである。Jacobs 3D によく出てくるグリップの軌跡(hub path)も出てくるが、グリップに働く力も視覚化する Jacobs 3D は開発中だったと推測される。

スイングにおいて気をつけるべきポイント、すなわちラウンド時のチェックポイント(2024年3月)

スイングの根幹はほぼ固まってきたと思う。ミスにつながるのは、力みとタイミングのズレである。それを避けるべく、2024年3月時点での技術的な注意点を、ここでまとめておく。

この半年間の練習テーマであり、特にラウンド時に思い出してチェックしたいポイントでもある。とは言え、すべてを思い出せるはずもなく、ミスの球筋を見て「これかな?」と推測できたらと思うものである:

  • 素振りと同じテンポ・リズムで、本番もスイングする
    • 上級者の友人から「素振りだけはシングル・ハンディキャッパー」とからかわれている。だとしたら本番もその素振りと同じリズムで振りたい
  • フルスイングでも、アプローチショット(スリークォーター、ハーフショット)の力感でスイングする
  • 上半身の脱力!
  • ハンドダウンの構えからボールと少し距離を取る(叩ける構え)
    • バックスイングの軌道(アーク)を大きく(右脇を締めない)
  • 背中を使って、胸郭主導でテークバックを開始し、背中をターゲットに向ける
  • 左足踏み込みで切り返す。切り返しで急がない。ワンテンポ置くつもりで、静かに切り返す
    • 左胸郭が先行して肩・腕が遅れる感覚
    • ただし上半身から行かない。下半身を意識
    • インサイドからヘッドを入れる
    • 「球は右に出てもいい」という気持ちで
  • 上半身と腕、クラブが一体となってターンする(体の前にクラブがある感覚
  • 左に絶対に突っ込まない
  • フィニッシュをきちんととる
    • フィニッシュがとれるくらいの力感、テンポで切り返しができれば、いいショットにつながる

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以上が、番手共通の注意点となる。以下はクラブの違いで、気をつけていることである:

  • アイアン:
    • ワンピースの意識で、右腰を切る(スイングが詰まらない)
  • フェアウェイウッド:
    • バックスイングで早めにコック
  • ドライバー:
    • 打点を意識。芯に当てるよう、ゆったり振る
    • 腰の回転量

そして本番での心構えを忘れてないようにしたい。

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風速 7m の強風に対応できず。本番でのショットがなかなか安定しない(入間CC AG)

練習場ではまずまずだが、本番のコースではショットが荒れる。特に風速 7m もの強風が吹くと、切り返しからダウンスイングで力が入り、大きなミスショットとなる。ドライバーショットが右に左に大乱調。気の置けない友人たちをホームコースに招いてのラウンドは、大叩きのホールが 3回と、残念な結果に終わった。

前半 IN は 18番。ドライバーが右の林。5I での脱出がショート。5Wチョロ。グリーンを狙う 9I でバンカー突入。ミスショットのオンパレードで、トリプルボギー。

後半 OUT は 3番のドライバー OB、打ち直した後にグリーン周りのアプローチミスもあり、ダブルパー。そして 7番もドライバーがテンプラして右の林に。脱出の番手選択ミスで目の前の枝に当ててしまう。その後バンカーにも入れてしまい、トリプルボギー。

これらの大叩きを除けば、いつものボギーペースというところだったろう。強風というコンディションでも、通常の練習と同じスイングができるか?2番手以上上げ下げできるか?技術の未熟さが露呈したラウンドであった。

上級者の友人は前半ショットが不調だったが、後半見事に立て直して IN:49、OUT:40 と80台。この実戦での対応力・調整力が大きな差である。常に心をニュートラルに保ち、一定のリズム・テンポでスイングして、フィニッシュを決める。自分のめざしたい姿である。

DateCourse (rate)YardParScoreShotShortG / PT / GBPSituation
2024.3.2入間CC IN→OUT (70.2/93.6/126)6216729748494353332110.5t、晴れ、風速 7m/s、気温 9度

  1. スコア:97、パット:33(1.83)
  2. ショット(60Y以上):43、ショートゲーム(60Y未満):53、ペナルティ:1
  3. パーオン率:5.6%、ボギーオン率:55.6%
  4. バーディ率:0%、パー率:16.7%、ボギー率:50.0%
  5. ダブルボギー率:16.7%、トリプルボギー以上率:16.7%
  6. フェアウェイキープ率:42.8%
  7. OB 発生率:1回、ペナルティ率:0回、ガードバンカー率:2回
  8. パー3 計 +4 以下:+2
  9. パー4 パー 4H 以上:0H
  10. パー4 セカンドでグリーンを狙える 7H 以上:4H
  11. パー5 計 +2 以下:+6
  12. トリプルボギー 2H 以内:3H
  13. トリプルボギー直後 +1内:2/3
  14. グリーンオン率(60Y以上)50% 以上:2/15

練習場と同じように振れていないのは、自分でもわかっている。打つ瞬間に風を感じると、余計な力が入る。アゲンストに対して、大きな番手を持つと、振り切れずに腰が止まり、引っかける。インサイドからヘッドが入れられずに、球を捉まえられない。

現在の練習テーマである背中を使ったバックスイング右足の使い方なども、最初は気をつけていたものの、あまりのミスショットの多さに、いつしか置き去りになっていた。ミスへの恐れから当てることに意識が行ってしまい、目の前の一打、そこでやるべきことへの集中力を欠いていた。

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距離の短いコースであれば多少の乱調も許されるが、ホームコースではしっかりやられてしまう。この調子では、4ヶ月連続のベスグロがかかっている来週の Bクラスの月例競技が思いやられる。前月同様、練習して、スイングを取り戻して備えたい。

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ベアグラウンドに近い花道からのアプローチがまずまずだったこと(若干、上からヘッドを入れるイメージ)、「芯が広くなった」AI設計の Ai-ONE パターが機能したこと(下りの触るだけの微妙なストロークも実行できた)が、今回の成果かな?Ai-ONE がエースパターに昇格するかもしれない。

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朝の練習でわき腹を痛めたにもかかわらず、その後アイアン中心で頑張りとおした後輩が凄かった。肉離れなのだろうか、相当痛そうだった。

いつもの小竹向原蕎麦屋で反省会、そしてゴルフ談義。

個人的には、森田理香子プロの JLPGA ツアー復帰が嬉しい。美しく無駄のないスイングから放たれるドローボールは、キャリーで 260ヤードも飛ぶ。そんな話をしたら、怪我をした後輩が彼女のインスタグラムのファンであることがわかった。さっそくフォローする。

また僕と同じように O-Works のパターを 7年以上使っている友人には、O-Works と打感が同じで「芯が広がった」Ai-ONEパターと、練習器具として堀川未来夢プロ絶賛「溝なし」パッティングレールを推しておいた。

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強風の中のゴルフの代償は目の痛み。花粉症である。

本日の昼食、おやつ、夕食は次の通り:

ゴルフ ラウンド記

重心管理をしながら「引いて、引く」練習器具 3D Swing Mentor の 2024年モデルが発売された

3年ほど前、「Jacobs 3D に基づくスイング練習器具 3D Swing Mentor は『うねり棒』の改良版?」という文章を書いた。

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最近になって、Jacobs 3D の日本人アンバサダーである松本協プロ(『ゴルフの力学』の著者。金融マンだった Task さんはとうとうティーチングの資格をとって、プロとしてのセカンドキャリアを歩んでいる)が、自身の YouTube チャンネル TASKGOLF で、科学的根拠に基づく練習器具というテーマで話している動画を見つけた。そこでは三觜喜一プロ監修の「うねり棒」(正式名:ツアープロスインガー)を取り上げ、その長所と制約を語っている。


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「うねり棒」は科学的根拠に基づき、緻密に設計された曲がり(R)により、ゴルフクラブの偏重心特性を実現し、その正しい動きを身体に染み込ませる器具であると、Task さんは推薦している。「うねり棒」で素振りをすることを通じて、バックスイングから切り返しにおける「右回り」のループや、ダウンスイングからインパクトにかけて、縦のエネルギーを横に変換、手首と腕のアーム角を維持したままスピネーションする動作を、身につけることができる。

shop.golfcamp.jp

その一方で、インパクトからフォロースルーにかけては、手首が返り過ぎるという点が、「うねり棒」の制約だという。「うねり棒」はフルスイングするのには向いていないので、それができる 3D Swing Mentor を開発している。そういう主旨の動画であった。

そうして 3D Swing Mentor は開発された。それは Jacobs 3D、あるいは TASKGOLF の基本コンセプトである、重心管理をしながら、クラブを「引いて、引く」スイングの動きを、自然と身につけるための素振り練習器具である。スタック&ティルト(Stack & Tilt)、ローポイントコントロールを標榜する宮崎太輝プロも絶賛している。


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www.youtube.com

そしてついに 2024年モデルの 3D Swing Mentor が 2月25日に発売された。

先行予約で申し込んだので、3月から 4月にかけて届く予定である。それまで「うねり棒」を使った素振り練習を続けよう。

taskgolf.com

3D Swing Mentor:Web サイトより引用

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昭和の教え方で「地面反力」を習っている

ここ数ヶ月のテーマであったバックスイングについて、だいぶ改善されてきたので、ゴルフスクールでは、新たなテーマとして「右足を使った下半身の動き」に取り組み始めた。

コーチ曰く「昭和の教え方」だそうだ。僕自身は科学的根拠に基づいたアプローチに惹かれるが、実はこういう昭和の教え方・練習法も好きだし、その練習によって身につけたこともたくさんある(たとえば、左足荷重のまま左サイドを使うドリル右足ベタ足による下半身を使った腰のターン)。

道具が進化しているとは言え、ゴルフクラブの形状は変わっていない。GEARS などの技術により、計測データの分析が進んだものの、スイングそのもののあり方、そしてその練習法は、今も昔もあまり変わっていないのではないだろうか?

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その昭和の教え方による右足の使い方は次の通り:

  • アドレスで両内腿を内側に締めるように構えて、骨盤の回転の土台をしっかりつくる
  • 切り返しからインパクトにかけて、右足親指の側面で地面を押さえつける
    • 右ふくらはぎ周りの筋肉を使う
    • この時、左脚・左膝は左に流れず、両脚とも内側に締める感覚
  • フォローからフィニッシュに向けて、右かかとが引き上がる

これが基本であり、去年の5月に習った脚の動きをもう一度習っていると言えよう。

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この右足の使い方をさらに積極的に行っていくと…

  • 右足親指の側面が痛くなるくらい地面を押さえつけて蹴る
  • 左腰・骨盤の回転と、右足の蹴りを同期させる

昔、脚を使った腰の回転を学ぶために、右足ベタ足で右腰を押し込む練習をやっていた時期がある。今回、それとは内容が異なる。ベタ足ではなく、右親指で地面を蹴ることにより、腰の回転量を増やす。

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僕の場合、左足の踏み込みによる切り返しはうまくできているのだが、右ベタ足の時の癖が出て、右足で地面を蹴るタイミングが遅く、腰の回転との同期ができない。

もしこれがうまくできるようになれば、「地面反力」を使っていると言えるのではないだろうか。というのは、10数年前に吉田一尊プロが『セカンドショットは、ウェッジで。』や『ゴルフ 飛ばしの最終定理』という本で、「地面反力」の一つとして右足の内側を使うものを紹介していたからである(末尾参照)。

まぁこの動きが「地面反力」かどうかはさておき、ハーフショットで徹底的に、右足の蹴りと身体のターンを同期させる動きを身につけたい。もしかしたら、左足の踏み込みと右足の蹴りをほぼ同時に行ってもいいのかもしれない。

ハーフショットでできるようになったら、徐々に振り幅を大きくしていくようにしたい。振り幅を大きくする時に気をつけるのは、バックスイングを背中を使って行うことと、バックスイングのスピードを少し上げていくことである。

ゆっくりバックスイングするとミート率もいいのだが、速くすると打点が安定しない。しかしコーチには「これからさらに歳をとると、(筋力の問題から)ゆっくりバックスイングすることはできなくなる」と言われている。したがってバックスイングのスピードに今のうちから慣れておく必要がある。

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昭和の教え方で習っている「地面反力」についての科学的な解説は、やはり『Golf Science: Optimum performance from tee to green』という本が参考になるだろう。以前、体重(荷重)移動の項を紹介したことがあるが、そこに「地面反力」(Ground Reactive Force)の解説もある。

地面反力のベクトル:『Golf Science』P.52 より引用

この図は荷重に対しての「地面反力」のベクトルを示している。したがって自分の荷重はその逆向きのベクトルになる。TB(トップ、P4)では右足(後ろ足)に多く荷重している。ED(ダウンスイングの早い段階、P5)では左足(前足)に荷重するが、この時、右足の地面反力は自分の後方に向かっている。つまり右足は前方に向けて荷重している。そして BC(インパクト、P7)においては、ED と両足の荷重ベクトルの向きは相互に入れ替わり、右足の荷重は後方へ(地面反力は前方へ)向かっている。

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荷重移動(赤=Front-foot style):『Golf Science』P.53 より引用

体重移動(荷重移動)には、Front-foot style(右 → 左)と Reverse style(右 → 左 → 右 → 左)があるが、ここでは従来型の Front-foot style に注目する。上図の赤が、左足(前足)にかかる荷重の割合を示している。TB(トップ、P4)では 20% だったものが、ED(ダウンスイングの早い段階、P5)では 80% となり、それが BC(インパクト、P7)まで続く。青の Reverse style だとインパクトからフォロースルーにおいて、右足(後ろ足)の方への荷重が多い。

荷重フットワーク:『Golf Science』P.53 より引用

グラフの赤が左足(前足)、黒が右足(後ろ足)への荷重を示す。上のグラフが従来型の Front-foot style であり、下のグラフは Revese style である。Reverse style だとハーフウェイダウンから、インパクト(BF、P7)、フォロースルー(MF、P8)にかけて、右足に体重(荷重)が増えている。僕は Front-foot style だが、もしかしたらこれが右足の蹴りのタイミングについて、ヒントを示してくれているかもしれない。

「地面反力」について書かれた本の読書メモ
PGAツアー選手が、地面を蹴る反動で飛距離を伸ばしている。タイガー・ウッズも「地面反力」を使う、体に負担の少ないスイングに変えることで、従来よりもヘッドスピードを上げ、見事、復活優勝を遂げた。

このように最近「地面反力」を使うスイング理論が広く知られている。地面反力とは、足を踏み込む反作用として、地面から受ける力のことである。筋力という体の中の力(内力)だけではなく、地面からの反作用という外力を利用することで、体のターンをスムースに行う。

この本は、物理学(力学)、そしてバイオメカニクスの観点から、地面反力の効果を体系的に説明する。体の回転軸は、垂直、前後、飛球線と3つの軸がある。どのようなタイミングで左足と右足を踏み込めば、地面反力の効果を最大化して、3軸の回転のモメンタムを得られるか。その理論的な説明に一章が割かれている。著者のクォン博士によると、地面反力はまったく新しい概念ではなく、従来からあるスイング理論を、バイオメカニクスの観点から改めて体系づけたものであるとのこと。筋力を鍛えるのは大変だが、反作用という体にとっての「外力」を使うことで、体に負担をかけずに、飛距離・精度を上げていくことができるという。やはりキモは、切り返しでの左足の踏み込み。クラブがトップに上がり切る前に踏み込むことで、回転の大きなモメンタムを得る。

後半の章は、吉田コーチによる、地面反力を利用するスイングを身に着けるための方法論。スイングの物理的な理論と、そのコーチングとの両方をカバーしている。モデル化のレベルが詳細過ぎず、またシンプル過ぎず、ちょうどいい抽象化レベルで、わかりやすい。

「地面反力」は、物理(力学)の観点からも、非常に納得できる理論である。体の回転を、3軸に分けて説明しているのが新鮮。下半身の使い方、左・右の荷重のタイミングを明確にしている。下半身を使ったボディーターンは永遠のテーマであり、いかに精度を高く、回転スピードを上げるかに取り組んでいる訳だが、2018-19 の冬のスイング改造のメインに「地面反力」を据えてみたい。
左足を支点とする左足一軸スイングで、右半身を動かすことにより、飛距離を伸ばすことを提唱。トップで筋肉を引き伸ばし、それが縮む作用でスイングするイメージ。その理想を体現しているのがタイガー・ウッズ

スイング・リズムは「イーチ」の一拍子で、止めることなく、体幹の動き(手を振るのではない)でスイングすること。

そしてアドレス、バックスイング、ダウンスイングで、症状(膝、腰のどこがゆるむか)ごとに修正ポイント・練習法を示す。

理想のバックスイングのポイントは:
・左股関節の位置をキープ
・右股関節を後ろに下げる動きで体を回す
・肩甲骨周りの筋肉が引き伸ばされる
・グリップの形はアドレス時と変わらない

このように引き伸ばされた筋肉が縮む動きでダウンスイングへ移行する。ダウンスイングは、バックスイングが正しくできていれば自然にできる。左脚軸が基本。地面からの反力を使うために、

・トップの寸前に、右足の内側で、地面をグッと踏み込む。すると、地面反力が左斜め上方向に働き、下半身が左側に動き、右脚が伸び、骨盤が左に回転する

バックスイングで:
・右ひざが緩むタイプの人は、地面をえぐるように右足を内側に倒す。両膝の間隔が近くなり、体が回転する。セルヒオ・ガルシアのイメージ。
・左腰が動くタイプの人は、左足外側方向に両足で踏み込む。次の瞬間、体全体が沈み込んだ分伸びあがるとともに、左の骨盤は後ろに下がり、鋭く回転する。タイガー・ウッズのイメージ。
・右腰が横にずれるタイプの人は、骨盤を右に向けたままお尻をターゲット方向に沈み込ませる。アダム・スコット尾崎直道のイメージ。

そしてスイング中、手は何もしない。手首のコック・ヒンジ・ローテーションは自然に起こる。(手をコントロールしたり、リリースタイミングを変えたりして、球筋を制御するのはプロの技)手を固定すること、下半身から切り返すことで、シャフトのしなりが使える。

当然、練習が必要。「イーチ」のリズム、左軸で振ることを繰り返した結果、「クラブに振られるような感覚」「体ががゴムのように、自分で動かすのではなく、動かされている感覚」が生まれ、その時には力強い弾道が生まれるはず。
同じ著者の本を3冊読んだが、この本が一番ビジュアルでわかりやすく、さまざまなドリルを紹介している。また症状別の対処の仕方も説明されている。

・飛ばない理由は「手打ち」と手を速く振ろうとすることによっての「振り遅れ」「体の開き」。
・右手が支点、左手が力点、てこの原理で左手を引いてクラブヘッドを走らせる。
・胸に目があるイメージ、その目でボールを左斜めから見るつもりで思い切って体重移動すると体が開かない。
・リリースを遅く、タメを作る。ダウンスイングで腕とシャフトの角度を保ったまま下してくる。
・左手でシャフトを軸に回転させると小さな力でフェースターンできる。腕はV字に動く。横に振るイメージはない。

・ゴルフスイングは振るのではなく、体を左右に揺らすイメージ。
・下半身でヘッドを走らせる。そのためにダウンで左足を強く踏み込む。その反動で左ひざが伸び、それとともにグリップの動きが止まりその間にヘッドがグリップを追い越す。クラブが最下点に向かう直前で左足を伸ばすこと。

・地面からの蹴りは、(1) 左足(松山英樹、D.ジョンソン) (2) 右足(マキロイ、ファウラー) (3) 両足(タイガー・ウッズ) と3タイプある。

・飛ばしはタイミング。
・左足を軸にして回転する。
・両ひじを体に向けることで、背中の筋肉が伸び、その縮む力を利用できる。

「ヘッドを走らせる」ためのリリースポイントはどこか?正しいレートヒットとは?

「ヘッドを走らせる」、そのために(手首を)リリースする。そういう教えを受けてきたが、ここにきて大きな誤解をしていたかもしれないと気づいた。

インパクト時に右手首をリリースする(右手首の背屈を解放する)ことで、インパクトゾーンで「ビュン」とヘッドが走ると思っていた。右手首のリリースにより、インパクト前後にグリップエンドが入れ替わるような感覚で、ヘッドが走るイメージである。だが、どうやらこのイメージは間違っているような気がしてきた。

ゴルフスイングをクラブと腕から構成される「二重振り子」ととらえると、インパクトから最下点にかけて、クラブ(第1振り子)と伸びた左腕(第2振り子)とが真っ直ぐになった瞬間が、遠心力が最大となり、ヘッドスピードが最速になる。そこを過ぎると、左手首が背屈するような動きとなり、振り子は当然減速していく。

つまり僕が抱いていた「インパクト前後にヘッドが走る」イメージだと、ヘッドが加速するよりも、むしろ減速してしまうことになる。

「ハーフスイングで遠くへ飛ばす」練習をしていた時には、このイメージでも、あながち間違いではなかったのだが、フルショットで「ヘッドを走らせる」際には、このイメージだとうまく行かない。フェースが開いたままインパクトを迎え、ボールが右に行く。

この時、ゴルフスクールのコーチには、「球が捉まえるならば、リリースタイミングをもっと早く!」と言われていた。コーチから「もっと前。ハーフウェイダウンより前」と言われた時、実を言うと半信半疑だった。なぜならそのタイミングで手首をリリースするのは、アーリーリリースの間違った動きだと思っていたからだ。

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一方、一般的には、ハーフウェイダウン(P6)からインパクト(P7)にかけては、クラブにかかるエネルギーが大きく、ゴルファーはフェースを閉じるスピネーション(左腕の外旋)以外は、実質何もできないと言われている(たとえば三觜喜一プロの「うねりスイング」、あるいは Jacobs 3D を解説した松本協『ゴルフの力学』)。

P5(ハーフショット)ないし P6(クォーターショット)からのダウンスイングに置いて「遠くへ飛ばそう」とすると、インパクト時(前後)にヘッドを走らせるイメージでも通用した。しかしフルショットの時は、このイメージだと遅過ぎるということだ。つまり、右手首のリリースタイミングはもっと早く、リリースポイントは P5 - P6 ということになる。

奥嶋誠昭 『ゴルフ 当たる!飛ばせる! スイング解剖図鑑』P.12-P.13 より引用

実際のところ、どこが正しいリリースポイントなのだろう?何がアーリーリリースなのだろう?科学的に検証されてはいないだろうか?

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『Golf Science: Optimum performance from tee to green』という本に、「ヘッドスピードを最大化する手首のトルクの最適パターンは何か?レートヒットはドライバーの飛距離を伸ばす助けになるのか?」という、そのものずばりの説明があった!

それによると、手首のリリースには 3つのパターンがある:

  1. Natural release:自然な手首の解放
    • 筋肉を使って手首のトルクをかけない。クラブには遠心力がかかるだけ
  2. Delayed wrist action:手首の角度を維持して、解放を遅らせる
    • 手首の角度を維持して、レートヒットを行うように、トルクをかける
  3. Delayed-active release:遅らせると同時に、アクティブ(能動的)にトルクをかける解放
    • 2 と似ているが、遅らせるだけでなく、クラブを加速させるようにアクティブにトルクをかける

下図が 1. の Natural release と 3. の Delayed-active release を示している。B の時点で、クラブを加速させるよう、アクティブにトルクをかける。シミュレーションでは、1. の Natural release のヘッドスピードは 145.5 km/h(40.4 m/s)に対し、3. の Delayed-active release だと 158.4 km/h(44 m/s)となる。つまり3. が「ヘッドを走らせる」リリースということになる。

Natural release:『Golf Science』P.57 より引用

Delayed-active release: 『Golf Science』P.56 より引用

次の図は、ヘッドスピードが最速になる Delayed-active release のタイミングを示している。左腕が 9時のポジション(P5)で手首の角度を維持して、8時のポジション(P6)にて、両手首に力を加えてクラブを解放する。

ヘッドスピード最速の Delayed-active release:『Golf Science』P.57 より引用

ヘッドスピードが 4m/s も上がるのであれば、この Delayed-active release という手首の動きを身につけたいものである。P5 まで維持して P6で解放する。これが科学的に検証された「ヘッドを走らせる」リリースである。

まとめると、切り返し(P4 )直後から手首が解けるのはアーリーリリース、P5 まで手首の角度を維持して、P6 までに能動的にリリースするのが「ヘッドを走らせる」ということなのだ。

ただし『Golf Science』によると、手首の角度のリリースが 50ms(瞬きの半分の時間)早過ぎると、natural release よりもヘッドスピードは遅くなるとのこと(これがアーリーリリース)。解放を遅らせるレートヒットはそれだけ難しい技術なので、アベレージゴルファーは、緩やかなグリップで、遠心力のままに自然に解放(natural release)するのがよいだろうと、『Golf Science』は述べている。

うーむ…。正しいレートヒット(タメの作り方)、正しい手首のリリースポイントはわかったが、アベレージゴルファーには無理な動きなのか。4m/s のヘッドスピード増は魅力的なのだが…。

以下は完全に僕の想像(妄想)である。

この P5 - P6 での手首のリリースだが、インパクト(P7)で右手首の背屈を解放する従来のイメージとは違い、左手首のコック(垂直方向の撓屈)の解放になると思う。なぜならこの段階ではクラブは横ではなく縦に振っているからである。それと同時に、フェースを閉じる方向にシャフトをローテーションさせる、いわばスピネーションの動きが複合したものになるように思う。

この P4 - P6 での腕・手首の使い方については、Jacobs 3D で明らかになり、三觜プロが推奨しているやり方が参考になると考えている。すなわち、P4 の切り返しでクラブをシャローアウトさせ、飛球線後方にグリップを引っ張る(γフォース)と同時に、クラブをキャストする(αフォース)。その後はグリップを引き続ける(γフォース)と同時に、スピネーションを行う(γトルク)。

この Jacobs 3D で解明された動きに、P5から P6 のダウンスイングにおけるアンコックを加えることが、アクティブなトルクのかけ方、ヘッドを走らせる 3. のdelayed-active release なのではあるまいか?Jacobs 3D だと手首のコッキングを維持する βトルクは受動的な働きだが(2. の delayed wrist aciton に相当)、それを能動的にかけて解放するイメージである。

『Golf Science』と Jacobs 3D から得られているデータから、たくましく想像力を働かせてみたものの、実際に切り返し(P4)からハーフウェイダウン(P5 - P6)にかけて、こんな複雑な運動を自分が意図を持ってやれるとは、まったく思えない。ただでさえ不安定な打点がさらに乱れる可能性もある。僕にできることは、とにかくグリップを引き続けるだけの 1. natural release なのかもしれない。

科学的な計測データとして頭の片隅に置いておくが、どうしたらヘッドが走らせられるのか、自分のフィジカルな感覚で掴んでいくには、実際の練習を通して、試行錯誤(ポジティブに言えば仮説検証)するしかない。

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気温3度、霧雨の真冬のゴルフ。ショット・アプローチのミス多発、バンカーに7回も入れてしまった(東急 700C 西)

富士通レディースが開催される東急セブンハンドレッドクラブ西コースに初挑戦する。18番に絶壁のバンカーが待ち構えている。

せっかくの機会なのに、あいにくのお天気。傘をさすほどではないが霧雨がずっと降り続けている。気温3度。風も強い。

いつもは渋滞するアクアラインもすいすい走れる。スタートの 2時間前に着いたので、出汁巻き卵のサンドイッチで腹ごしらえ。

ゴルフをキャンセルした人も多かったらしく、2組早いスタートでスループレイに変更してもらったが、これが功を奏した。18ホール回って、冷えた体をお風呂で温め、ビュフェスタイルのランチを食べていた 14時ごろには、雨はさらに強くなっていた。

東急セブンハンドレッドクラブの朝食と昼食のデザート

真冬のゴルフは難しい。思ったほど球が飛ばず、ショートする。着ぶくれしているせいか、バックスイングが浅くなる。そのため体を十分に使えず、手打ちになってショットも左右に乱れる。薄芝からのアプローチも距離感が合わない。

何とかボギーペースを維持して、できれば 90台前半まで辿り着きたかったが…。前半 IN はそれでもダボ 3回の 48。最終 18番の「絶壁バンカー」は回避した。

後半 OUT は 2番、3番、4番、5番と、パーを取る機会があったが、1m - 3m のパーパットをいずれも外してしまい、流れを作ることができなかった。5番パー4でダブルパーの 8打、6番パー5でトリプルボギーを叩いてしまう。この二つの大叩きが響き、最終 9番で、バンカーから 3m に寄せてそれを 1パットで沈めて、ようやく初パーを取ったものの 50。トータル 98(37パット)と、100 は切ったが、目標の 90台前半は達成できなかった。

セカンド以降のショットの精度を上げることが課題であるが、今回は縦横ともに本当に酷い出来であった。2番手上げたのに、アゲンストで届かないという判断ミスもあった。途中、右足への荷重を減らし、左荷重のまま打つことで、打点の乱れを修正したものの、縦距離が合わない。「絶壁バンカー」は回避したが、結局ガードバンカーに 7回も入れてしまう。いずれも一発脱出できたのは、日ごろの練習の賜物だろうか?

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5番パー4の大叩きは、ドライバーの右ミス、ラフからの 6I のチョロ、5W の右への大ミス、10ヤード以上の高さもある斜面からのアプローチが乗らずの 5オン。5m のパットを狙ってしまい、2m オーバー、返しのパットも外してダブルパー。

大叩きのあとの 6番パー5は何としてもボギーに収めたい。傾斜も多くグリーン前の木がスタイミーなトリッキーなホールである。難しいライからの第3打を何とかグリーン手前 50ヤードまで運ぶ。薄芝のライから 56度で何とかうまく打ったと思ったが、わずかにバンカーを越せずに、真上から落ちて目玉となってしまった!アゴも近く出すだけ。6オン 2パットのトリプルボギーである。

5番はファーストパットを慎重に行えば、トリプルで抑えられたはずだし、6番は 50度でとにかくバンカーを越せば、ボギーにはできたはずである。冷静なゲームマネジメントができなかった。

DateCourse (rate)YardParScoreShotShortG / PT / GBPSituation
2024.2.23東急700C 西 IN→OUT (-/-/-)618372984850405837709.9t、雨、気温 3度

  1. スコア:98、パット:37(2.06)
  2. ショット(60Y以上):40、ショートゲーム(60Y未満):58、ペナルティ:0
  3. パーオン率:5.6%、ボギーオン率:61.1%
  4. バーディ率:0%、パー率:5.6%、ボギー率:61.1%
  5. ダブルボギー率:22.2%、トリプルボギー以上率:11.1%
  6. フェアウェイキープ率:42.8%
  7. OB 発生率:0回、ペナルティ率:0回、ガードバンカー率:7回
  8. パー3 計 +4 以下:+4
  9. パー4 パー 4H 以上:1H
  10. パー4 セカンドでグリーンを狙える 7H 以上:9H
  11. パー5 計 +2 以下:+9
  12. トリプルボギー 2H 以内:2H
  13. トリプルボギー直後 +1内:1/2
  14. グリーンオン率(60Y以上)50% 以上:2/19

37パットしたものの、パッティング自体は悪くなかった。ホームコースと比べて曲がり幅の少ないグリーンに慣れず、ラインを深く読み過ぎたり、真っ直ぐ抜けて行ったり。ピンもほぼグリーン奥、あるいはお椀の頂上といった難しいところに切ってあり、ロングパットをオーバーすると数m 転がって 3パットにつながった。

新兵器、AI を応用したフェース設計で「オフセンターも芯」というパター Ai-ONE を投入した。練習グリーンであえて芯を外してロングパットを打ってみたが、確かに打感・ボールスピードともにそんなに変わらないし、大きくショートすることがない。今回のコースのように、大きな1グリーンでは成果を発揮すると思う。次回、慣れた 2グリーンのホームコースでどうなるか試してみる。

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